MotoGP 第6戦 イギリスGP アフターザフラッグ
■開催日:2011年6月12日(日)決勝結果
■開催地:イギリス/シルバーストーン(5.902km)
■周回数20周(118.04 km)
■観客数:72,544人
■コースコンディション:ウエット
■気温:11度 ■路面温度:10度
■PP:C・スト―ナー(2分02秒020/ホンダ)
■FL:N・ヘイデン(2分21秒432/ドゥカティ)
RIDERS COMMENT
MotoGP
MotoGPクラスの決勝レースは、気温11度、路面温度10度のウエットコンディション。
ホールショットはロレンソが奪うが、最初にコントロールラインを通過したのはドビチオーゾ。
2周目、スタート直後の視界不良とタイヤの温まりを慎重に見極めていたストーナーがトップに立つ。トビチオーゾ、ロレンソ、シモンチェリが続く。
ストーナーは、後続をどんどん引き離すペースで周回する。後続の3人は接近戦を繰り広げるが、9週目にロレンソが転倒、マシンのダメージが大きくリタイアとなる。同じ周、スピーズも転倒した。
11週目、ドビチオーゾを追い詰めていたシモンチェリだったが転倒しリタイア。上位陣二人がリタイアとなったことで、エドワーズが3番手に浮上。
終盤、ヘイデンがファステストと叩き出しながらエドワーズに迫るが、負けじとエドワーズもタイムアップし差を詰めさせない。青山は、カピロッシをパスすると、ペースアップが可能となり前を行くエリアスに接近する。
結局、ストーナーは15秒ものリードを築きながら独走優勝。2位にドビチオーゾ。3位は、鎖骨骨折からの復帰レースのエドワーズ。4位に、ヘイデン。5位は、スズキのバウティスタ。
以下、ロッシ、アブラハム、エリアス、青山、カピロッシの順位。
バルベラとド・ピュニエは周回遅れとなってしまった。
ホームレースに臨んでいたクラッチローは、予選で転倒し鎖骨を骨折、決勝をキャンセルした
チャンピオンシップは、ストーナーがロレンソを抜き116ポイントでトップに立った。
1. ケーシー・ストーナー Honda 47'53.459
「スタートが決まらず、おまけにタイヤが温まるのを待たなければなりませんでした。最初の数周、他のライダーの後ろにいたときは、水しぶきがバイザーの内側に入って視界が悪く、プッシュするのが難しかったです。この時は注意深く走りました。自分のラインを守って、インに入られないようにしました。しかし、5周を終えるころには視界もはっきりしてきて、バイザーから水もなくなったので、気持ちよく走ることができました。ラップタイムも上がり、差を広げ始めることができました。今日は信じられないくらい寒くて、こういうコンディションは転倒しやすいので、とてもナーバスになりました。そういう状況の中で最後まで転ばずに走りきれたことがとてもうれしいです。今日はとても難しいコンディションでした。なにが起きてもおかしくなかったです。そのような状況ですばらしいレースができたし、優勝することができて最高の気分です」
2. アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda +15.159
「今日の表彰台はとてもうれしいです。この2位は、まるで金メダルを獲得したような気分。路面コンディションはとても滑りやすく、今朝のウオームアップのときよりも水の量は多かったです。リアのグリップを出すためにセットアップを修正しました。そのおかげでとてもいい状態になり、タイヤが温まるまでの序盤にペースを上げることができました。とてもいいスタートが切れました。そしてケーシーについていき2位をキープすることに集中しました。ロレンソとシモンチェリに抜かれないようにブレーキングでがんばりました。いいリズムで走れたし、ケーシーからそれほど離れませんでした。でも彼はこのようなコンディションにとても強いので、自分のレースをすることに集中しました。全力で僕をサポートしてくれたチームに感謝したいです。今日はレースという大事なときにいいパフォーマンスができましたが、これからは、予選でのパフォーマンスをよくする必要があります。今日の2位獲得で、ロレンソとの差が縮みました。シーズンはまだ長いので、あきらめず全力を尽くしていきます」
3. コーリン・エドワーズ Yamaha +21.480
「信じられないような展開!しかも表彰台獲得だなんて、まったく驚きだよ!予選で8位になれただけでもハッピーだったのに、鎖骨骨折からわずか1週間で表彰台に上れるなんて、100万年あっても思いつかないね。怪我を治してくれたザビエル・ミル医師はもちろん、モンスター・ヤマハ・テック3のみんなにもお礼を言わなければならない。なぜなら彼らが僕のために素晴らしいマシンを用意してくれたのだからね。肩の状態はかなり良くなっていて、それよりも肋骨周りの筋肉のダメージのほうの痛みがひどかった。でもそんな僕を雨が助けてくれたと思う。
ドライよりもウエットのほうが、ずっと負担が少ないからね。あとはひたすら我慢。そしてスムースな走りを心がけ、ミスをしないように慎重に走りきっただけ。コンディションがかなり悪かったので、いつどこで仕掛けていけるかを探り出すことが課題になった。その結果、こうして好結果を導くことできて本当に嬉しく思ってるよ。でもこのコンディションに負けてしまったライダーもいたわけで、ピットボードの『P3』という表示を見たときはびっくりだった。でもそのときにはまだ8ラップか9ラップ残っていたし、雨の冷たさと寒さで手足の感覚がなくなってしまっていた。そのくらい難しいレースだったんだけれど、カルのこともあったので、最後にチームのためにいい結果を残すことができて良かった。誰だって怪我をすることはあるけれど、それがホームレースでとなると、なかなか受け入れられないものだと思う。彼の早い復帰を願っている」
4. ニッキー・ヘイデン Ducati +26.984
「正直なところ、今日は表彰台に上がりたかった。もしもレース前に、『今日は4位だろう』と言われたら、『いや、もっと上でフィニッシュするつもりだ』と答えたに違いないが、自分自身のライディングには失望はしていない。クラッチが不調でいいスタートが切れず、さらに序盤は視界が悪い上にうまくタイヤに熱が入らなかった。第1コーナー出口で転倒寸前まで追い込まれてマシンを押さえつけたが、その時に肩に大きな衝撃がかかった。レース中盤から終盤にかけては、3位のエドワーズの姿が見えたので、本気でプッシュした。ドゥカティ移籍後にファステスト・ラップタイムを記録したのは今回が初めてだと思う。最速タイムを出してもポイントはもらえないけれど、実に気分が良いものだ。1週間前に鎖骨を骨折したにもかかわらず、あれだけ走ったコーリンには敬意を表したいが、先にフィニッシュして僕の表彰台を阻むのはこれっきりにしてもらいたいね。厳しい週末だったが、努力し続けてくれたスタッフに感謝したい。彼らのおかげで粘り強く走って、大きなポイントを獲得することができた。今後もさらに上を目指したい。」
5. アルバロ・バウティスタ Suzuki +35.569
「今日は5位という結果を出すことができて本当に良かった。レースへのすべてに大きな情熱を注ぎ、私に最高の走りができるよう助けてくれるチームに、心からお礼を言いたい。チームのおかげで、怪我から復帰して以来思いきり勝負を賭けて走れたし、これまでのレースの中でも最高の内容だった。本当に感謝している。ウォームアップの時から調子も良く、すべてが良い感じだったので、決勝はかなり行けるのではと思った。レースではスタートが肝心だが、そのスタートも上手くいき、5位か6位につけることが出来たと思ったけれど、周りのライダーからの水しぶきがもの凄く、周りが見えなくなってしまい、順位を落とした。しかし、走りのリズムをつかもうと頑張っているうち、段々良い感じになってきた。路面の水のせいで何台かがクラッシュしたが、自分はスリップの不安もなかった。それでも本当に油断のならないコンディションだったので、ブレーキワークとアクセルワークには神経を使わなければならなかったし、レース終盤は後ろのバレンティノが迫ってきているのもわかっていた。自分も頑張って追い上げて前のニッキーとの距離を詰めたが、彼も粘り強く、最終的にバレンティノは引き離して単独5位でフィニッシュした。5位は良い結果だし、次のレースでも今日のような、あるいはそれ以上の走りができると確信しているので、今から楽しみにしている。」
6. ヴァレンティーノ・ロッシ Ducati +1'04.526
「開幕以来、もっとも困難な週末だったことは間違いないが、少なくともダメージを最小限で抑えることには成功した。レース前の状況を考えれば、6位という結果はポジティブに捉えていい。おかげでランキング4位にとどまることができたし、総得点でも大きな差をつけられずに済んだ。僕はシルバーストンの経験が浅いので、少なからずそれがハンディになったが、セットアップを改善できなかったことも事実だ。今日のニッキーはかなり乗れていた。ファステスト・ラップタイムもマークして、ウェットでのドゥカティの戦闘力を証明してくれた。だが、開発熟成はまだ十分ではない。ライディングし難くて、残念ながらハードにプッシュできなかった。チームやマシンだけでなく、自分の責任でもあるので、力を合わせて状況を改善して、いち早くルマンやカタルーニャと同様のレベルに戻さなければならない。それをベースにして、いっそう前進したい。」
