とても作りが緩い。こんなんでいいのか、と思うほどに。でも、石井裕也監督は「それでいい、」と言う。いや「それがいい」とも言う。(たぶん)
韓国にやってきた父親と息子が、言葉もわからないまま、兄のところに向かう冒頭シーンからドキドキさせられる。大丈夫か、君ら、と。やがて登場するオダギリ・ジョーの演じる兄貴のいいかげんさ。自由さ。それに振り回される弟(池松壮亮)とその8歳の息子(彼の無表情と無言が凄い . . . 本文を読む
何をしても人よりワンテンポ早くなる彼女と、反対に何をしても人よりワンテンポ遅くなる彼。そんなふたりの物語。彼女は失くしてしまった1日を取り戻すために旅をする。そこで何を見つけることになるのか。
主人公の女の子(リー・ペイユー)が微妙にかわいい。美人ではないし、少し残念な顔なのだけど、そこがこの映画にはぴったりなのだ。そんな彼女を好きになる彼(リウ・グァンティン)と、彼女をだます色男(ダンカン・チ . . . 本文を読む
なんてバカバカしい芝居なのか。でも、自由気ままにバカしている。そこが久保田さんらしい。女たちは輝いていたはずの12年後の今を生きている。決して幸せではないけど、懸命に生きている。それだけでいい。あの頃(ソフトボールに夢中だった高校時代)と今(退屈な毎日)を対比させ、ノスタルジアに浸るのではない。あくまでもこれは「今の自分たちをみつめる芝居」なのだ。そこにはブレはないからバカバカしいけど、受け入れら . . . 本文を読む
よくぞまぁ、こんなにも剛速球でど真ん中の芝居を作ったものだ。中川さんは迷うことなく自分の想いを1本の芝居の中に詰め込んだ。二月病の10周年記念作品にふさわしい力作である。ただ、あまりにストレートすぎて、見ていて少し戸惑う。ここには逃げ場がない。これは見ていてあまりにつらい。だけど、それが彼の見せたかったものなのだから、これはこれでいい。だが余白がないし、説明も不十分だ。主人公の作家が追い詰められて . . . 本文を読む