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映画・演劇のレビュー

遊劇舞台二月病『sandglass』

2021-07-07 12:55:12 | 演劇
よくぞまぁ、こんなにも剛速球でど真ん中の芝居を作ったものだ。中川さんは迷うことなく自分の想いを1本の芝居の中に詰め込んだ。二月病の10周年記念作品にふさわしい力作である。ただ、あまりにストレートすぎて、見ていて少し戸惑う。ここには逃げ場がない。これは見ていてあまりにつらい。だけど、それが彼の見せたかったものなのだから、これはこれでいい。だが余白がないし、説明も不十分だ。主人公の作家が追い詰められて . . . 本文を読む
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『いとみち』

2021-07-06 14:28:12 | 映画
「少女は駆け抜けない。」だから、もどかしい。でも、このもどかしさこそこの映画の持つ力だ。牛歩の歩み(「牛の歩み」だが)で前進していく青森の少女は、大好きだった三味線をもう一度手にしてメイドの装束で弾く。彼女の三味線が潰れそうになっているこのメイドカフェを再建させるわけではない。でも、この一歩をみんなは信じる。千里も道もこの一歩から、だろう。胡散臭い父親と再び登山するラストシーンも含めて、歩みはのろ . . . 本文を読む
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『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

2021-07-02 11:44:56 | 映画
この作品の前作を予習のため見たのだが、全然面白くない。大ヒットしたホラー映画で、一度は劇場に見に行こうとも思ったけど、見逃してしまったので、今回はちゃんと劇場に行こうと思い、その前に1作目を配信で見たのだが。 静寂が映画の緊張をどこまでも高める映画だから、映画館で見なくては面白くはないのかもしれない。ほとんどセリフがないし、話もない。いいのか、こんなにも地味な映画で、と感心した。でも、これを劇場 . . . 本文を読む
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川本三郎『君のいない食卓』

2021-07-02 11:09:09 | その他
もちろん、10年前に読んでる。でも、もう一度読みたくなった。緊急事態宣言下で読む本がなくなった時、自宅にある本を久々に読もうと思い、本棚を物色した。川本さんのエッセイ集がいいと思った。まだ若いころの川本さんがいろんなところをふらふらして、そんな旅日記がいいな、と思った。旅行もできないゴールデンウィークに『ちょっとそこまで』を読み返した。とても楽しかった。 先日『台湾、ローカル線、そして荷風』を読 . . . 本文を読む
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2021年上半期ベストテン 劇場で見た映画

2021-07-02 10:51:44 | 映画
61本である。1月から6月末まで映画館で見た映画の本数。緊急事態宣言下で映画館が閉まっていて見れなかったことや、個人的な問題で大変なこともたくさんあったので、妥当な本数だろう。でも、見た映画は実に面白い作品ばかりだ。選んで見たら当然そういう事にはなる。でも、つまらない作品を文句言いながら見るのも楽しい。そういう機会が減ってしまったのが残念。 (とはいえ、DVDで見た膨大な映画にはその手のつまらない . . . 本文を読む
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