唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

アオギリにたくして

2014年08月09日 | 好きな映画・良かった映画
映像がテレビドラマのようで、違和感がありました。あと、イタイ演技があるのも気になりましたが、それは、エンドロールで○○のみなさんとか書いてあったうに、素人さんがやっていたからかもしれません。
主人公の女の子が語り部の妹さんと食事をするシーンでは2人が食べる量とは思えないおかずがテーブルに並んでいたり、お父さんがなくなるシーンでは、お医者さんの部屋かと思うくらいきれいな部屋だったり、アオギリのシーンでおめでとうという意味不明なエヴァかよと突っ込み入れたくなるシーンとか、若かりし日の妹さんのじっと見つめる表情がなんかよからぬことを考えていそうだったり、後をつけるのも、もうちょっと遠くにいないと見つかっちゃうよ!って感じとか、結婚を約束した人の髪の毛とか、前かがみになるところの胸の谷間とか、不良とのエピソードとかそういうところが気になったりもしました。なんか雑念だらけですが。

それはそれとして、内容がとても重くて、ずっと顔がびしょびしょになってました。原爆はその時の爆風だけでなく、生き残った人たちのその後の人生も狂わせてしまうものなのだと、あらためて感じました。それは、今でも続く後遺症の問題だけでなく、家族や社会、人間を壊すものなんですね。
峠三吉の「人間をかえせ」が心に残ります。

イタイ演技のことを書きましたが、実は、グッとくる演技もありまして、最後、新幹線に乗り込むときにもう一度振り返って両手を広げて抱き合う時の表情は別れるさみしさとか愛情とか甘える感じとか、いろんな感情にあふれていて素敵なシーンでした。
キスした後に足を見ようとするシーンとかもよかった。

菅井玲さんっていうのかな?ちょっと硬い感じもしたけど、その硬さが好きです。
風見しんごさんはあまり好きなタレントじゃなかったんですけど、この人のお父さん役が意外とはまっていて、とても良かったです。原日出子さんとか、おばあちゃんの人とかもとってもいい表情するんですよね。

役者さんをはじめ、作り手さんの良心が作り上げた映画だと思いました。

日本にとってこの季節は平和を思い返す季節ですが、最近はあまり考えてきませんでした。戦争が現実的になってきている中で、平和のことをもう一度ちゃんと考えなければ。核兵器についても、もう一度考え直さなければと思いました。