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映画・演劇のレビュー

『東京ヴァンパイアホテル』

2021-11-01 10:08:13 | 映画

アマゾンプライムで配信されているオリジナルドラマである。こんな作品があったなんて知らなかった。先週発見して見始めたのだが、衝撃的な(園子温だから、そんなのはいつものことなのだが)冒頭のエピソードに唖然とさせられる。相変わらずの惨劇で血まみれになるのだが、中川翔子が凄すぎた。

園子温監督、2017年の作品だ。精力的に新作映画を連打してきた彼がここ数年劇場映画から遠ざかっていたのは、この配信用のオリジナル長編作品に挑んでいたからなのか、と知る。さらにこの作品の後、ネットフリックス作品『愛なき森で叫べ』(19)も撮っている。(こちらは既に先に見た。)

衝撃の第1話のあと、お話の本題に突入した2話から3話まで見たところで、だんだんマンネリで、退屈してきた。ホテルの中の話になったところから、同じようなことの繰り返しで、眠くなる。これでは話を引き延ばしているだけで、長編でしか出来ないことをしているようには思えなかった。だから、5話まで見てやめた。

こんなことなら、2時間半の編集版を見た方がよかったのではないか、と思ってけど、後の祭りだ。今からそっちを見るのは時間のムダ。ここまでの印象は、彼の映画としてはここ(2021年)までの最新作であり最悪の映画だった『アンチポルノ』を彷彿させる出来だった。(今公開中のハリウッド・デビュー作である『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』は未見。なんかひどい作品ではないかと思い、まだ見るのが怖いのだ)

でも、やはり後半が気になる。園子温がここで何を仕掛けたのかを見届けたくて、1週間後の昨日残りの5話を最後まで一応見た。6話から7話は見ていてイライラした。相変わらずの停滞ぶりである。しかし、8話から全くタッチが変わる。

これには驚いた。まるで別の映画になったようだ。(しかも監督を別の人に任せている)そこまでの派手で毒々しい映画から、静かなタッチへと移行する。ワンエピソードも60分弱から30分へと縮小される。お話が15年後になり、主人公も夏帆から当時デビュー間もない森七菜に代わる。そこでは、すべてが終わったその後、が描かれる。

お話のオチは、あれでは別になんとも思えないし、安易。思いつきで作っていて、めちゃくちゃになったので、お手上げ。途中で放り出してしまった、という感じだ。(それって、ちっちゃな子供ですね)やはり消化不良に1篇だった。

ただ、全力で走り続ける彼が、心筋梗塞での入院以降、この先どこまで行けるのか、どこに向かうのか、これから何をするのか、何ができるのか、それは気になる。

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