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映画・演劇のレビュー

あみゅーずとらいあんぐる『みんな夢の中』

2018-10-11 20:57:22 | 演劇
今回は浪花グランドロマンの浦部喜行によるオリジナル。3話からなるオムニバス。(それは、いつものことだが) 浦部さんが、今の彼女たちの等身大の姿を描く。さらりとしたタッチで小さな喜びと寂しさを見せてくれる。いずれも50代の女性たちが主人公だ。もう充分大人である女たちが、それでもくよくよする姿が微笑ましい。でも、大人としての矜持をきちんと守るのが素敵だ。夫を失い、新しい恋に踏み出し、後悔を乗り越え、 . . . 本文を読む
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『食べる女』

2018-10-11 20:21:50 | 映画
筒井ともみによる女たちの食を巡る寓話。こういうファンタジーがあればいい。そこは疲れた体を癒してくれる優しい場所。そこでは「おしいい」が待っている。気の置けない仲間との楽しい時間。世代も違うけど、おいしいものが大好きな女たちが集まり、みんなで食べる。飲む。喋る。仕事をして、恋もして、人生を謳歌している。でも、ひとりではなんだか寂しいから、みんなでおしいいものを食べる。そうすると、なんだか元気になる。 . . . 本文を読む
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Micro To Macro『ワンダー三日月リバー』

2018-10-08 17:59:37 | 演劇
  石井さんはずっとこういう音楽劇を作りたかったのだと、改めてこの芝居を見て思い知らされる。今までの試行錯誤の先にこういう答えが用意されていたのだ。ずっと音楽と物語の融合を目指してきた。それはライブシーンとドラマパートが渾然一体となる芝居だ。だけど、それは難しい。2時間ほどの芝居においてドラマ部分を重視すると、ライブは背景に沈む。それでは意味がない。両者は対等で、補完関係にある、そんな . . . 本文を読む
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『あの頃、君を追いかけた。』

2018-10-08 17:42:02 | 映画
  こんな絵空事のような、所詮きれいごとでしかない「青春」は映画の中にしか存在しない。それを重々承知の上でやってしまおうとした。これは映画なのだからとことんやってしまおうではないか、という作り手側の開き直りが心地よい。そう、やるのなら、とことんやるべきだ。ファンタジーにすらならないくらいに嘘くさい。メルヘンだな、これは、と思う。だがこの映画はそれを真摯に丁寧に見せてくれる。妥協や手抜き . . . 本文を読む
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『響』

2018-10-07 08:38:05 | 映画
  『となりの怪物くん』に続いて今回もとんでもない怪物くんのお話だ。月川翔はこの過激な主人公を実にクールに見せてくれる。シビれる。まぁ、こんな女子高生はいないけど、もしこんな人間がいたなら面白い。(まぁ、それは「映画の中でなら」ということだが。だって自分の隣にいたら、これは困る!)周囲なんか見ない。目の前だけを見て、本気でダメなものはダメと、断固潰していく。   15歳の . . . 本文を読む
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『愛しのアイリーン』

2018-10-07 08:26:24 | 映画
  これまた過激な映画だ。吉田恵輔監督だから当然のことだが、主人公の行動が読めない。彼の内面が見えないことがこんなにも緊張感を与える。40代独身、スーパーの店員、地方都市、過保護の母親と同居。ぼけてきていた父親は映画の前半で死んでいる。彼がフィリピンに見合いをしにいっていたときだ。あるできごと(好きだった人が、誰とでも寝る女だった)から日本人との結婚を諦め、いきなりフィリピンである。2 . . . 本文を読む
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