バロックの傑作を訪ね、ヴァチカン博物館、ア・リーパ教会、<ボルゲーゼ美術館>、コルシーニ宮美術館、ナヴォーナ広場、<ポポロ教会>、サンタゴスティーノ教会、フランチェージ教会と歩いた。
旅の半ば、一旦ローマを離れ、カラヴァッジョの「キリストの鞭打ち」を追って、イタリア半島の爪先、シチリアとの海峡の町レッジョ・ディ・カラーブリア行きのエウロスターに乗った(上)。
1列席と2列席が通路を挟んで並び、私たち二人の席は生憎に通路を挟んだ。
出発間際に乗車した同世代の男性二人と女性のお洒落な三人連れ、どうも離れた席になったらしく、2列席の窓側の女性と通路に立った男性が、通路側のカタリナを挟んでイタリア語を飛び交わしている。
で、私の1列席と窓際席を「チェンジしないか?」と持ちかけると、否応もなく「グラーツェ」となった。
定刻、静かにホームを離れたESはナポリまでノンストップ、柔らかな陽ざしに萌える草原を切り裂くように走る。
ナポリに近づいたのか、右手に穏やかに光る海が。
ナポリ中央駅のひとつ前の駅で、件のお洒落な三人連れが「サンキュー」の言葉を残し降りた(中)。
ナポリに入って車窓からの風景が変る。
沿線の建物の窓という窓、バルコニーというバルコニーに、色とりどりの洗濯物が風にはためいている。
日本では見慣れたこの風景、ローマから北の町では余り見たことがない。
ナポリには駅がいくつかあって、ローマからの主要列車は、中央駅、その地下駅のピアッツァ・ガリバルディ駅、カンピ・フリグレイ駅などに停まる。
地下駅に着いたES、ホームは呆れるほど暗い。
その暗がりから、「ポンペイ」とタクシー運転手に声をかけられびっくり(下)。
地上に出るとそこは駅前広場ピアッツァ・ガリバルディ、の筈だが、駅舎工事のため塀で遮られ、いたるところ吸殻と食べ物の袋が散乱、汚いことこの上ない。
それにしてもだ、“ ナポリを見てから死ね ” とまでいわれる風光明媚なイタリア第三の街ナポリ。
その第一印象、噂に違わぬ猥雑振り?に、なるほどなあと納得。
最近では、“ ナポリが死なないうちに見ておけ ” と皮肉られているとも聞き、さらに「ご尤も!」と感心した。(続く)
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