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映画・演劇のレビュー

中原中也ほか『教科書で読む名作 一つのメルヘン ほか詩』②

2024-12-29 05:53:00 | その他
定番になっている名作選ではなく、まさかの作品もここには収録されている。前回は個人的な想いと何度も授業でやった作品のことを書いたが、実はここには挑発的で、授業展開が難しい作品が多数収録されている。これらを教科書で取り上げた教科書編集者である先生たちには呆れる(褒めてるよ!)が、現場で子どもたちに教えた先生たちの苦労も偲ばれる。僕がたまたま出会えなかったそれらの詩を取り上げるならどんな風に授業をしたかな、なんて考えながら読み進める。

金子光晴や立原道造をやりたかった。草野心平『ごびらっぷの独白』なんて原文をどう扱ったらいい?

それにしても、ここに取り上げた詩篇のラインナップは見事だと改めて思う。数えてみると、40数年でここに掲載されている詩の半分以上を授業でやっている。自分ながらあっぱれだ。戦後の高校教科書で子どもたちに何を提示するべきなのかに腐心した編纂者たちの選択に改めて感謝。

「あとがきに変えて」ある「解説に変えて」という3つの文も素晴らしい。大岡信、谷川俊太郎の間に石垣りんの『私の自叙伝』が掲載されている。そこには「やがてに死なければならない」と書かれている。人は確かに死ぬまで生きる。

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