華語り

心に華を!!

春の足音を聞きながら

2011-04-02 18:36:36 | 造園日記2011

ひどく慌しかった3月が過ぎていった。仕事に追われ、自分の時間が持てないことに対する少しばかりの苛立ち。余裕のない心によって人に誤解されかねないことをしてしまった。

そして今更ながら、東北地方太平洋沖の大地震の大きな被害のことを思う。
被害に遭われた方々には、ただ心よりのお見舞いを申し上げることと、少しばかりの義援金をお送りすることぐらいしかなす術もなく。

自然は私たちに安らぎをもたらすが、時として思いも寄らない牙をむけて襲い掛かることがある。今更ながらその脅威を目の当たりにした思いだ。

地震があった数日後、次男が2,3日帰省した。翌週には就活があるとかで早々に帰っていった。彼の友人に大船渡の子がいて、家族は無事だったが家が全壊したという。夏に次男が遊びに行ってお世話になったお宅でもあり、実際に行ったことのある家が今はもう存在しないということにショックを受けたようだ。大船渡出身の子は、自分が家族のためにもがんばらなければと気丈に振舞っているそうだが。その子も含めて、何万という被害に遭われた人々が希望をもち、彼らの故郷が一日でも早く復興しますように。祈りを込めて空を見上げる。

忙しい思いをしている間にも春は着実にやってきていた。
庭のあちこちに宝物をそっと忍ばせたように植えたクリスマスローズが三つ四つ、二つ三つ咲きだした。この貴婦人は相変わらずの照れ屋さんで、うつむいて咲いている。

ようやく蕾があがってきたかな、と思っているうちに、いつしかひっそりと咲いていた。

もう間もなく桜の季節。今年は地震のためか、開花の様子も聞かない。
ふと、思い出したのは、能登沖地震の一月後に、門前町の総持寺で見た桜の花だ。
今回の被害は能登の地震とは比較すべくもないかもしれないが、崩れかけた境内で、凛として咲いていた。東北地方でも、半月(約一月後くらい?)もすれば、無事だった桜の木が、いっせいに花を咲かせることだろう。人間の営みとはまた別のところで、季節は確実に動いていくのだ。