六月も末頃、近況伺い方々予てお願いしていたことがあって、不躾にも催促がましいメールを彼に送った。
その翌日だったか、昼間から不謹慎だが、某店で大振りの焼ウィンナを肴に冷酒を聞こし召していたら、携帯が鳴った。
携帯からは、「メールを見た。今、四国別格二十霊場の巡礼中なんで、返事が遅れる」との声が届いた。
えっ、別格? 確か八十八箇所、結願(けちがん)したと五月のK君の<激励会>の席上言っていたが、と少し首を傾げた。
その遍路、キリスト教にもあって、有名なのがフランス各地からピレネー山脈を越えてイベリア半島の西の果て<サンティアゴ・デ・コンポステーラ>への巡礼道。
斯くいうペトロ とカタリナ、大ヤコブの聖徳を学ぶべく、<リスボンの道>を北上したことは投稿した。
話しはそれたが、四国八十八箇所霊場に別格二十を加えると人間の煩悩と同数の百八。
その煩悩とやらからの解脱を求めての二十寺巡礼も多いと聞くが、彼も百八寺満願したと、後日届いた返信メールにあった。
話のそれ序にその四国遍路、歴史は古く江戸時代に遡るらしく、病や疎外感など悩みを抱えた者が道中斃れてもと白(死)装束に身を包み、弘法大師、空海ゆかりの寺を祈りながら歩いたのだとか。
しかし、今では、信仰や現世・来世利益を求める信仰的な発心に加え、所謂、自分探し、癒しとしての巡礼も多いとも。
彼がなぜお遍路を思い立ったか、勿論、その経緯、心うちを窺い知ることはできない。
が、信じる本(もと)が洋の東と西とに別れるけれど、アイゼンティティー、因(よ)って来たるものは近く、理解(わか)る気もすると言えば生意気か。
それは別として、五月の会の折、三枚の写真を彼から貰った。
電子版で送ってと頼んだら、前述のメールに、彼が所属する教室のグループ展に出展されたというその絵が添付されていた。
少し<絵心>があったカタリナ、彼の絵を指して烏滸がましくも「お上手ねえ」と褒めていたが、ますます腕を上げられたよう、で、彼、Tさんの力作、本稿で使わせて頂いた次第。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1003
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