習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

劇団きづがわ『愛と死を抱きしめて』

2018-06-06 21:22:43 | 演劇
  半年という短いスパンでの再演というリスクを負ってでも、今一度、この芝居を同じメンバーでするということ。その意味をしっかりと受け止められる芝居だった。初演では時間が足りなくて実現できなかったレベルにまで作品をブラッシュアップするというのは、今までもきづがわが何度となくやってきたことだった。だが、今回はこれまでとはいささか趣が違う。   前回と同じ芝居のはずなのに、見終え . . . 本文を読む
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トリコ・A『私の家族』

2018-06-06 21:16:29 | 演劇
  こんなにも気持ちの悪い芝居はない。よくわからないまま、なんでこうなるのかと思いつつ、わからないけど支配されている。そこには悪意はない。でも、善意とは言い切れない。ここには逃れたいのに逃れられないし、いつのまにかこの疑似家族に絡め取られていく。逃れようと思えば、いつでも逃げられる。強制されているわけではない。ここに居たい。だってここは私の家であり、彼らは家族なのだから。彼らは本当の家 . . . 本文を読む
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『ゲティ家の身代金』

2018-06-03 08:21:19 | 映画
  リドリー・スコットによるサスペンス映画。誘拐犯と被害者家族、警察による捜査。黒澤明の『天国と地獄』を彷彿させるのだが、(あの映画の原作は『キングの身代金』で、タイトルも似ている)この映画も黒澤映画に匹敵する傑作。巨匠リドリー・スコットによる会心の一作になった。とんでもないトラブルに巻き込まれて映画は一時、完成しないかもしれないという状態になったのだが、まさかの主役交代再撮影で切り抜 . . . 本文を読む
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『デッドプール2』

2018-06-03 08:15:59 | 映画
  評判になった前作には乗り切れなかったので、あまり見る気はしなかったのだが、監督が『ジョン・ウイック』のデヴィット・リーチなので、もしかしたら、と思ってしまったのが大きな間違いだった。   でも、これはジョン・ウイックではない。そんなの当たり前のことだ。デッドプールのコンセプトに則り、その線でエスカレートさせるのが、本筋で、この映画自体は間違ってない。前作以上におふざけ . . . 本文を読む
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『ラプラスの魔女』

2018-06-03 08:05:13 | 映画
   三池崇史がまたやってしまった。こういう意味不明の駄作を作ってしまうのは、なんでもかんでも引き受けるからだろう。東野圭吾の小説は当たり外れが大きいから気をつけなくてはならない。いくら三池でもこういう無意味な話から面白い映画を作るのはムリ。だといって、本筋とは関係ないところで遊びまくってしまうことはできないだろうから、一応ストーリーを追って、この小説のまま、2時間ほど映像化 . . . 本文を読む
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『友罪』

2018-06-02 00:45:43 | 映画
瀬々敬久監督が快進撃を続ける。この後も7月公開の3時間越えの大作『菊とギロチン』が控えている。自分のしたい映画をこんなにものびのびと自由に撮れる環境にあるって奇跡のようだ。だから彼はとても生き生きしている。メジャー映画の枠内でこういう自在な映画をモノに出来る。そんな時代が彼にやってくるなんて、思いもしなかった。昔、ピンク映画の枠内で『雷魚』や『汚れた女(マリア)』を撮っていた頃の不自由な中での自在 . . . 本文を読む
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『恋は雨上がりのように』

2018-06-02 00:42:43 | 映画
もういいかげんこの手のラブストーリーはうんざりだ、と何度となく書いているのに、また見てしまったのは、基本、自分がこういうのが好きだからだ、ということは認めよう。見てよかったか、といわれると、悪くはなかった、と答える。もっと凄い映画になっていたらなぁ、とも思うけど、なかなかそうはいかないのが現実だろう。   ただ、今回は少し「高校生の学園もの」という定番の枠組みからは外れる。少し新鮮。 . . . 本文を読む
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猟奇的ピンク『(Let's)Take it easy at home??』

2018-06-02 00:37:58 | 演劇
  帰って行く場所がある。そこに行けば待っていてくれる人がいる。旅の終わりには必ずこの町に戻る。そこには先生がいる。彼は昔ここで住んでいた。でも、もう家族はいない。先生のもとに行くことで彼は日常に戻れる。   夏になると必ず長い旅をする。長期休暇を取り、いろんなところを訪れる。そして、最後は必ず、ここを訪れ、今ではもう年老いた先生に会う。この町を見て、それから、今、自分が . . . 本文を読む
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演劇集団よろずや『オー・マイ・リョーマ』

2018-06-02 00:34:45 | 演劇
  10年ぶりの再演。久しぶりに見て、やっぱりとても面白かった。やはりこれは寺田さんの代表作だ。でも、これは渾身の力作だとか、超大作だとか言うタイプの作品ではない。とても軽妙なタッチのコメディなのだ。だいたい、まず坂本龍馬を主人公にしたコメディというのもめずらしい。でも、主人公のはずのリョーマ(ここからはもうこういう表記にする)はほとんど登場しない。彼の周囲にいる仲間たちのドタバタ騒動 . . . 本文を読む
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フラワー劇場『ISLAND』

2018-06-02 00:32:38 | 演劇
なんと55回目の公演になるらしい。しかも、5年5ヶ月ぶりの公演。平日の3日間、5回の公演。(なんだかやけに「5」がこんなにも並ぶのが面白い)しかも、そのうち2日は昼の回の公演もあるという変則的な上演は大阪ではめずらしい。さらには夜の回はレイトショー時間である8時からだ。これはちょっとした新しい提案にもなっているのではないか。芝居自体も70分と短いのは当然のことなのかもしれないけど、その短さは確かに . . . 本文を読む
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演劇集団☆邂逅『四人姉妹』

2018-06-02 00:28:50 | 演劇
中崎町の民家をそのままで、一部改装して、劇場仕様にして利用する。そんな狭い空間でこの芝居は上演される。30人ほど入れば満杯になるこの場所(劇場)そのままの路地裏にある小さなBARが芝居の舞台となる。狭さやロケーションも作品の力にする。こういうかたちでの芝居作りって、なんだかおもしろい。芝居と、現実が完全にリンクする。仕掛けは上手い。   ただ、お話自体があまりにたわいなく、これだけで . . . 本文を読む
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