
見終えてから知った。これはあの『ハックル』のパールフィ・ジョルジ監督の第2作なのだ。どうりでへんてこな映画だと思った。こんな異常な映画を作れる人は世界広しと言えども、2人といまい。あの人だけだ。映画を見ていてこれがハンガリー映画だということが判明した時から、なんだか怪しいなぁ、と思ったが、やはりそうだった。
それより何よりあまりの異常さに目を背けたくなる。あからさまにチンポが出てきて、とんでもなくグロテスクで、でもなんだか目が話せなくて、話もよくわからないまま、この辺境の地での妄想だかなんだかわからない出来事をただただ見守ることになる。民話的な語り口で、中尉と彼の家族(グロ豚の妻と2人の若い娘たち)の世話をする門番の兵士の様子が描かれる。この映画はこの貧弱な男の性的妄想でしかないのだが、それがどこまでが妄想でどこからが現実なのか、よくわからない。だいたい彼らはなんでこんなところで生活しているのだか、それすらわからない。第2次世界大戦中のハンガリーが舞台らしいのだが、彼らの置かれている状況がわからないのに、ただその異常ぶりだけが、淡々と描かれて、わからない自分ひとり取り残される。しかも、最後は豚の尻尾を持った赤ちゃんの誕生である。なんだ?と目が点だ。浮気がばれて中尉から頭を吹っ飛ばされたりするから、きっとあの豚妻とのセックスは事実だったのだろうが、でも豚の尻尾ってなんで?
そして、話はいきなり終わってたみたい。大食いチャンピオンの話となる。これがまたエグイ。ゲロ吐きまくり。洪水のようにゲロを吐くのだ。それをみんなが見て大喜びしている。なんとこれはスポーツの一種みたいだ。大食いを競う大会の話。大食い界に彗星のごとく現れた大食いスターと彼を愛する大食い女のラズストーリー。冷戦下のハンガリー。極彩色のゲロと大食。
最後は、タイトル通りに剥製師の話だ。実はこの3話はちゃんと繋がっている。祖父と父、そして剥製師である自分。これは40年代、60年代、現代と、彼ら3代の歴史を描くオムニバスなのだ。この最後のエピソードが一番おとなしい。だが、超肥満体と化して身動きも取れなくなった父の面倒を見ながら、さまざまなものを剥製にする男が、ついには自分を剥製にするまでを描くという話はやはり過激だ。首をちょん切ったりするし内臓パレード。自分の剥製がみんなから感嘆の目で見られる。だが、それってなんだかなぁ、である。
どこか、たがが外れたような映画だ。すさまじいインパクトだが、それが何を伝えようとするのかはよくわからない。だが、わかるとかわからないとそんな次元の問題ではないようなのだ。ではどんな次元なのかと問われれば実は、それもなんとも言い切れない。わからないのだ。だが、これだけの興奮と、衝撃を与えてくれるような映画はなかなかないだろう。それだけでも好しとしよう。必見。でも、きっと見た後はしばらく何も食べれない。おえっ、って感じ。
それより何よりあまりの異常さに目を背けたくなる。あからさまにチンポが出てきて、とんでもなくグロテスクで、でもなんだか目が話せなくて、話もよくわからないまま、この辺境の地での妄想だかなんだかわからない出来事をただただ見守ることになる。民話的な語り口で、中尉と彼の家族(グロ豚の妻と2人の若い娘たち)の世話をする門番の兵士の様子が描かれる。この映画はこの貧弱な男の性的妄想でしかないのだが、それがどこまでが妄想でどこからが現実なのか、よくわからない。だいたい彼らはなんでこんなところで生活しているのだか、それすらわからない。第2次世界大戦中のハンガリーが舞台らしいのだが、彼らの置かれている状況がわからないのに、ただその異常ぶりだけが、淡々と描かれて、わからない自分ひとり取り残される。しかも、最後は豚の尻尾を持った赤ちゃんの誕生である。なんだ?と目が点だ。浮気がばれて中尉から頭を吹っ飛ばされたりするから、きっとあの豚妻とのセックスは事実だったのだろうが、でも豚の尻尾ってなんで?
そして、話はいきなり終わってたみたい。大食いチャンピオンの話となる。これがまたエグイ。ゲロ吐きまくり。洪水のようにゲロを吐くのだ。それをみんなが見て大喜びしている。なんとこれはスポーツの一種みたいだ。大食いを競う大会の話。大食い界に彗星のごとく現れた大食いスターと彼を愛する大食い女のラズストーリー。冷戦下のハンガリー。極彩色のゲロと大食。
最後は、タイトル通りに剥製師の話だ。実はこの3話はちゃんと繋がっている。祖父と父、そして剥製師である自分。これは40年代、60年代、現代と、彼ら3代の歴史を描くオムニバスなのだ。この最後のエピソードが一番おとなしい。だが、超肥満体と化して身動きも取れなくなった父の面倒を見ながら、さまざまなものを剥製にする男が、ついには自分を剥製にするまでを描くという話はやはり過激だ。首をちょん切ったりするし内臓パレード。自分の剥製がみんなから感嘆の目で見られる。だが、それってなんだかなぁ、である。
どこか、たがが外れたような映画だ。すさまじいインパクトだが、それが何を伝えようとするのかはよくわからない。だが、わかるとかわからないとそんな次元の問題ではないようなのだ。ではどんな次元なのかと問われれば実は、それもなんとも言い切れない。わからないのだ。だが、これだけの興奮と、衝撃を与えてくれるような映画はなかなかないだろう。それだけでも好しとしよう。必見。でも、きっと見た後はしばらく何も食べれない。おえっ、って感じ。