2000年の春、長崎の大浦天主堂を訪ねた。
石段下の新教会で、その日の夜に大浦天主堂でミサがあると聞いたが、そのことは前回に書いた。
大浦天主堂から、日本最古の木造洋風建築というグラバー邸を廻り、坂道を下って路面電車で浦上に向かった。
好天に恵まれせいかなのか、何時ものことなのか知りようもないが、長崎市街、意外にも人が多く、ほぼ満席の電車で松山町へ向かった。
その代わりでもないのだろうけど、平和公園、煩わしくもゼッケンを纏った人の他、人影が少なく淋しい。
平和の像と長崎の鐘を見て、そそくさと公園と別れ、坂道を下った。先方に赤い煉瓦造りの大きな教会、浦上教会が丘の上に望める。
ここで少し回り道を。
カトリック中央協議会のハンドブック2000版によれば、信徒数は44万人ほど。
教会は820余り、その教会を束ねる教区が、北は札幌から南は那覇まで16あって、それぞれ司教が配置されているとある。
16教区のうち東京、大阪、長崎のみ教会管区として大司教が任命されている。
その長崎大司教区、司教座が置かれた浦上教会、カテドラル・聖堂とも呼ばれる。
広島についで原爆が投下されたこの町は灰燼に帰し、教会も倒壊したそうだが、聖マリアの像の頭部が、奇跡的にも瓦礫の中から発見されたという。
このマリア像のモデル、ペトロの好きなスペインの画家、ムリーリョの傑作、「無限罪の御宿り」(プラド美術館蔵)とも聞く。
素晴らしい教会であるが、惜しむらくは、観光客が多い所為か祭壇の前まで進むことが叶わなかったこと。
ホテルの部屋からは、長崎港の夕景が一望、眼下には、26聖人の碑などが望めた。
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