※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (22) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (74)
アムステルダム近郷ライデンの町に、野心に燃える若き画家がいた、レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)その人である。
その彼の小さくも優れた 「愚かな金持ちの喩え」(1627年/32x42cm)、<レンブラントの部屋>に架る。
蝋燭の光で硬貨を検分する老人を描いた本作、貪欲の愚かさを説いたイエスの喩え話に想を得ている。
ある金持、畑が豊作になって 「作物をしまっておく所がない」と、心の中で思いを巡らしていた。
そこで彼は、「私の倉を取り壊しもっと大きいのを建てて、そこに穀物や食糧を全部しまい込もう」と考え、「そして自分の魂に言おう、魂よ、お前には長年分の食糧が沢山蓄えてある。さあ安心せよ、食え、飲め、楽しめ」と。
すると神が 「愚かな者よ、あなたの魂(注:命)は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、誰のものになるのか」と言われた。
イエスはこの喩え話を引いて、“ 自分のために宝を積んで神に対して富まない者(注:神や隣人のため富を用いない者)は、これと同じである ” と訓えた(ルカ書12章)。
それにしても、レンブラントの光の使い方の巧みさ、21歳にして光と影の魔術師の片鱗を覗かせている。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1334
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます