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映画・演劇のレビュー

劇団ひまわり『ペリクリーズ』

2018-08-27 22:06:06 | 演劇

シェイクスピアの戯曲をミュージカル化して、大人数の作品に仕上げる。15分の休憩をはさんで2時間10分とコンパクトにまとめる。そういう条件のもと、ウエルメイドな作品を見事作り上げた。とても気持ちにいい仕上がりだ。

単純すぎてびっくりするような話で驚かされるのだけれど、そのストーリーの単純さを受け入れると、それなりに見ていられる。父と娘の再会、そこに死んだはずの母も登場して、というラストなんて(3人のすさまじいオーバーアクトも含めて)とんでもないハッピーエンドで、そのご都合主義には驚くけど、それもまた楽しい。そんなことも含めてうまくできている。誰が見ても楽しめる。

そんなことより、30人に及ぶ(ダブルキャストだから15人くらいか)語り部による歌やダンスを含むナレーションには驚かされる。それはないわぁ、と思いつつもその過剰さを中心にして、どんどんグイグイごり押しでお話を進めていく。ストーリー展開の串団子スタイルは少し単調だけど、人海戦術による派手なスペクタクルに目を奪われ(ナレーションだけど)飽きささない。

主人公を演じた田渕法明は適役で、善良な王を自然に演じていて、生きていればいろんなことがあるけれど、一生懸命生きていたらきっとうまくいく、ってそんな感じのこのお話に説得力を与えている。


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