ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント(6) 「愚かな金持ちの喩え」

2017年06月26日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (22) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (74)

 アムステルダム近郷ライデンの町に、野心に燃える若き画家がいた、レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)その人である。

 その彼の小さくも優れた 「愚かな金持ちの喩え」(1627年/32x42cm)、<レンブラントの部屋>に架る。

 蝋燭の光で硬貨を検分する老人を描いた本作、貪欲の愚かさを説いたイエスの喩え話に想を得ている。

 ルカ書に、群衆を前にイエスはひとつの喩えを語ったとある。

 ある金持、畑が豊作になって 「作物をしまっておく所がない」と、心の中で思いを巡らしていた。

 そこで彼は、「私の倉を取り壊しもっと大きいのを建てて、そこに穀物や食糧を全部しまい込もう」と考え、「そして自分の魂に言おう、魂よ、お前には長年分の食糧が沢山蓄えてある。さあ安心せよ、食え、飲め、楽しめ」と。

 すると神が 「愚かな者よ、あなたの魂(注:命)は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、誰のものになるのか」と言われた。

 イエスはこの喩え話を引いて、“ 自分のために宝を積んで神に対して富まない者(注:神や隣人のため富を用いない者)は、これと同じである ” と訓えた(ルカ書12章)。

 それにしても、レンブラントの光の使い方の巧みさ、21歳にして光と影の魔術師の片鱗を覗かせている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1334


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