7. カレル・アブラハム Ducati +1'32.650
「スタートはあまり良くなかったです。ロッシに追いつけなかったのは悔しい。彼はどのラップも僕よりも速かった。けれど、7位という結果にはとても満足しているよ。すべてのチームスタッフ、特に素晴らしい仕事を成し遂げたメカニックに感謝しています。」
8. トニー・エリアス Honda +1'51.938
「ウエットコンディションになり、今日はトップ10でフィニッシュしたかったので、とてもうれしいです。マシンのセットアップにはまだ苦戦しています。ドライコンディションだったら同じ順位でフィニッシュできなかったと思います。でも自分とチームにとっては、とてもポジティブな週末でした。ロッシとアブラハムとバトルすればもっといいポジションになると思いました。でも序盤にヘルメットの視界が不明瞭になり、数回バイザーを開けなければなりませんでした。14番手というグリッドを考えれば、いいスタートが切れたと思います。でも第1コーナーでふくらんでしまったのが残念。運よくコースに戻ってレースを続けられたことに感謝しています」
9. 青山 博一 Honda +1'52.350
「スタートして数周は、前がまったく見えなくてどこを走っていいのか分かりませんでした。新しい部分のアスファルトは水はけが悪く、古い部分は水たまりが多かったです。今日は、ウオームアップのときからフィーリングがよくなく、決勝はいい状態になりましたが、それでも万全ではなく、難しかったです。しかし、ウオームアップの状態だったら、まったく走れなかったと思います。決勝に向けてセッティングを変えてよかったです。しかし、カピロッシをなかなか抜けませんでした。彼を抜いてからペースも上がり、エリアスに追いつくことができました。9位という順位には満足していませんが、MotoGPクラスで初めての雨のレースを、きちんと走れたという点では、いい経験になりました」
10. ロリス・カピロッシ Ducati +2'03.312
「昨日と比べても、状況が良くなったとは言えませんね。重要なのはレースを走り切る事だったのですが、フロントエンドのフィーリングが無かったので、本当に大変でした。うまくフロントタイヤを機能させる事も出来なかったし、コーナーでは毎回、振り落とされそうになりました。天候が僕らの状況を難しくしていたし、とても寒く、またライディングも困難だった。だから、レースが終えることだけを考えていたよ。とにかく今は、ドライコンディションでも苦労している状況です。順調に行くはずだったのに残念です。」
11. エクトール・バルベラ Ducati 1 Lap
「タフなレースとなりました。夜通しの作業で、サスペンション、マシンをソフト側にセッティングしました。でも、ちょっと行きすぎたセッティングだったようで、ブレーキング時に、フォークが底突きしそうになっていました。スタートして、フルタンクの時はとても乗りにくかった。もしこれがプラクティスの時だったら、最初のラップですぐにピットに戻ってセッティングを変えていたでしょうね。昨日今日とソフト側のセッティングを探っていたのですが、良くしようと思っていても、時にはリスクを伴って上手くいかない事もあるんですね。今回は良いリザルトを得られると思っていましたので残念です。とは言っても、落ち込んでいる暇はありません。2週間後はアッセンでレースがあります。僕たちは、事態を好転させるためにも懸命に働かなければなりません。」
12. ランディ・ド・ピュニエ Ducati 1 Lap
「今日は僕の人生の中で最悪のレースだったね。この最悪の日を説明するのは難しいんだけど、朝のウォーミングアップが事の始まりだったよ。問題なのは、これはこれまでもずっと付きまとっていた問題だけど、フロントのフィーリングが無かったんだ。このコンディションの中で、走り切るのは大変だった。1ラップするたびに2回は転びそうになったね。もうこれ以上言う事は無いよ。恐ろしいレースだった。」
RT. マルコ・シモンチェリ Honda 10 Laps
「毎戦、トップグループでレースを戦えているのに、こうしてなにかが起きてしまいます。今日の結果には、がっかりしたというか、言葉もありません。あのコーナーではすでに危ない瞬間があったので、十分に気をつけていました。それでも、フロントからあっという間に転倒してしまいました。再び、表彰台にさよならを言うことになってしまいました。今日もがっかりして家に帰ることになりますが、明日からはアッセンに向けて気持ちを切り替えたいです。そして、ここまで続いた不運もこれが最後だと思いたいです」
