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映画・演劇のレビュー

『ブーリン家の姉妹』

2013-06-28 22:28:36 | 映画
 劇場公開時はちょっと気になっていたのだが、例によって見逃していた1作だ。DVDになった時にはもう興味を失い、今回BSプレミアムでやっていたので、たまたま時間も合ったため見ることにした。最初はどうしてこんな辛気臭いコスプレ映画を観なくてはならないのか、と辞めたくなったが、我慢して最後まで見た。

 運命に翻弄される美人姉妹のお話なのだが、なんかこういうのって嫌い。彼女たちは国王の子を産むための道具で、自分の意志とか喜びとか、ない。家のため、身を犠牲にして、あほ王様の人身御供になる。「王の愛を手にするのじゃ、それがそちらの指名じゃからな」とか、言われて、彼の気を引き、他の女たちを引きずりおろして、王女の地位に就くためのあの手この手。バカ王は、「女狂いのキモイ男」ならまだ分かりやすいが、結構普通の人。でも、それだけに、彼の気分一つでたくさんの女たちが犠牲になるという図式が明確になる。

 映画はなかなかよく出来ている。しかも、ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンが凄くいい。16世紀のイングランド。世継ぎに恵まれない国王ヘンリー8世。まぁ、別にそんな基本設定はどうでもいい。歴史のお勉強ではなく、そこに生きる人たちの姿が共感できたならそれだけでいいのだ。

 だが、なんかムカムカする。彼女たちがまるで自由じゃないからだ。そういう話なのだから仕方ないのだが、それを今の時代に映画として見せる意味はどこにあるのか、そこが見えてこない。キャラクター的には2人は反対のような感じなのだが、あえてこういうキャスティングをしてこの2人の役者を刺激する。しかも、2人とも凄く気合いが入っている。それだけに残念だ。意志の強さから破滅するナタリー演じる姉に共感できたならこの映画は面白いのだろうが、僕はそこに乗り切れなかった。




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