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アジアロードレース選手権 AP戦 19年後の勝負

2011-09-12 23:01:38 | MotoGP WSB BSB JRR








オートポリスのポディウムに藤原の歓喜の叫びがこだました。

死闘を繰り広げた大崎とのタイム差は、僅か0.009秒差。
最終的に白黒を決めたのは、異例な写真判定であった。

前日の決勝レース1で、藤原は不運な後退を強いられていた。
トップを快走しながら、チェンジペダルの小さな部品が折れたせいで、3速からギアを切り替える事ができなかった。
固定されたギアは、レブリミットを越え、エンジンは悲鳴をあげながらも、何とかゴールする事ができた。
9位と言う結果は、残念ではあるが、ある意味では貴重なポイントを獲得できたともいえる。

そして、迎えた決勝第2レース。
藤原のマシンは、大きくフィーリングが変わってしまっていた。
前日に使ったエンジンはレブに当たっておりリスクが高く、本来なら次戦の中国で投入予定だったエンジンを急遽載せ換えたのだ。
そのせいで、それまでのセットアップがリセットされ、朝のウォームアップ走行の僅かな時間でセットし直すしかなかった。
しかし、僅か15分の走行時間では詰め切れるはずもなく、不安を抱えながら決勝第2レースを迎えた。
1コーナーを3番手で抜けた藤原は、すぐに大崎との一騎打ちとなる。
6周目、このあたりから藤原はマシンはフロントが切れ込むようになり、次第にコントロールが難しくなっていく。
対する大崎にも全くの余裕がなかった。
ペトロナス・ヤマハ・マレーシアから、打倒藤原の請負人として起用された大崎は、前日のリタイアの分を取り返すためにも諦めるわけにはいかなかった。
藤原の後ろで隙をうかがっていた大崎は、前に出ても引き離せない事が分かっていたので、最後に勝負に出る事に決めていた。
最終ラップ、最終コーナーで、藤原がインを閉めてくる事を予想していた大崎はクロスラインでストレートで勝負した。
大崎は絶妙なライン取りで、素晴らしい加速を見せた。
藤原は、スリップを使わせないようにマシンを大きく右に振り、そして両者、同時にフィニッシュラインを超えた。

結果、0.009秒差という前代未聞の僅差で、藤原の勝利が確定した。




藤原対大崎、この二人の過去の対決は、19年前にさかのぼる。
藤原は山口出身で、対する大崎は福岡の出身。
19年前、ともにノービスライダーとして地元でしのぎを削ってきた間柄だったが、その時の勝負は大崎が勝った。
17歳の藤原は、負けた事に悔し涙を流したという。

その時の悔し涙が、今回は歓喜の涙となった。
普段、決して涙を見せない藤原が、涙を流しながら喜びを表していた。
いつも以上にテンションの上がった藤原は、天に飛んでいきそうなくらいはしゃいでいた。
アジアを転戦する選手権の中で、地元中の地元のレース、カワサキのホームコースといった、本当に特別なレースだっただけに、喜びもひとしおだったのであろう。



チャンピオンシップポイントは藤原がトップを維持。

次戦は、10月16日決勝の中国戦。
残り2ラウンド、4レースで、アジア王者が決定する。




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