空前の大惨事となった日航機墜落事故を追いかけた地方新聞記者たちの熱い7日間を追う原田眞人監督の最新作。
いつもながらの短いショットの積み重ねで、膨大な登場人物をドキュメンタリータッチで、空間の中に配して、彼らがそのなかを自由に動いていく様を見せていくいくシーンは快感ですらある。有名スターも無名の若手もお構いなしで、カメラは特定の人物に寄ったりせず、なんとなくフレームに入ってしまったように見せ . . . 本文を読む
タッチがあまりに軽すぎて驚く。こういう実話をモデルにしたジャーナリスティックな戦場ドキュメントにあるまじき軽薄さ。これは社会派映画というよりも、単純な安もの戦争B級アクションなのではと思わせるくらいだ。
そういうノリなのである。もちろんわざとそういうタッチを狙っているのは明白だ。わざわざチャック・ノリスの『地獄のヒーロー』なんてものまで(日本人にはもう忘れられただろうが、たぶんアメリカ人にと . . . 本文を読む
つかこうへいの戯曲を解体して、楽屋落ちを平気でやらかし、つたない演技こそ、自分たちのねらい、とばかり、堂々と押し通していく。スケールの大きい芝居だが、それを重厚なものにしたりする気もない。それに、そんな力量もない。(演出の高松さん、ごめんなさい!わざと意図的に、こんな書き方してます!)では、軽薄に見せていくのか、というとそうではないのだ。作り手の本気がしっかり伝わってくる、そんな作品である。
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スタイリッシュで、落ち着いた雰囲気。とてもいい。商業演劇のよう高級感すら漂わせる。美術、衣装、役者たちの余裕のある演技。そういったことのひとつひとつに対して、丁寧な目配せがなされている。それだけに、ラストの詰めの甘さが残念で仕方ない。
2部構成2時間10分の大作だ。こういうミステリーものは仕掛けのおもしろさよりも、どれだけ魅力的な人間像を作り上げることが出来るのか、そこに尽きる、ということに . . . 本文を読む
とてもあたたかいお話。作、演出は岡部尚子さん。前作『きのうのつづき』の姉妹編。同じような設定での少人数での会話劇。ワンシチュエーションのとても単純な話を小さいままでまとめていく。セットとかも特別何も作らない。ありのままのウイングの空間を使う。拘るのは岡部さんの見せたい世界観だけだ。もちろんそれが何よりも大事で、それさえしっかりしていたなら、芝居は成立する。
前作はすこし設定に無理があり、見て . . . 本文を読む