小雨の日曜、久し振りに映画でもと外出、選んだのは、「ずっとあなたを愛してる」
小さな空港の人気のないカフェ、人待ち顔でタバコを吸うひとりの女性、このシーンから物語は始まる。
迎えにきた妹レアとの車中の会話から、殺人の罪で15年の刑期を終え、これから妹の家に身を寄せることが分かる。
姉ジュリエットは、多くを語らず孤独の殻に閉じこもるが、献身的な妹や無邪気な姪、新しく出会った人たちの暖かい気持ちに触れ、少しずつ居場所を見つけ始める。
しかし、教師をするレアの同僚ミッシェル、彼も挫折した愛の過去を抱えている。が、自分に特別の気持ちを寄せてくれていることを感じながらも、心を許すことはない。
ある日、裁きの場でも明かすことなく封印してきたことを、色褪せた一枚の手紙から妹に知られてしまう。――なぜ、ジュリエットは、愛する息子を自らの手に掛けたのかを。
真実を前に、それぞれの思いをぶつけ合う姉と妹。その時、ふたりを呼ぶミッシェルの声が聞こえ、ジュリエットの「私は、ここにいる」で、静かにこの映画は終る。
美しく聡明な姉妹を、クリスティン・スコット・トーマスとエルザ・ジルベルスタインが好演していたね。
ロバート・レッドフォードとの「モンタナの風に抱かれて」で、都会の洗練された母親を演じたクリスティンが、今度は、孤独の淵に沈むジュリエットを、素に近い姿で見事に演じていた。
無償の愛を示すレアの美しさが際立っていたし、孤独を恐れず矜持高く生きるジュリエットにも共感。
人は決して人を裁けない、裁けるのは神だけと訴えていると思うの。
愛と希望、人間の絆と再生の素晴らしさを謳った作品だったわ。
たとえ忙しくっても、お勧めだなあ。
そう、愛する人と是非どうぞ。
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