習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

大島真寿美『それでも彼女は歩きつづける』

2018-06-15 22:02:42 | その他
2011年の作品で、今の今まで読んでいなかった。こんな傑作なのにそれを今日まで読み逃してきていたなんて、情けない。でも、今、これを読めてよかった。こんなに凄い作品をスルーせずに済んだのだから。ふつうなら大島真寿美なのだから、新刊が出たなら絶対に読むところだ。なのに気づかなかった。まぁこんなふうにして見逃して(読み逃して)いる小説なんてきっとたくさんあるのだろう。(映画はほとんど見逃してないはずなの . . . 本文を読む
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劇団大阪『見よ、飛行機の高く飛べるを』

2018-06-15 22:00:12 | 演劇
この圧倒的な息苦しさは何だろうか。舞台はこんなにも明るく、開かれた空間なのにすごい圧迫感に息も出来なくなる。彼女たちの傷みが胸に伝染してきてしんどい。もうこれ以上この芝居を見たくない、早く終わって欲しい、とすら思う。なのに、芝居はこれでもか、これでもかと、いつまでも苦しみは続いていく。こんな芝居はめったにない。   飛びたいと願ったのに、自分たちには今は飛べないと諦めるまでの2時間4 . . . 本文を読む
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『羊と鋼の森』

2018-06-15 21:56:18 | 映画
見る前は、この小説が映画になんてなるのか、と思った。起伏のない淡々としたお話である。地味すぎる。しかも、監督はちょっと甘い青春映画『オレンジ』を作った橋本光二郎だ。でも、思ったよりもよく出来ていてホッとした。前半の緊張感は素晴らしい。ピアノの音以外の音楽はほとんどない。セリフも少ないし、無音のシーンが多く、それがこの映画に緊張感を与える。風景が素晴らしい。雪に閉ざされた町、ただ黙々とピアノと向き合 . . . 本文を読む
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