シリーズはもう11作にもなるらしい。知らなかった。ということは、僕が読んでいないだけで、(もちろん何冊かは読んでいるけど)まだ未読の作品が5、6冊あるはずだ。
懐かしい風景に出会ったような気分にさせられる。このシリーズだけでなく、村山早紀はいつもそう。
この町(風早の街)を離れたピアニスト、震災で下敷きになり意識のないまま眠り続ける女性、戦後からずっとこの町を守るエイリアンの医師。コンビニたそがれ堂にやって来て、去っていく人々のドラマは延々と続く。最後の『天使の絵本』は『コンビニたそがれ堂 セレクション』に一度収録された作品。村山早紀本人がシリーズで一二を争うくらいに好きだと思う一編らしい。(だから一度既に読んでいるはずだけど、忘れていた)
彼女らしい作品である。今回の4篇はいずれも王道を往くエピソードばかり。ちょうどシリーズ10作目だから記念碑的な一冊になっている。(スピンオフを入れたら11作)
この街、この店。神さまと人。死と生。優しい物語はいつも心に沁みいる。