RT. ホルヘ・ロレンソ Yamaha 12 Laps
「自分のミスでこんなことになってしまい、とても悔しい。僕のために頑張ってくれたチームのみんなに、応援に来てくれたファンクラブのみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。自信を持って走っていたつもりだったけれど、パスのタイミングをもう少し待つべきだったと後悔しているよ。何もなければケイシーと優勝争いができたと思う。だからシモンチェリに追い上げられることを心配したわけじゃなくて、ここでアンドレアをパスしておかなければケイシーに逃げられてしまうと思ったんだ...そうしたら転倒してしまった!前はケイシーが僕を、まるでグレイハウンドみたいに追いかけていたが、今はそれが逆転してしまった。だから次のアッセンは優勝を狙っていかなければならないんだ!それとは別に、コーリンには祝福の気持ちを伝えたい。本当に素晴らしかった。これで見事に先週の雪辱を果たしたね」
RT. ベン・スピーズ Yamaha 13 Laps
「ここまで懸命に頑張って、今日のためにマシンを作り上げてきたのに、このような結果になってとても残念。このウイークは天候の変化に翻弄されてチームのみんなにとっても苦しい戦いだったけれど、昨日までに素晴らしいマシンが出来上がって準備が整っていたのに...。路面は完全なウエットで、第1コーナー進入でブレーキをかけたらフロントが切れ込んだ。そして気がついたら壁にぶつかっていた。背中を強く打ちつけてプロテクターがだめになってしまったほどだけれど、それによって僕を守ってくれたようだ。痛みがひどいので、これから数日間は大型のクッションが必要になりそうだけど、最悪のことにならなかったので本当に良かった。何日かはよく休んで回復に努め、次のアッセンで戻ってくるよ!」
ポイントスタンディング
1 ケーシー・ストーナー Honda 116
2 ホルヘ・ロレンソ Yamaha 98
3 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Honda 83
4 ヴァレンティーノ・ロッシ Ducati 68
5 ダニ・ペドロサ Honda 61
6 ニッキー・ヘイデン Ducati 60
7 青山博一 Honda 43
8 コーリン・エドワーズ Yamaha 37
9 ベン・スピーズ Yamaha 36
10 カレル・アブラハム Ducati 33
11 マルコ・シモンチェリ Honda 32
12 エクトール・バルベラ Ducati 31
13 カル・クラッチロー Yamaha 30
14 トニ・エリアス Honda 28
15 アルバロ・バウティスタ Suzuki 22
16 ロリス・カピロッシ Ducati 22
17 ランディ・ド・ピュニエ Ducati 10
18 ジョン・ホプキンス Suzuki 6
Moto2クラス
Moto2クラスの決勝レースは、気温11度、路面温度12度のウエットコンディション。
ホールショットは、ブラドルが奪うが、ポールポジションのマルケスはミスで大きくポジションを落としてしまう。
地元のレースで気合の入るレディングがブラドルをパス。二人が後続を引き離す勢いで接近戦を演じる。
6周目、勢いをつけたパッシーニが、トップ二人に追いつき、ついにトップに浮上。
7週目、パッシーニはトップに立ち最速ペースで後続を引き離そうとしたが、まさかの転倒、リタイアとなった。同じ周、マルケスも転倒リタイアした。
トップに立ったブラドルが、その後、安定したペースを刻み独走状態を築く。2番手は、ペースの上がらなくなったレディングをソフォーグルがパス。
11週目、ソフォーグルまでもが転倒。再スタートするが、大きく順位を落とした。2番手には、28番グリッドからスタートした地元ライダーのスミスが急浮上。3番手、ピッロ。4番手、ソフォーグル。
ブラドルは、そのまま独走状態で、今季4勝目を飾った。スミスが2位。ピッロが初表彰台の3位。
高橋は、着実に走り切り7位。ソフォーグルは、8位まで挽回した。
1. ステファン・ブラドル Kalex 44'10.236
「本当に難しいコンディションで、とても大変なレースでした。どちらかといえばドライコンディションのレースが好きなので、今日のようなウエットコンディションで優勝できたことは、自分たちにとって本当にすばらしいことです。今日は自分の走りに集中しました。他のライダーがどんな走りをしていようと、そんなことはどうでもよかったです。しかし、集中を続けるのは、本当に難しかったです。しかし、ここまでは、なにもかもが順調に進んでいます。でもまだ先は長いので、同じように仕事を続けていきたいです」
