ふんでノート ~ちいきづくり・まちづくりと日本語教育

ちいきづくり・まちづくりと日本語教育をつなぐことを,「場づくり・人づくり」から進めていきたいと思ってつらつら書くノート

宣伝

2014年09月30日 21時26分29秒 | いろいろ
世の中、モラルじゃなくて宣伝したもの勝ちで正悪は決まるんだなって思う。

知らない人間には吹き込んだもん勝ち。

分かっているけど、正しいですアピールに割く力も気力もない。

そうなったらそうで、適当なところで消えるまで…ということか。

呆気ないな。
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福島3

2014年09月30日 07時32分56秒 | いろいろ
仕事も全部終わって。

帰る前に「このまま帰るのはもったいない」と思い,ふらふら散歩。とあるお店に入った。親子でやっている居酒屋。

もう46年も続いているとのこと。最初は「福島は何がおいしいか」とかって話をして「近頃はお客が減ってきてね~」なんて話をしていたんだけど,30分ぐらいしてから話が急に変わって。




やっぱり町はずいぶんと変わってしまったよ。震災から大きく客は減ったね。半分にもいかないかな。シャッターを下ろす店も増えたし。しまってるところが多いでしょ。福島は人口の割には飲み屋が多いんだけど,それでもね。

地震は本当に揺れたよ。

地震は本当にすごかった。私は店に出るために家を出ようとしていたときだったんだけど,携帯がものすごくなって,あれって思ってたらすごく揺れた。娘は昼は仕事をしていて,そこから車で戻ってきたんだけど。橋を境目に電気があるかないかが違ってた。こっちは停電してたんだけど,橋を渡ると電気がついてて。セブンイレブンもやってたから,おでんとか買って帰ったの。家の前は田んぼなんだけど,地震のあと,前に出た。で,隣の奥さんのことが気になって「おくさーん」って叫んだら,「柱にしがみついてる。腰が抜けて動けない」って言ったから「そのまましがみついてな」って言って。ほんとにびっくりした。

で,次の日,原発が爆発したでしょ。本当にびっくりした。「終わったな」って思った。本当に終わったなって。その時の官房長官の枝野さんが30キロ圏内がダメだって言ってたけど,福島は68キロとかなのね。話半分に見積もっても大丈夫かなって思ってた。でも,全然違ったんだけどね。息子が線量計を買ってきてくれて,測ったら玄関のところは0.1とか0.2なの。でも,2~3メートル行ったところは23なの。23。びっくりしたし,周りからは嘘を言ってるんだろうって言われる。息子が線量計を買ってくれてそれで測ったって言っても嘘だろうって。それで,急いで土を取って,それから大工を呼んで,そのあたりの木を切ってもらって,それをこれぐらい(50センチぐらい)に切って,で,捨てたの。そのころは除染とかもなかったし,汚染されたものを捨てたらだめだって言う前の話。すぐにやったから。

でも,そのときに近所の人は「どうしようどうしよう」って悩んでて,そうしたら,汚染された土とか木とかは捨てるなって言われて,みんな庭の端にたまってるよ。隣は家を買って,せっかく芝を張ったのに,全部取って,今は芝はやらずに雑草がぼーぼー。それが現実。でも,本当にどうしていいか分からなかったしね。

道路とかは除染をするけど,家のところはないからね。私のところは木は切って捨てたけど,あとは植木鉢をひっくり返して,植木鉢の中に入ってた土が上に来るようにしてる。でも,全部きれいにはできないけど。あと,雨は今も当たらないようにって言われる。それに草とか木は除染されていなかったりするから,雨が降ると,草や木に当たった雨が汚染されて流れてくるから。気を付けてる。でも,ずっと気を付けるのはしんどいけどね。気にしながら生きるのはねー。放射能がなくなるのに40年かかるって言われているけど,私は40年後は生きていないし,娘も厳しいかな。しょうがないよね。

福島の中でも地域によって全然違う。

子供の甲状腺がんが増えてるってご存知ですか。この間270人だか何だかいるって報道がされてましたけど,でも,東京ではされないでしょうね。本当にいっぱい起きてるんですよ。でも,それって報道されないんでしょうね。だって,ちゃんと管理されてるって言っちゃってますしね。

子どもがいる人たちは例えばお母さんと子どもはどこかに避難していたりします。で,お父さんはこっちに残って仕事をしていたりするんですが,最初は二重生活で通っていたけど,それが週に一回,月に一回となり,今は行っていないという人をたくさん知っています。お金が持たないんです。それが現実です。お金がかかるんですけど,とても大変です。だから,離婚したり,ばらばらになったりした家族もたくさんいますし,そういう人もここによく来ますよ。

