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映画・演劇のレビュー

伏兵コード『留鳥の根』

2011-05-31 23:17:08 | 演劇
この尋常ならざる暗さをひきずったまま、最後までフラットな芝居を作る。初めて稲田真理さんの芝居を見たのだが、この持続する緊張感に完全にノックアウトされた。 感情はギリギリまで、高まるが、境界線を超えない。その直前で踏みとどまる。この手の芝居(まぁ、映画でも小説でも同じだろうが)は、クライマックスにカタストロフィーがあるというのが、スタンダードなパターンなのだが、この作品はその轍を踏まない。抑え . . . 本文を読む
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草野たき『リリース』

2011-05-31 22:39:15 | その他
読みながら、かなりドキドキした。どこまでこの不快感を持続するのか。明良は、自分の感情をどこまでも押し殺して「いい子」を演じ続ける。生まれた日に父が死に、父親の生まれ変わりとして生きることを義務付けられた。そして、それを受けいててきた。それは主人公である彼だけではなく、母も兄も同じだ。この平穏なフリをして、暮らす家族3人の姿を見ていると、やがて来る破局が、どこにあるのか、いつなのか、不安になる。 . . . 本文を読む
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