2. ブラッドリー・スミス Tech 3 +7.601
「28番グリッドだったので、今日はいいスタートを切らなければならないと思っていました。第3コーナーに入るとき、5人くらいを外側から抜きました。それからは、とにかく前に出ようと思っていました。集団の中では水しぶきが本当にひどかったです。なにも見えませんでした。だから、ただ下を向いて走りました。いいペースで走れたけれど、ステファンにはかないませんでした。速いペースを保つようにして彼にプレッシャーを与えようとしたけれど、彼はクールでミスをしなかったので、チャンスもなかったです」
3. ミケーレ・ピロ ITA Moriwaki +12.241
「路面がとても濡れていて、序盤は本当に厳しかったです。とにかく、落ち着かなくてはいけないと思いました。正直、こんなコンディションではどこまで走れるのか自信がありませんでしたが、周を重ねるごとにフィーリングがよくなったので前に出ようとがんばりました。このサーキットは初めてだったし、すごくうれしいです。チームにとってもこの結果は重要なので、とてもうれしい。これからも同じようなレースをしていきたいです。チームとスポンサーに心から感謝しています」
4. ジュール・クルーゼル Suter +17.271
5. スコット・レディング Suter +23.531
6. エステベ・ラバト FTR +28.661
7. 高橋 裕紀 Moriwaki +32.391
「ウオームアップはすごく感触がよくて、今日はいいレースができると思っていました。しかし、スタートして何周かは、視界が悪かっただけでなく、フィーリングも悪くてペースを上げられませんでした。それで19番手まで順位を落としましたが、だんだんリズムよく走れるようになり、ペースを上げられました。最終的に7位でフィニッシュ。ピットに帰ってきたら、みんなすごく喜んでくれました。表彰台には立てなかったけれど、総合ランクで5位から3位に上がることができました。今回はフリー、予選といろいろなことにトライしました。全力を尽くしてくれたチームとモリワキのスタッフに感謝したいです」
8. ケナン・ソフォーグル Suter +34.662
9. ヨニー・エルナンデス FTR +37.181
10. シモーネ・コルシ FTR +38.981
11. ランディ・クルメンナッハー Kalex +39.657
12. マックス・ノイキルヒナー MZ-RE Honda +51.622
13. ケブ・コブラン FTR +54.810
14. アレックス・バルドリーニ Suter +56.242
15. トーマス・ルティ Suter +1'00.769
16. アンドレア・イアンノーネ Suter +1'06.198
「タフなレースだった。最終的にベターなポジションでフィニッシュできるようにマネージメントしたけど、レース中は、ヘルメットのバイザーに問題があった。数ポイントを稼ぐことができなかった。アイム・ソーリー。問題を抱えたまま週末を終えてしまった。この状況を改善するために、戦闘的になるために、懸命に働かなければいけない。このランキングが気に入らない。もう一度戦闘的になるために、解決策を見つけないと。アッセンでこのネガティブな流れを断ち切りたい。」
17. マイク・ディ・メッリオ Tech 3 +1'19.530
18. アレックス・エスパルガロ Pons Kalex +1'27.092
19. バビエル・フォレス Suter +1'29.849
20. ドミニク・エガーター Suter +1'30.338
21. ラファエル・デ・ローサ FTR +1'57.792
22. ヴァレンティン・デビーズ FTR +2'11.104
23. ロベルティーノ・ピエトリ Suter +2'29.168
24. マシェル・アル・ナイミ Moriwaki 1 Lap
25. ナッサー・ハサン・アル・マルキ Moriwaki 1 Lap
RT. ポル・エスパルガロ FTR 2 Laps
RT. アンソニー・ウェスト MZ-RE Honda 4 Laps
RT. ケニー・ノエス FTR 4 Laps
RT. クラウディオ・コルチ Suter 5 Laps
RT. アレックス・デ・アンジェリス Motobi 7 Laps
RT. ザビエル・シメオン Tech 3 8 Laps
RT. カルメロ・モラレス Moriwaki 10 Laps
RT. ラタバー・ウィライロー FTR 10 Laps