最近,県立病院で急に木が切られて。どうやら今頃になって対応したみたい。だから,これまでずっとほったらかしだったってこと。病院よ。病院なのに,どんな環境だったんだろうね。でも,それぐらいどうしようもなかったってこと。

やっぱり分からないことが多いし,不安だからにわか勉強を始めるの。長崎大学の先生がラジオで放射能のこと,自分の経験のことを話してくれてて。それはいいよ。勉強になる。自分の経験とかだし。

地震が起きてから1か月ぐらいしたときに店を再開したんだけど,そのときは人がいっぱい。他に空けているお店が少なかったってことと,研究者とか除染の人とか。最初に店を開けたときは食器とかは水道で洗ってたけど,飲み水とか料理はペットボトルの水を使ってたの。ずらーっとペットボトルを並べて,自由に飲んでくださいってやってたの。そしたら,京都の大学の人と東京の大学の先生が,そういう人がたくさん来てたんだよね。最近は落ち着いたから余り来ないけど。で,「ママ,水道水は安全だから飲んでいいよ,ペットボトルの水にしなくてもいいよ」って言うの。「私が心配だから,そうしてる」って言うと,「だから,そんなに心配しなくても大丈夫だから」って言うから,「じゃあ,あなた方の子どもを1週間預けてください。食べ物も水も安全なものでお世話します。預けられますか。」って言ったら,二人とも黙って,下を向いて,「ごめんなさい,預けられません。」って。

本当にみんな何が本当なんだか分からない。でも,そのやり取りを聞いていたJ何とかの人が話に入ってきて,「水道の水は大丈夫だ。だって,私が今日,検査をしてきた。水を検査してきた。私はその責任者だ。だから,大丈夫だ。私が検査をしたんだ。」って。何度も言うから,それから水道水を使うようになった。だって,責任者だって言うんだからね。

地下水の話もあるでしょ,あれも,「ママ,外じゃ言えないけど,あんなのできないんだよ」って。「だって日本の技術があるから,何とでもなるんでしょ。」って言ったら,「凍らせてやるのは無理だ」って。それに作業の時間が全然ないんだって。だって,どんなに技術のある人でも2時間いたらだめだって。だから,作業が全然できないの。だって,一日いたら死ぬんだって言ってましたよ。一日。コントロールできてるって言ってますけど,いっぱい,海に流れてるし。「じゃあ,一番の大元の部分を止めたらいいんじゃないですか」って言ったら,それはできないんですって。福島は本当に地下水が豊富で,いろいろなところから出て来るからどうしても止められない。だから,原発の周りだけ止めようとしてるんですって。

最近は除染の人夫が集まらないんですって。最初はいっぱいいたけど,東京オリンピックが決まったでしょ。そしたら若い人は都会の方がいいし,そっちの方がお金もいいから,こっちがどんどん作業が進まなくなってるんですって。でも,作業を進めないといけないでしょ。そうしたら,あんまり言いたくないけど,背中に入れ墨が入ったような人を集めるしかないんですって。この辺りはもともと官庁街でそういうお客さんが多かったんだけど,震災後に来る人が随分と変わって,それからこの1年ぐらいまた大きく変わって。私は夜,怖いので店を10時に閉めて,11時には帰るようにしました。最近,けんかが増えてるんですよね。ついこの間もそこでトラブルが起きて,警察がやってきたみたいで。私は早く帰るようにしているので,後から近所の人から聞きましたが,そういうトラブルが増えているんです。そして,風俗も増えているんです。そういう人たちが行くためでしょうね。ですから,町は随分と変わってしまいました。

みなさん,ちょっとずつ落ち着いたって言うし,3年もしているのでもういいだろうって言うんですけど,私からすれば全然変わってしまったんですよね。お客さんも遅い時間は外を歩かない方がいいですよ。私も最近は本当に怖いです。このあたりの飲食店組合にも入っているからそういった情報がいっぱい入ってくるんですよ。

除染はまだまだ必要ですけど,持っていくところがないし,人も足りないし,いつまでかかりますかね。

家がそんな状況なので,引っ越しをしようと思ったのですが,今,福島では空家がないんですよ。どうしてだか分かりますか。みんな,除染とか原発の作業に来た人がこっちで家を借りるんですよ。だから,引っ越しをしようと思ったのですが,本当に部屋があんまりなくって。

そうそう,福島では地価も上昇しているんですよ。家がいろいろと住みにくくなって,それなら新しく家を建てようという人もいて。それに東電からお金もらってますからね。だから,地価も上昇してるんです。

