1969年、台湾の小さな島。そこで繰り広げられる男と女たちのドラマ。台中最前線の戦場で、彼らが何を感じ、何を思うのか。ノスタルジックな美しい映像で綴られる懐かしい風景が、80年代に見た台湾映画の数々を想起させる。台湾ニューウエーヴと呼ばれた素晴らしい作品群の流れを汲む。その担い手だったホウ・シャオシェン監督が協力していることも影響しているのかもしれない。初期の彼の映画の流れを汲んでいる。『恋恋風塵 . . . 本文を読む
半年という短いスパンでの再演というリスクを負ってでも、今一度、この芝居を同じメンバーでするということ。その意味をしっかりと受け止められる芝居だった。初演では時間が足りなくて実現できなかったレベルにまで作品をブラッシュアップするというのは、今までもきづがわが何度となくやってきたことだった。だが、今回はこれまでとはいささか趣が違う。
前回と同じ芝居のはずなのに、見終え . . . 本文を読む
こんなにも気持ちの悪い芝居はない。よくわからないまま、なんでこうなるのかと思いつつ、わからないけど支配されている。そこには悪意はない。でも、善意とは言い切れない。ここには逃れたいのに逃れられないし、いつのまにかこの疑似家族に絡め取られていく。逃れようと思えば、いつでも逃げられる。強制されているわけではない。ここに居たい。だってここは私の家であり、彼らは家族なのだから。彼らは本当の家 . . . 本文を読む