「毎戦、アクシデントの後遺症の影響が出てしまうのは残念。いつも走りで、上位に進出するために、モチベーションを持ってサーキットに入るけど、ものごとが難しくなってしまう。この状態を克服する。キャリアでベストリザルトを獲得したアッセンで、それを証明したい。」
RT. マルク・マルケス Sute 11 Laps
RT. マティア・パッシーニ FTR 12 Laps
RT. ミカ・カリオ Suter 12 Laps
RT. ジョルディ・トーレス Suter 15 Laps
RT. アクセル・ポンス Pons Kalex 0 Lap
ポイントスタンディング(ライダー)
1 ステファン・ブラドル KALEX 127
2 シモーネ・コルシ FTR 65
3 高橋裕紀 MORIWAKI 56
4 アンドレア・イアンノーネ SUTER 49
5 フリアン・シモン SUTER 49
6 トーマス・ルティ SUTER 48
7 ブラッドリー・スミス TECH 3 47
8 マルク・マルケス SUTER 45
9 アレックス・デ・アンジェリス MOTOBI 42
10 ミケーレ・ピロ MORIWAKI 37
11 アレックス・エスパルガロ PONS KALEX 31
12 ランディ・クルメンナッハ KALEX 29
13 エステベ・ラバト FTR 28
14 ジュール・クルーゼル SUTER 27
15 ドミニク・エージャーター SUTER 24
16 ヨニー・ヘルナンデス FTR 20
17 マックス・ノイキルヒナー MZ-RE HONDA 18
18 スコット・レディング SUTER 16
19 ポル・エスパルガロ FTR 13
20 アレックス・バルドリーニ SUTER 13
21 ケブ・コフラン FTR 11
22 ケナン・ソフォーグル SUTER 8
23 ミカ・カリオ SUTER 8
24 マイク・ディ・ミリオ TECH 3 7
25 クラウディオ・コルティ SUTER 5
26 アンソニー・ウエスト MZ-RE HONDA 5
27 ラタパーク・ウィライロー FTR 4
28 マティア・パシーニ FTR 3
29 ザビエル・シメオン TECH 3 2
30 リカル・カルダス MORIWAKI 2
31 アクセル・ポンス PONS KALEX 1
ポイントスタンディング(コンストラクター)
1 KALEX 127
2 SUTER 123
3 MORIWAKI 74
4 FTR 69
5 TECH 3 56
6 MOTOBI 42
7 PONS KALEX 32
8 MZ-RE HONDA 18
125ccクラス
125クラスの決勝レースは、気温11度、路面温度11度のウエットコンディション。
オープニングラップは、フォルガー、テロール、ザルコ、ファウベルの順。
7週目、ザルコがトップに立つが、9週目に再びフォルガーがトップを奪い返す。その後、何度か順位を入れ替えながら周回が進むが、13週目にフォルガーがトップに立ってからは、徐々にザルコとの差を広げ、そのままトップでゴールし、初優勝を飾った。ザルコは、3.8秒差の2位。
3位争いは、ビニャーレスとファウベル、マーチンの間で展開されていたが、マーチンがコースアウト。ビニャーレスが転倒し、ファウベルが表彰台を獲得した。
以下、サロム、バスケス、マーチン、コルテセ、テロール、コーンフェイル、ケントまでたトップ10入りした。
チャンピオンシップは、テロールが128ポイントで依然トップを維持。2位は、35ポイント差でフォルガーとなっている。
1. ジョナス・フォルガー Aprilia 43'48.862
「信じられない。すごく長く、厳しいレースだった。サスペンションが上手く機能せず、序盤はあまり自信がなかった。ザルコが僕よりも速かったから、頑張って追いかけた。彼の走りを研究したけど、終盤は僕の方が速くなり、抜いてからは、優勝を確実にするために、全力でプッシュした。」
2. ヨハン・ザルコ Derbi +3.885
3. エクトール・ファウベル Aprilia +14.951
4. ルイス・サロム Aprilia +17.164
5. エフレン・バスケス Derbi +17.403
6. アドリアン・マーチン Aprilia +19.236
7. サンドロ・コルテセ Aprilia +21.609
8. ニコラス・テロール Aprilia +25.167
「ウォームアップ走行の感触は楽観的だったけど、サイティングラップで何かが機能しないことに気づいた。グッドなスタートで、トップに飛び出したけど、フィーリングは朝の走行とは全く違っていた。アクセルに触れる度に、リアが大きく滑ってしまい、何度も転びそうになった。レースが永遠に続くような感じだった。とにかく、チャンピオンシップを考えて、数ポイントを稼ぐことに集中した。」
