楽しみにしていた東京行、横槍が入って頓挫。
その横槍、腸管癒着も18日になって少し沈静、カタリナ に、「独立書展へ行こうか?」と話を向けると、嬉しそうに「行けそう?」と訊く。
で、改めて仕切り直しとなった次第。
その日19日は穏やかな天気だったが、米原を過ぎた辺りから嘘のように銀世界、陽光が雪に反射してきらきら輝いていた。
岐阜羽島を過ぎると、真っ青な空が広がっている。
この時期特有の澄んだ大気に霊峰富士が真っ白に粧っていた。冬場は大きく望めるらしいが、この山はやはり凄い。
病中?の身にとって2時間半の車中はやはり退屈。
缶ビール片手に駅弁、の目論みは見事にはずれ、新大阪駅でカタリナが買ってくれていたのはホットケーキとカフェオレ。
ぼそぼそと時間をかけて齧りながら、「こンなことなら飛行機にするやった」と、外の冬晴れの空とは裏腹に、過ぎたことをウジウジとぼやくものの、誰かさんは無視してナンクロに挑戦中。
12時過ぎに東京・品川に着いた。
書展が行われている国立新美術館、明治神宮の辺りにあり、相変わらず混んでいる山手線で原宿へ向かう。
線路脇に三日ばかり前の雪が残っていて、ニュースで恥ずかしくなるほど大騒ぎをしていたのを思い出させる。
JR原宿駅から東京メトロの明治神宮前駅に乗り換え、僅か10メートルほどの通路、表参道だかなんだか判らないが、好天気に誘われてかごった返していた。
地下鉄で二駅、乃木坂駅に直結して美術館はあった。
建築家黒川紀章氏設計の美術館としては最後のものとなった建物で、日本で5館目の国立の美術館として07年(平成19年)1月に開館したという。
竹をイメージしたらしいエントランス以外地下に潜る大阪・中ノ島の<国立国際美術館>とは、同じ国立でも真逆にあるよう。
二・二六事件ゆかりの第一師団跡、戦後東京大学が使っていたらしい。の、潤沢な敷地にガラス張りの曲線がなんともユニーク。
とまれ、明治政府が藩幕時代の広大な遺産を接収して拵えた官制の街東京、その面目躍如たる建物ではありましたけれど、「この号、安旅行の案内チラシみたい」なんて言うのは誰?
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.569