京都、壬生の屯所の近くの一見普通の家に見える料亭の一室。京都は山に囲まれた盆地で夏は、くそ暑い、引き戸は開けっ放しになっているが風ひとつ無く空気は淀んでいる。
頭山は贔屓の芸者と酒を呑んでいた。
「満っつぁん、あんたはんの腕に大きな蚊がとまっておりますえー」芸者が言った。
普通はここでパシンと叩く。ところが頭山は
「蚊は朝生まれ夕べには死ぬ可哀そうなヤツよ。俺の血をいっぱい飲ませてやらう。蚊に俺の血を吸われたくらいでおりゃなんともないよ。」と頭山は言って暫く蚊を静かに見守っていた。すると蚊は腹いっぱい頭山の血を吸うとまん丸になり動けなくなった。それを頭山は軒下の山茶花の葉っぱの上に移してやった。
この男は蚊にも気を使っているのだ。
わたしもこの話しには関係ないのだがただ単に生物学的興味で去年の夏、おんなじことをやってみた、その時わたしはビールを飲んでいた、吐く息の炭酸ガスですぐに蚊が集まってきてわたしの血を吸い始めたすると1分10秒でまん丸になった、これは結構、忍耐がいりますね。蚊にしてみれば、いつ飛んでくるかわからない人間の手か、牛の尻尾で殺されるリスクを犯してまで食事をしているんですね。
頭山は贔屓の芸者と酒を呑んでいた。
「満っつぁん、あんたはんの腕に大きな蚊がとまっておりますえー」芸者が言った。
普通はここでパシンと叩く。ところが頭山は
「蚊は朝生まれ夕べには死ぬ可哀そうなヤツよ。俺の血をいっぱい飲ませてやらう。蚊に俺の血を吸われたくらいでおりゃなんともないよ。」と頭山は言って暫く蚊を静かに見守っていた。すると蚊は腹いっぱい頭山の血を吸うとまん丸になり動けなくなった。それを頭山は軒下の山茶花の葉っぱの上に移してやった。
この男は蚊にも気を使っているのだ。
わたしもこの話しには関係ないのだがただ単に生物学的興味で去年の夏、おんなじことをやってみた、その時わたしはビールを飲んでいた、吐く息の炭酸ガスですぐに蚊が集まってきてわたしの血を吸い始めたすると1分10秒でまん丸になった、これは結構、忍耐がいりますね。蚊にしてみれば、いつ飛んでくるかわからない人間の手か、牛の尻尾で殺されるリスクを犯してまで食事をしているんですね。
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