茶道の学びに七事式がある。
裏千家八代一燈が兄の表千家七代如心斎と、禅宗の精神を基礎とし茶道の本来の道の確立と修行のために作られたもので、花月、且座(しゃざ)、廻り炭、廻り花、茶かぶき、一二三(いちにさん)、員茶(かずちゃ)の七つの式法で構成されている。
七は、宇宙万象の根源の意味を持ち、七事は、国を治める政治の要諦を教えているそうだ。
七事式も夫々の式に学ぶべき茶道の基本が盛り込まれていて、基本は5人一組でするのだが、5人以上で人数が決まっていない式法もある。
折据と呼ぶ厚紙で出来た折箱に、「花」(亭主・点茶)、「月」(正客・喫者)「1、2、3」(客)の札を入れて、引いた札で役目が次々変わる動きが特徴だが、“ 茶かぶき之式 ” のみ趣を異にする。
円卓(まるじょく)の上、三種類の茶が入った棗が五つあって、紅絹(もみ)袱紗が掛けられている(写真上)。
平たく言えば、その三種類のお茶の名前の当てっこをする、微妙な味覚の違いを利き分ける修練なのである。
“ 茶かぶき ” の始めは、南北朝時代の闘茶とされ、栂尾の茶を本茶、それ以外の産を非茶として喫み比べ、物品を賭け遊興に耽ったとされている。
闘茶会の豪華さで太平記に登場する近江の佐々木道譽。
当時、派手に見栄を張り遠慮なく振舞う様をバサラと呼んだというが、そのバサラ大名として名を馳せた道譽、沢山の沈香、九十九髪茄子茶入、京極茄子茶入、茶壷類も所持していたという。
人の目を引く衣装、異様な身なりをすることを傾く(かぶく)者というが、歌舞伎踊り、歌舞伎の始まりともされ、人目を引くはでな服装や振る舞いをする意の伊達者(だてしゃ)として、今も言葉は残る。
「爆(はぜ)蘭」(写真下)、はじけて開くのでこんな名前がついたとか? 他にも、午後遅くに咲くので、「3時草」とも「5時草」とも。
また、花弁が一杯開くので、「花火草」とも「銀河草」とも呼ばれるらしい。
その花弁、米粒ほどの大きさゆえピントが甘いのはお許しあれ。「えっ、何時もの事」だって。()
Peter & Catherine ’s Travel Tour No.367
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