9. ヤクブ・コーンフェイル Aprilia +32.345
10. ダニー・ケント Aprilia +32.971
ポイントスタンディング
1 ニコラス・テロール アプリリア 128
2 ジョナス・フォルガー アプリリア 93
3 ヨハン・ザルコ デルビ 83
4 サンドロ・コルテセ アプリリア 81
5 エフレン・バスケス デルビ 68
6 マーヴェリック・ビニャーレス アプリリア 65
7 エクトール・ファウベル アプリリア 48
8 セルジオ・ガデア アプリリア 36
9 ルイス・サロン アプリリア 35
10 アドリアン・マーティン アプリリア 30
監督クラス
ウィルコ・ズィーレンベルグ (ヤマハ・ファクトリーチーム・マネジャー)
「今日のコンディションは非常に難しかった。ホルヘは最初の3ラップまで、リアグリップが十分に効いていなかったようだ。5、6周してからようやく少しずつ良くなってきたので、ドビジオーゾを追い詰めて仕掛けていったが、無理がかかったのかハイサイドを起こしてしまった。それでハンドルバーを飛び越えて転倒し、不運にもそれでレースを終えることになってしまったのだ。これは私がチームに来てから初めてのDNF。そしてホルヘにとっては25戦ぶりのリタイアだ。そしてランキングトップの座を奪われ、逆に18ポイントの差をつけられることになってしまった。しかし、これからのことは何もわからない。まだ12戦も残っているのだから、まずは次のアッセンに期待したい」
マッシモ・メレガリ (ヤマハ・ファクトリーチーム・ディレクター)
「このような結果はまったく予想していなかった。ベンもホルヘも、そしてそれぞれのチームクルーたちもみな、懸命に頑張ってきた。そしてウエットでもドライでもセッティングを完成させ、予選で好位置を獲得することができたというのに。しかし今日のコンディションは予想以上に難しいものになり、両ライダーが転倒して再スタート不可能という展開になってしまった。
ホルヘは怪我がなかったのですぐにガレージに戻ってくることができたが、ベンのほうはメディカル・センターに運ばれ、背中と首の検査を受けた。最終的には問題なしの判断が出たので、ふたりともリタイアに終わったとは言え、怪我なくここを離れられることは幸いだった。今日のことは早く忘れて、2週間後のアッセンに照準を合わせていく。そしてバルセロナからの好調をつなげたい」
エルベ・ポンシャラル (モンスター・ヤマハ・テック3チーム監督)
「コーリンは本当に素晴らしかった。鎖骨を骨折して、手術をして1週間しか経っていないライダーが表彰台を獲得するなんて、そんな奇跡には誰も金を賭けようとはしないだろう。ところが予想を覆してコーリンはヒーローになり、モンスター・ヤマハ・テック3チームにとっても忘れられない一日になった。昨日はカルが転倒し、決勝欠場が決まって落胆した。しかし今日はコーリンが、チームのみんなに笑顔を取り戻させてくれたのだ。彼は速かっただけでなく、非常に勇敢だった。数週間前のヘレスでは、同じような状況の中で惜しくも表彰台を逃していた。
そしてカタルニアでは怪我をしてしまったわけだが、そんな時は家に帰って休んでいれば楽なのに、決して休もうとはせず、何よりもチームのために走り続けたのだ。
しかもレースを楽しみ、レースへのモチベーションの高さを見せてくれた。そんな彼を、私は心から尊敬する。痛みはひどかったはずだが、一言も文句を言わずにいつもと同じようにウイークを過ごした。そして難しいコンディションのなかで多くのライダーが転倒するなか、コーリンはまったくミスをせず最高の走りを見せた。しかしカルのことを考えれば、手放しで喜べるような状況ではない。欠場は残念だったが、彼もかなりの頑張り屋なので、前よりもさらに強くなって戻ってくると信じている。ホームレースを何としても走りたかった気持ちはよくわかるが、コーリンの早い回復を見て励みになっているに違いない」
辻 幸一 (MS開発部 MotoGPグループリーダー)
「ヤマハ・ファクトリー・レーシングにとっては、非常に厳しいレース結果となってしまいました。ドライ、ウエットセッティングとも決まっていただけに、両ライダーとも転倒しリタイアしてしまったことは非常に残念でなりません。一方、右鎖骨骨折が十分回復していないにも関わらず、モンスター・ヤマハ・テック3のコーリン選手が見事な走りで3位表彰台を獲得したことは優勝にも値すると思います。今回の反省をしっかり行い、次回オランダ・アッセンではヤマハの活躍を皆様にお見せできるよう一同頑張りますので引続き応援の程宜しくお願いいたします」
