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アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

広島訪問の「パフォーマンス」、誘惑と計算 (新華社)

2016年05月14日 | 東アジアニュース
広島訪問の「パフォーマンス」、誘惑と計算
新華社 発表時間 2016-05-13 11:25:57 編集  吴寒冰

  新華網北京5月13日 (記者/馮武勇) 日米両政府は10日、米国のオバマ大統領が5月下旬、日本の三重県で開催される主要7カ国首脳会議に出席し、会期中に広島を訪れると発表した。

 1945年8月、当時の米国のトルーマン大統領が投下指示書に署名し、米軍は広島と長崎に前後して原子爆弾を投下し、日本軍国主義の敗北を加速した。戦後70年間に、米国の現任大統領が広島を訪れたことはない。世界で初めて原爆を投下された都市、広島は戦争と平和、加害と被害、歴史と未来という複雑な記憶が交錯している。

 間もなく8年の任期が満了するオバマ大統領はいくつかの「最初」の行動を行った。米国初の黒人大統領、戦後初めてノーベル平和賞を受賞した現職米国大統領、約90年ぶりにキューバを訪問した米国大統領などだ。5月の広島訪問でまた一つ「最初」の行動が増える。広島を訪問する初めての米国の現任大統領になる。

 米国政府はオバマ大統領は広島で謝罪などを表明しないと繰り返し強調している。米国大統領府のアーネスト報道官は2日、オバマ大統領は日本が1945年に原子爆弾の爆撃を受けたことで謝罪を受けるべきだとは考えていないと断言した。 オバマ大統領にとって、広島訪問は一種の「誘惑」で、日本の安倍首相にとっては、ほとんど用意周到な計算と言える。

 10日夜、安倍首相はオバマ大統領の広島訪問決定について、首相官邸記者団に感想を述べた。テレビ局が放送したインタビューで、安倍首相は「心から歓迎の意を表す」と語った際に、声を震わせていた。

 日米関係史にしても、第二次世界大戦のファシズム戦争史にしても、広島と長崎は真珠湾、南京などと同じように、象徴的意義を多く含む地名だ。だが、安倍首相をはじめとする一部の歴史修正主義勢力の目に映るものは、広島は日本の第二次世界大戦の侵略者というイメージを薄れさせ、戦争の「被害者」イメージを作り上げる道具に過ぎない。安倍首相の計算では、パフォーマンスの舞台のために、米国の指導者よりも大物で、より人目を引き、自身のための政治的資本になり得る人物はいないと見ている。

 日程によると、5月27日、主要7カ国首脳会議終了後に、安倍首相はオバマ大統領に同行して広島に向かう。このパフォーマンスは各自が必要とするものを受け取り、すぐに解散するものでしかない。

「中国は緊張激化もいとわず」米国防省が強い警戒感 (NHK NEWSWEB)

2016年05月14日 | 米中紛争と東アジア
「中国は緊張激化もいとわず」米国防省が強い警戒感
NHK NEWSWEB 5月14日 9時54分


 アメリカ国防総省は13日、中国の軍事動向を分析した年次報告書を公表しました。
報告書では、中国は東シナ海や南シナ海で島々などの領有権の主張を強め、南沙(スプラトリー)諸島では人工島の面積を13平方キロメートルに拡大させて整備を進めており、南シナ海での軍事的な存在感を飛躍的に高めることができるようになると指摘しました。

 そして、軍事的な衝突を引き起こすことがないよう計算する一方で、その手前までは強硬に出る戦術を取っているとしたうえで、「中国はさらなる緊張の激化もいとわない意思をはっきり示している」として、今後さらに緊張を高める行動に出る可能性があると指摘しました。

 さらに、去年の軍事関係費は全体でおよそ20兆円に上るとしたうえで、中国は、将来、軍事的な危機や衝突が起きた場合にアメリカ軍の介入を抑え込む能力の向上に力を入れているとして、強い警戒感を示しています。

 年次報告書を公表した国防総省のデンマーク国防次官補代理は、「われわれはアメリカや同盟国を守っていくため、アメリカ軍の能力を維持するのに必要な投資を続ける」と話しています。

オバマ氏広島訪問 日米の関係強化を警戒する中国 (聯合ニュース)

2016年05月14日 | 東アジアニュース
オバマ氏広島訪問 日米の関係強化を警戒する中国
聯合ニュース 2016/05/13 19:43

【上海聯合ニュース】

 オバマ米大統領の広島訪問の発表を受け、中国側は日本が被害者の立場を強調することに対し警戒しているもようだ。また日米関係が強化され、中国が実効支配を強める南シナ海の問題で、日米両国が圧力を加えてくる可能性についても懸念しているものとみられる。

 中国外務省の陸慷報道局長は11日の定例会見で、「(オバマ大統領の広島訪問の)目的は日本が軍国主義の道を決して再び進んではならないという点と、日本の軍国主義がアジアや世界で深刻な被害をもたらしたという点を世界に知らせることでなければならない」と話した。 

 また当初の訪問目的のとおりに、「核兵器なき世界」に対する構想を推進していく契機にしなければならないという立場を強調した。

 中国は特にオバマ大統領の広島訪問を機に、戦争の被害者としての立場を日本が強調することに警戒しているものとみられる。

 中国国営通信、新華社は「オバマ大統領の広島訪問中、日本側は第2次世界大戦の被害者として振る舞おうとするだろう」と指摘し、警戒感を強めた。

 北京大の帰泳涛副教授は「今回の訪問が政治的に悪用された場合、日本が加害者であるという事実を米国が認めていないという印象を与える可能性があるという点に留意しなければならない」と指摘した。

またオバマ大統領の広島訪問を参考にし、旧日本軍が大虐殺を行った南京に日本の首相も訪問するべきだとした上で、「南京訪問が実現すれば中日両国の過去の歴史問題も解決に向け大きく進展するだろう」と強調した。

 一方で、オバマ大統領の広島訪問を機に日米同盟が強化され、南シナ海問題に対する圧力が強まることに中国が懸念を持っているとの見方も出ている。さらには北朝鮮の核問題についても日米の協力体制が強化されることにより、中国の安全保障戦略の一部に支障が生じないか注目しているものとみられる。