
帰りの飛行機で見る映画はこれに決めていたが、1月の新作がたくさん入っていて悩む。しかし帰りの飛行時間は120分なので、110分以内でなくては途中までになるし、時間もない。ということで、さっさと予定通りに決めて視聴開始。
前半はあまりのテンポの悪さに驚く。シャマランも焼きが回ったか?と。娘を守るためとはいえ、あまりに無茶苦茶な行為、だと思う。しかもなかなかパニックにならない。コンサートも見ないで、娘を置いてやりたい放題。
しかし、そのイライラ、それこそが今回のシャマランの仕掛けた罠だったのだ。そのトラップにまんまとハマる。ここからはネタバレになる。(これから見る人は危険!)
2万人の観客のアリーナに連続殺人犯がいる。最愛の娘をここから守って脱出できるのか、という映画だと騙される。なんと、この父親こそが犯人だったのだ! よくぞまぁこんな無茶な話を考えたものだ。しかも、コンサートの主人公である歌姫本人(演じるのはシャマランの娘である!)が、後半戦は父親であり犯人のジョシュ・ハートネットからバトンタッチして彼女が主人公になり犯人の魔の手から人質を救出し、さらには自分自身も逃げ出すことができるか、というお話にシフトする。
しかもこの犯人検挙をFBIに伝えて、大捕物を仕掛けたのはジョシュの妻だった、とか。何度か意味なく現れた老婆はジョシュの母親の幻だった、とか。どこまでも、もうやりたい放題。
設定,展開ともにかなりの無理があり、力技でねじ伏せるって感じだけど、こんな映画を嬉々として作り続けるシャマランは幸せな映画人だと改めて思う。ラストの軽さを含めて、まぁまぁ。
お正月にのんびり見るにはぴったりかも。途中機内食を食べ、ビールも飲み、終わったら関空に到着した。悪くはない。