中本修平 (Repsol Honda Team チーム代表)
「今日はとても難しいコンディションでした。雨と風と寒さ、こういうときはライダーのがんばり以外のなにものでもなく、ケーシーとアンドレアには感謝したいです。今日はウオームアップで、雨のレースに向けて細かい調整をしましたが、それも結果につながりました。ケーシーは、序盤の5周くらいはタイヤが温まらず難しかったと言っていましたが、それからは順調にラップを刻めていました。アンドレアは、ウオームアップの調整でブレーキングがすごくよくなり、それが好結果につながりました。チームの総合力で獲得した表彰台でした。マルコは残念でした。特別攻めていたわけじゃないようですが、フロントから転んでしまったようです。マルコが転ばなければ1-2-3フィニッシュを達成できたので残念です。今回の優勝でケーシーは総合首位に立ちました。次のオランダも勝てるように全力を尽くしたいです」
ポール・デニング (スズキ・チーム、マネージャ)
「アルバロはとてもよく頑張った。また、雨のひどいコンディションの中でアルバロに自信を持たせるマシンセッティングを行ったチームについても評価したい。実際に公式練習やウォームアップ走行時よりも水溜りが多く、わずかなミスがトラブルにつながるレース初盤でアルバロは慎重だった。そして自分のリズムを見つけてからは、素晴らしく安定していて、クラッシュしないスピードバランスを上手くキープしていた。開幕以来これまで何かと厳しい道のりだったが、ようやく怪我以前の本来のアルバロの実力が発揮されたレースだった。次のアッセンではさらに良い結果を期待したい。」
ヴィットリアーノ・グアレスキ (Ducati MotoGP Team Manager)
「非常にチャレンジングな週末だったが、チームとしては上々のリザルトが得られた。ニッキーは非常にいい走りを見せてくれた。序盤のヒヤリとする場面がなかったら、もっと上位でフィニッシュできていたはずだ。あれほどのハイサイドを経験すると、再びリズムを取り戻すまで時間がかかるものだし、スピーズ(ベン)とエドワーズ(コーリン)の先行を許すことになった。終盤は誰よりも素晴らしいライディングを披露したものの、すでにギャップが大きすぎた。いずれにしても、ニッキー好みのレインセットアップが見つかったので、彼自身もいいフィーリングで乗れたようだ。一方、バレンティーノは良いフィーリングが得られないまま、チェッカーまで走行することになってしまった。なぜ今回のレースだけそのような事態になったのか、しっかりと原因を究明する必要があるだろう。そのうえで、開幕戦から継続してきた上昇トレンドに戻りたい。」
ブリジストン
堀尾直孝 (ブリヂストン モータースポーツ推進部長)
「今日のような苛酷なレースを制して優勝を飾ったケイシーは、チャンピオンシップでもランキングトップに立ちました。これはまさに、ケイシーとレプソル・ホンダが発揮した総合力の賜物です。また、チームメイトのアンドレアも2位表彰台を獲得し、素晴らしいレースウィークになりました。先週金曜に負傷をしたコーリンが、今回のレースで早速復帰して3位表彰台を獲得し、高水準の走りを披露したのも素晴らしいことです。さらに、今回のレースで我々が使用したピット設備を、イギリスGPに間に合うよう竣工したシルバーストーンサーキットの皆様にも、お祝いを申しあげたいと思います。モータースポーツの世界が誇るべき、素晴らしい設備だと思います」
浜島裕英 (タイヤ開発第2本部フェロー)
「まずはじめに、今日のレースは、コースじゅうのいたるところに水たまりができあがる、非常に難しいコンディションであったことを説明しておかなければならないでしょう。水しぶきの量を見れば、路面の濡れ具合も容易に推測がつくのではないかと思います。トップ争いをしていた3選手が転倒した事実を見ても、ミスを誘発しやすい状況だったことがわかるでしょう。そんな状況でも、ケイシーは水量が多いレース序盤から高水準のラップタイムを刻んでいたことは、非常に印象的です。レース終盤には雨の勢いが弱まり、水たまりの水量も減ってきたことから、ラップタイムが向上してゆきました。が、すでにこのころには、トップを走行している選手たちはそれぞれ後続との距離を開いて安全圏に入っていました。
今日のレースで我々のウェットタイヤが発揮したパフォーマンスには満足をしています。冷たいフルウェット状態のなかで、周回を重ねるにつれ汚れが激しくなってゆく水に対して適切に対応し、ラップタイムも安定をしていました」