今回で3度目になる。寺田夢酔さんはもともと再演が好きな人だが、今回はいつもにも増して気合が入っている。だって山本能楽堂での公演である。由緒正しきこの空間で、彼の演劇がどれだけ力を発揮するのか、楽しみだった。まず結果から言おう。充分成功している。とても満足した。気合は入っても、気負いがない。そこがいいところだ。空回りすることなく、ちゃんと地に足のついた芝居をする。
彼は自分の作品をとても大切に . . . 本文を読む
とても芝居らしい「お芝居」だ。まるで大劇場による大河ロマンを見たような気分にすらさせられる。ここはウイングフィールドなのに、なんだか不思議な気分。ちょっと贅沢な体験。とても堂々としていて気持ちのいい芝居だ。役者たちがきちんとそこにいて、背筋を伸ばして存在している。そんな当たり前のことが、なぜかうれしい。彼らは自分たちの生き方に自信を持っている。ここには小劇場の芝居にありがちな、曖昧さや甘えがない . . . 本文を読む