年末から年初にかけて、季節を表す風物詩が一夜明けるとぐるっと変わっていて驚かされる。
店内に飾られた赤や緑のクリスマスのオーナメントが、紅白の繭玉や羽子板や奴凧に変わったと思ったら、節分の鬼さんや福娘のお面が売り場を占めている。
商いの場は、季節の移ろいが一歩先んじているようだ。
この稿を書いている日曜日は、カタリナ の初釜。
朝の内、これからの時期特有の春霞のような薄い幕が六甲の山裾にかかる穏やかな天気だった。
晴れ女を自認して憚らぬ彼女だが、翌日の成人の日は一転荒れ模様らしいとの予報を聞いて、「折角の晴れのお祝いの日に」と眉を曇らす。
彼女自身も、二回目の初釜の席があって、他人事ならないのだろう。
ところで、<過日の小ブログ>で、“ 初釜に使いたいと思っているらしい椿、まだ少し固く、間に合うか気を揉んでいるよう。名前を聞くと自分が育てながら、さあ?と心許ない返事 ” と書いた。
翌々日だったか、「あの椿ね、乙女椿だった。高槻の Y さんから貰ったのを挿し木したのを思い出した」と言う。
ペトロ の検査のあった本戎の日、少し侘びた桃色の花(写真上)を咲かせたので、「持っていけるじゃないか」と言ったら、「枝が短くて無理みたい」と、少し残念そうな口調だった。
その翌日の午後散歩に誘われたが、少し風邪が冷たいようだったので遠慮したら、ひとりで何処かに出かけたよう、小一時間して「ただいま」と帰ってきた。
手に少し大きめの紙に包まれたものを抱えてい、辺りにいい香りが散らばっている。
「花を買ってきたの?」と訊ねると、夙川の何時もの花屋さんに行って来たと言う。
顔を近づけると、蝋梅、白梅、水仙、そして、白玉椿が少し硬い蕾を覗かせた。花の季節も早や春である。
蝋梅と言えば大谷記念美術館の庭園(写真下)、今、「日本画 その妙(たえ)なる世界」展が開かれている。
この<企画展>、毎年、新春に開かれているようだが、今年もカタリナの初釜の間に行ければと思っている。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.565