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音楽・小説・その他、思いついたことをだらだらと綴る
アールグレイの気まぐれ日記

救い

2011-02-20 | ライブ
ギルバート・グレイプ
丸山隆平
中尾明慶 黒川智花 伊藤裕子 三上市朗 菅原永二 浜田信也 入来茉里 吉本菜穂子
加納幸和 寿ひずる
2月20日 13:00開演 18:00開演 森ノ宮ピロティホール


昼・夜、両方観てきました。
FCで外れた焦りから、チケットぴあで保険をかけて申し込んだ2公演が両方取れたときには、チケット代の高さにちょっと「えー」と思ってしまったものだけど(苦笑)
結果としては、2回観れて良かったです。

一番は、その膨大なセリフ量。
ギルバートの心の声が字幕という形であらわされるので、映画・原作未見の私としては、字幕とセリフを追うのにいっぱいいっぱいになる瞬間もたくさんあって、結果的に1回目で追えなかったところを2回目で追うというカンジになりました。
その他にも、演者の動きや演出など、1回目で気になったところを2回目で注意して見たんですよね。
だから、1回目の方が純粋に話に集中して見れたような気はします。
幕間が15分あったにしても、3時間弱という時間が全く長く感じなかった。

席は、昼が後ろから3列目の最上手ブロック、夜は後ろから2列目の最下手ブロックという、センター挟んでほぼ真逆の位置から見たのですが、上手と下手でこれほど見え方が違うんだなーというのも面白かったです。
床がステージ奥から前に向かってやや上手にむけて斜めに作ってあるから、上手からの方が観やすかったかな。

残念だったのは、席が後ろで双眼鏡など使わなかったので、演者の細かい表情が見えなかったこと。
この演目でギルバートの細かい表情の変化が見えないのは致命的な気もするんですけど(苦笑)
あと、字幕で照明の具合か見えづらい時があったり、せっかくの笑いどころのセリフが何を言っているのか聞き取れなかったり…
みんな笑っているのに、その笑いに乗れないのはちと寂しかった…笑い声でその後のセリフもさらに聞き取りづらいというね(苦笑)


ステージには幕もなく、開演時間になったら何か合図があるわけでもなく、演者が登場。ふわっと客電が落ちてはじまる舞台。
水槽・2m四方ぐらいの吊りカーテン(ブラインド)・布・ベッドあたりがわりと大きな動きで出入りしているものの、特に大きなステージチェンジがあるわけでもないのに、小道具や動きでいろんな場所に変わるステージ。
最初は、ギルバートの説明セリフや小道具を動かす演者の動きに戸惑ったんですが、慣れてみると、いやよくできてるなーとしみじみ。
演者が無表情で機械的に小道具を動かしている姿が、さらに空虚で閉塞的な空気を作っていました。
あまり舞台は観に行かないんですが、こういう演出もあるんだなー。

あと、すごいと思ったのは、母親役の寿さん。
いや、皆さんそれぞれ素晴らしかったんですが、母親の声の存在感は圧巻でした。
なんか本当に、いいメンバーが揃った舞台だなぁと、しみじみ。


ただ。
この物語を通して、何かが自分の中に落ちてきたかと言うと、それはないんですよね。
やっぱり生の舞台はいいなーというのは、間違いなく思うんですけど。
演者の表情が見える距離で観てたらまた違うのかな? という思いもあるんだけれど…遠景だけで終わっちゃったしな。
んー。
この涙腺のゆるい私が(笑)すすり泣きの聞こえるラストでは全く泣けず、「え? これで終わり?」とすら思ってしまったのが、最大の原因か?(苦笑)
難しく捉えすぎてるのかなぁ? はたまた、読解力不足か。いや、深読みは出来ないタイプだけれども。
私は、アーニーとのシーンで1回うるっときただけなんですよね。
多分、人に言ったら「そこ!?」と言われるようなシーンだと思うので…人と泣けるツボが違うんだな~と実感しました(苦笑)

あ、あと残念だったのは、パンフレットが売り切れで買えなかったこと。
うるっときたアーニーとのシーンもそうだけど、今振り返って考えてみたら、あちこち「あ、アレはそういうことだったのかな?」と思うシーンがいくつかあるんですが…パンフレットにその辺りのことが書いてあったりしてー、とちょっと気になっております。
あー、もう一度観にいけたら、そのあたりの確認が出来るのに。残念。
舞台はもう観れないので、今度映画をレンタルして見てみようかな、という気分です。


うん。
でも、やっぱり生の舞台は良いです。
キャスト・スタッフの皆さん、あと3公演、怪我のないように、素敵な千秋楽を迎えられますように。
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