母に追い出されたボンヒ、亡き父の元の会社の社長室に行きます。そこにはドンピル(ボンヒの実父)が金庫から亡き父が高利貸しから借りた現金と借用書があり、その借用書を破り現金を全て自分のものにしてしまいました。事実を知らない幼いボンヒは父がくれると言っていたナイロンの靴下を貰いに来たと言い、貰って嬉しそうに持って帰ります。
後にやって来た借金取りにドンビルは元社長ジェギュンの屋敷や田畑をとれと命令します。極悪人です。
家を追われた母ジョン、姉、ボンヒ、そして赤子はその夜泊まるところが無く、ドンビルの家に泊めてほしいと頼みます。ドンビルの妻は元ジェギュン社長の家の女中をしていたエスクです。いやいやながら泊めてやり、食事もボールに残飯とキムチを混ぜたものを犬の餌の様にポンとテーブルに投げ出すのでした。この家族はドンビルはじめ娘のモランに至るまで全員悪人です。
翌日ジョン一家は借金取りを避けて、元亡き夫が面倒をみてあげたおばさんの所有するアパートに泊めてもらいます。姉は嫌がりましたが、母は持っていたなけなしの宝石を売って何とか家を探そうと赤子のおくるみの中に隠しておいたのです。それをある日若い女がやって来て道端に居たボンヒにジョンの家を聞かれ案内してしまいます。それは借金取りの一味だったのです。自分が家を教えたがために大事な宝石を奪われてしまい罪の意識に泣くボンヒ。
ある日同じアパートに住むヤーサンの子分からボンヒは粉ミルクをやるからと仕事を頼まれます。実はボンヒの産みの母は元日本人に使われていた父の娘ミンスでした。彼女は再び日本からやって来てボンヒを産みますが、ジョンが死産したので、亡くなった義母がミンスの子と入れ替えたのでした。
そうとは知らないミンスは今は進駐軍の将校相手の娼婦として財産を築き、闇取引を先導してやっていたのです。
その仕事は進駐軍の物資を積む間、敵の目をそらすためにボンヒに歌を歌って歩けと言うものでした。盗んだ荷物を積む間のカムフラージュです。しかしサーチライトで照らされてトラックに荷物を積むのを見られてしまい追いかけられます。トラックで逃げる一味、必死に追いかけて連れてってと叫ぶボンヒを置いて行ってしまいます。アメリカ兵に銃を向けられるボンヒ、震え泣きながらごめんなさいと言って泣くのでした。そのとき「待って」と言う女性の声がしました。