実に1ヶ月ぶりの更新。
8月は怒涛のごとき忙しさで、パソコンもなかなか開けずに過ぎてゆきました。
夏期講習も一昨日ようやく終り、昨日から遅い夏休みです。(朝のバイトがあるので、完全に一日中お休みというわけでもないのですが。)
今日は朝のバイトも休みだったので、久しぶりに丸々一日お休み。さぁて、何をしようか、というわけで、七尾美術館で開催中の「長谷川等伯」展を見に行ってきました。京都圓徳院所蔵の「山水図襖」をメインに、養父長谷川宗清の作品など10数点の作品が展示されています。
「山水図襖」は、旧大徳寺三玄院の襖絵で、等伯は、住職に描くことを断られたにもかかわらず、住職の留守中に上がりこんで、一気に描いたものだそうです。襖にはもともと桐紋が施されており、その上に墨絵を描いたという趣向です。ことに冬景では、地の桐紋を雪景色に見立てて描いたそうで、そういわれてみると、紋様が、やわらかな牡丹雪に見えてくるから不思議です。
また、この襖絵を描いた51歳の年に、「等伯」の雅号を用い始めたということですから、この襖絵は、等伯にとって一つのターニングポイントとなった作品であるのかもしれません。
「山水図襖」のほかに、国宝「松林図屏風」との関連が言われている「月夜松林図屏風」の展示がされていました。「松林図屏風」は、複製が展示。
「松林図屏風」は、東京国立博物館蔵ですが、数年前に七尾美術館で公開されたときに実物を見たことがあります。静けさの中に迫りくる迫力に圧倒されたのを覚えていますが、複製画はその比ではありませんでした。「月夜松林図屏風」も、構図的には「松林図屏風」によく似ていますが、迫力に欠ける感じ。こちらは等伯作かは不明のようです。
展示数も十数点と、それほど多くはなかったので、じっくりと鑑賞することができました。
七尾といえば、七尾城跡へも久しぶりに行きたかったのですが、さすがにこの暑さの中、城跡散策をする元気はなかったので、山へは行かず、帰路に着きました。