私たちは小さな子供がいないので,あまりお金ももらえないですけど。それから福島は出生率が大きく伸びたんですよ。私はこれは理由は分かりません。何とか次にたくそうということなのかな。よく分かりませんが。

福島では子どもはあんまり外で遊ばさないです。心配ですから。だから国の体力測定とかでもどんどん成績が落ちるし。でも,ずっと気を使ってということはできませんけどね。

見えないんですよね。ずっと気にしていられないけど,不安ですよ。やっぱり何が本当のことか分からないです。でも,絶対何もない,安全だってことはないと思いますけどね。

広島とか長崎とか。どうなんでしょうね。福島は落ち着いてきたって言われますけど,全然違う町になってしまってますし,まだ落ち着いてなんていないんです。





帰り,福島駅でファレル・ウィリアムズの「Happy」の福島版が流されているのに気が付く。多分,何もなければとても楽しい映像に見えたと思う。でも,その直前にいろいろと話を聞いていたせいか,何かを払拭しようとしているかのようにその映像が見えた。もちろん,それを撮った人の考えは分からないけど。

福島で見聞きしたものは「福島」ということでくくれるのかもしれないけど,でも,ばらばらだという感じがした。どこかから統一的に眺められる景色ではないと思った。ばらばら。でも,それが現状なのかもしれないと思った。
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福島2

2014年09月30日 07時29分14秒 | いろいろ
1の続き。

仕事の後,懇親会まで時間ができたので町をふらふらする。数年前,震災から3か月ぐらいしたときにも福島に来て,中国の食材店でいろいろと話を聞いたことを思い出し,その辺りをふらふらとする。

「確か,この辺…」と思ったところにお店がなく,近くの洋品店で聞いたら,「数年前になくなったよ。」とのこと。結構,厳しいなぁ。
 
で,たまたま,そのはす向かいぐらいにフィリピンの食材店があり,そこに入ってみる。あいさつだけ知っていたので,入って声をかけると「それじゃあ,おはようになっちゃうよ。今はマガンダンハポン」って速攻で突っ込まれる。

「ごめん,フィリピノ語分からへん~」って言うと,すぐそばでゲームをしていた小学4年生(と後で聞いた)の男の子がうつむき加減に「ぼくもフィリピノ語分からないよ。」って言って,またゲームに戻る。何か瞬間のことで,「え?」っとなってしまって何も返せなかった。お母さんはフィリピン。

その後,しばらくその辺の椅子に座って会話に参加するような,ただ聞いているような,でも,時々会話に参加して…って感じで過ごす。

「今度,あそこの教習所で免許取るんだよ。やっぱり絶対合宿がいいって。国際免許をもってたらそれでもいいけど,なかったらここでは生きていけないからね。私はテストは11回受けたよ。だって,学科は難しいでしょ。あとね,ベテランの先生はよく見てるよ。こっちが何が分かってるかどうかって分かってるから,あんまりうるさくない。でも,新人の先生はうるさいよ。「そこ,止まれって書いてあるから」とか「そこは右に曲がったらだめ」とかいっぱい言ってくるけど,こっちは分かるって言うの。読めるものもたくさんあるよ。でも,全部言ってくる。うるさいね。分かるっていうの。何でいちいち細かく言ってくるのかなぁ。友達は31回で合格したよ。やっぱり難しいからね。でも,車ないと生きていけないじゃない。こっちじゃ,当たり前だよね。
 仕事はねー,全然ないよ。震災で全然仕事はなくなっちゃった。だから,今,みんな除染に行ってるよ。だって,仕事ないんだもん。一日1万6000円。高いけど怖いよね。でも,本当に危ないところは男だけ。見えなくて怖いけど,でも,生きてる。10年かかるか30年かかるか分からないけど,でも,しょうがない。だって,引越しできないしね。
 地震は本当に怖かった。びっくりした。でも,家は大丈夫だったからね。でも,友達は牧場で結婚して。でも,地震のあと,避難したら牛の世話とかできないの。3年で全然野生になるって。町も全然違うって言ってたよ。でも,旦那は自殺して。だって,生活は変わらないでしょ。借金は減らないもん。でも,仕事はないでしょ。牛も世話できないし。ほんと,かわいそうだよ。何にも変わらないけど,仕事はできないし,借金は何も変わらない。ほんとにかわいそ。
 日本語は分かることもあるけど,日本語教室には一度も行ったことないよ。日本に来る前にフィリピンで1か月だけ勉強したけど,後はお店で会話して全部それで覚えた,だから,書くのは全然できないよね。
 子どもがいるけど,子ども達は地震の後,「ここに帰ったら逃げたことになる」って言ってた。だから,残った。何で帰るのか分からないし。
 子どもは一人は15歳でこっちに来たよ。最初は日本語が分からないから,学校じゃなくって働かせてくれって言ったんだけど,小卒で仕事を探すのはきついって言われた。だから中学校に入れたよ。でも,先生はやっぱり全然一生懸命やってくれなかった。言葉分からないこともあるけど,一生懸命やってくれてるかどうかは分かるよ。それで,一生懸命やってくれないんだったら変わってくれって先生に言ったよ。そのあとはちょっとよくなったかな。言葉とか分からなくても,先生ががんばってるかどうかは分かるもんね。今は卒業して工場で働いてる。がんばってるよ。」


