唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

続氷点 (下)  / 三浦 綾子

2008年11月03日 | 
続氷点 (下) (角川文庫)
三浦 綾子
角川書店

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順子さんは・・・そういうことだったのか・・・・
なるほど・・・

夏枝がけっこう悪い人のような印象が強かったのですが、それがまた違う印象になってきます。なんというか、かわいらしいというとちょっと違うのかもしれないですけど、天然のお嬢様的というか・・・もともとそうなんですけど、どことなくかわいそうで憎めない感じで・・・それまでのようなひどい仕打ちもしなくなったのもあります。
啓造が三井恵子さんを同情するのが気に入らなくて口げんかするところがあって、浮気して子どもまで生んだその人を同情するのに、何で自分がキスマーク付けられたことをずっと怒っているのか!ということなんですけど、そこで、啓造さんに「遠い人ならそうならないけど、身近な人だからだ」みたいに弁解されて・・・「なんかごまかされたような気がしますわ」といいながら、ちょっとそれを喜んじゃってるみたいな・・・そこで、なんかかわいいなあ・・・

徹さんに思いを寄せてる人が・・・なんと・・・まあ・・・いやあ・・そんな・・・まじで!?という展開とか、陽子の弟が・・・
まあ、世界は小さいですなあ・・・

もうすぐ終わります。
この物語が終わってしまうのはとても残念です。

・・・終わっちゃいました。
予想はしていたけれど・・・徹さん・・・かわいそうだなあ・・・陽子さんのことを「悪い女」と村井さんが言っていましたが、案外当てはまるかも。自分の意思とは関係なく、男どもを不幸にしてしまうのが陽子さんなのかもしれません。かなりお母さん似ですね。

陽子さんに対して、どんどん興味を失っていきました。何ででしょう。なんか、自分勝手にもみえちゃったり、恋愛についても、中途半端な決断をするから右往左往するんじゃないかと思ったり・・というか、そういう好きとか愛してるとかいう感情が無いうちに誰と結婚するとか決めちゃおうとするからこんな結果になるんじゃないのかなあ・・・・

登場人物のやり取りだけを見せられてしまうからなのか・・・その恋愛とか、不貞のなんだかとか、そんなことだけで人生を送っ手いるわけでもないだろうにとも思ってしまいます。

自分の心の中の葛藤とか、苦しみはかなり深く描いていて、その得体の知れない心の中のことが大きなテーマなのだと思うんだけど・・・社会の中のその人たちという視点からではないので、そこが自分にぴんと来ないところなのかなあ・・・苦しみや悲しみが、登場人物の中だけの問題としてあれこれあるので、そこが・・・ちょっと・・・みんな金に困っている人たちじゃないからね。

でも、そういう視点だったからこそ、わかりやすくすらすら夢中になって読むことができたのかもしれません。