東京都現代美術館で開催中(9月27日から2015年1月4日まで)のこの企画展が面白い。こういうマイナーな催しを3カ月以上に亙って開催し、確実に観客を動員するってところが東京の凄さだろう。大阪でこの企画は成り立たない。ここは「ゴンドリーってだれ?」の世界だから。
全体は3部構成になっていて、最初の1000人の似顔絵にまず驚かされる。こんなことをする人がいるんだ、という単純な驚きだ。生きていればたく . . . 本文を読む
4人の新人のための4話からなるオムニバス。それぞれが2人芝居で、ベテランと新人がタッグを組んで挑む。なんだか、微笑ましい企画ではないか。昔ながらの徒弟制度がそこにはあり、ベテランの胸を借りて若い役者たちが公演を通して成長する。この作品を経て、彼らが本公演で、どういう立ち位置を確保するのか、それも楽しみだ。
台本は新撰組のエース、南陽子。演出は座長である南田吉信。完璧な布陣だ。もともとは、作、演出 . . . 本文を読む
12年かけて1本の映画を作った(『6才のボクが大人になるまで』)リチャード・リンクレイター監督が、それ以上の歳月(18年)をかけて取り組んだ3部作の完結編。いや、そうではない。まだこれは進化形かもしれない。
第1作の『ビフォア・サンライズ (恋人までの距離)』(95)で、ウィーンで出会った2人が、『ビフォア・サンセット』(04)ではパリで再会する。それからさらに歳月を積み重ね、とうとう中年の域 . . . 本文を読む
これを見なければ、と思った。この秋から冬にかけて彼の2本の映画を続けて見た。まずは『サボタージュ』だ。がっかりした。久々のシュワルツェネッガー渾身の一作と期待しただけに、肩すかしを食らった気分だった。なぜ、ダメだったのか、考えた。中途半端な商業映画になったのが一番の問題だろう。それはシュワルツェネッガーが悪いのか? スターを主役に据えた映画の限界なのか。
だが、そんな考えは次の映画で吹っ飛んだ . . . 本文を読む
この6つの作品からなる短編集の描く「もしも」は、今の僕には重くて痛い。人生の半分以上を過ぎて、なんとなくもう先が見えたような気になっていたけど、本当はそうじゃない。いつ何が起こるかなんてわからない。母親のけがから介護問題に至る一連の流れの中で、受けたショックが一段落ついたところに、さらなる問題が浮上する。人生なんてそんなものだ。ただ言えることは、自分に正直になり、誠実に生きるしかない、ということ . . . 本文を読む