懇親会で子どもの支援を行っている人と話すが,とっても大変だなって思った。

今,全国で国際結婚の呼び寄せの子どもが増えてきていると思う。どこに行ってもそういう話を聞く。幼少期は日本で育ったが,小中は出身の国の学校に通い,それが終わってから来日するケースや,ずっと出身の国で育っていて,現地の中学校を終えてから来日したり。

国際結婚のどちらにも共通するのは,母親がアジア出身,父親が日本人というケースが多いんだけど,一度,母親に置いていかれる,あるいは出身に送られるという経験をすること,また父親が日本人というのも再婚のケースが多かったりするので,そもそも血のつながりもないし,親子として過ごした時間もない,その中で家族として暮らしていくこと。母親に「日本に来る?」と聞かれ,日本に来たのはいいものの子どもからすれば生きていくためには日本に来るしかない中で,「なぜ自分は日本にいるのか」「なぜ,この環境,家族関係の中で生きていくのか」ということが納得できない,受け止められないままに受験や就職などを迎えるのはとても大変なこと。そもそもがんばる力が湧いてこない中で,でも,人生に大きな影響を与える岐路に立たされる。

世の中,厳しいなってつくづく思う。何ができるんだろかって思う。
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福島1

2014年09月30日 07時26分57秒 | いろいろ
ちょっと前に日本語教育を担当している職員との集まり。

改めて,散在地域での日本語教育はとても難しい。人を見つけることすら大変。それから日本語教育の施策を進める上で,実証的に数字を示していくことが大事だということがいろいろなところで言われるけど,今回,散在地域は下手に数字を示すと「数が少なくニーズが少ないので終わりということになりかねず,まだ事例などを示していく方が少しは可能性があるかもしれない」ということ。

自分がやらないといけないことについて,少し「はっ」とした。やっぱり聞かないと分からないこと,行かないと分からないことってたくさんある。理想を語ることも大事,夢を追うことも大事かもしれないけど,それを少しでも実現したいのなら,実現の方法を現実に即して考えないといけないということだろうな。

きれいなゴールを目指すか,形はともかく泥臭くゴールをねらうか。ただ,泥臭くやればゴールに近づく訳ではないということ。きれいな形にこだわった方がより近づく局面もあれば,とにかく泥臭くやった方がいいこともある。

いずれにしても現実に即してということなんだろうと思う。
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ポートフォリオ

2014年09月30日 00時47分00秒 | いろいろ
って,多分いろいろだろうから一概には言えないんだろうけど。

「ポートフォリオにどういう項目を挙げたら書いてもらえるか,学習者の学習をきっちりと管理できるか,授業をうまく引継ぐことができるか」なんてことを耳にすることがあるし,「ポートフォリオ」がただの「記録」や「管理シート」になっていることもあるのかなって思う。

そんなとき,そもそも「書いてくれるの?」って疑問が付いて回るけど,それって「うまく引き継げる」とか「学習を継続できる」なんてのは机上の空論になりかねないってことなんだろうと思う。

で,ふと思う。

「自分は記録を付けるかどうか,どんなときに記録をつけるか,そもそも学習者にとって役に立つ,書いておきたいって思う項目って何か,それをどう工夫したら教える側にとっても役に立つ部分が出てくるか」って考えた方がまだ役に立つんだろうな。

がんじがらめにするか,学習者目線かってことだと思う。学習ってだれのものかってことを考えると,学習者の世界をのぞかせてもらうぐらいの踏み込み方が適当なんだろうと思う。

でも,なかなかならない…というか,そういう発想での話をあまり聞かない。本質的におせっかいなんやろか。関西出身なのでおせっかいは嫌いではないけど,でも,「もうええって」って思ってまう。
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