『バット・ルーテナント』と『脳内ニューヨーク』である。なかなか凄いラインナップではないか。なのに、この期待の映画を2本連続ではずしてしまった。なぜ、つまらなかったのだろうか、それが自分でもよくわからない。乗り切れなかっただけなのか。理解力の欠如か。
『バッド・ルーテナント』はあのドイツの鬼才ヴェルナー・ヘルツウォークの新作だ。一応アメリカのメジャー映画である。主演はニコラス・ケイジ。だが、と . . . 本文を読む
本谷さんの小説なら、以前からかなり読んでいるのに、肝心の戯曲の方は、なんと今回が初めてだ。これは岸田戯曲賞受賞後第1作である。思った以上に読みやすくて、おもしろかった。一瞬で読み終えることができた。基本的に戯曲はもどかしいから、僕は読むのが嫌いなのだが、彼女の戯曲は勢いだけで読めてしまう。それって舞台で見たら、きっともっと凄いのかもしれない。一度見てみたい。
設定の異常さは、いつものことだ。 . . . 本文を読む
工藤栄一監督の傑作時代劇巨編のリメイク。三池崇史が渾身の力を込めて作り上げた超大作である。よくぞ、ここまでやってくれた。拍手を惜しまない。だが、そこまでやっても映画は傑作にはならない。当然オリジナルを凌駕出来ない。スタイリッシュな工藤映画と違い、とても泥臭くて、人間臭い。どちらかというと、『七人の侍』に近いタッチである。だが、比較対象としては分が悪い。あの日本映画史上燦然と輝く最高傑作と比肩する . . . 本文を読む
このタイトルに一目ぼれした。とても素敵なタイトルだと思う。人間が人間であるために必要なこと、そのすべてがここにはある。チラシにある簡単なストーリーを読んで、これは今年一番素晴らしい映画なのではないか、と確信した。
ひとりの女がすべてを棄てて1年間の旅に出る。今時自分探しの旅をテーマにする映画なんて、とは思わなかった。今時も、何もあったものではない。いつの時代であろうと、自分を見失う人はいるし . . . 本文を読む
『パレード』に続いて行定勲監督が吉田修一原作に挑む。小説は短編連作でその中から4話をチョイスして、最後には映画用オリジナルストーリーを噛ませるという構成は実に大胆だ。全体を、「書けない作家の話」で繋いで、作家(ユースケ・サンタマリア)が、行きつけの喫茶店で耳にした4つの男女の恋物語を小説にして書く、というスタイルの連作。だから、5話からなるオムニバス。
しかもオリジナルの最終話は、作家本人の . . . 本文を読む
小路幸也は何をやっても同じになる。彼の興味が「そこ」にしかないからだ。それってなんだか笑える。それは『東京バンドワゴン』の頃からずっと一貫している。それは、現代では失われつつある「家族の絆」だ。そこがテーマなのだ。そこには他人もいる。疑似家族も含めて家族なのである。今回もまた、同じだ。本来他人同士がひとつの場所に集い、家族を作る。たくさんの人が同時に住めるような大きな家を舞台にして、見知らぬ同士 . . . 本文を読む
シリーズ3作目で完結編というウリなのだが、別にこれで話が完結するというわけではない。こういうストーリー展開なら、ヒットする限りこの先いくらでも作れるだろう。
3D版でも公開されているが、2Dで見てよかった。3Dは話に集中できないし、疲れる。今回のように画面が揺れまくる映画なら特に辛かったはずだ。船酔い状態になるのではないか。作品自体は前2作以上に大がかりなものになってはいるが、第1作の青春映 . . . 本文を読む