2007年2月18日米本土以外で初めて最新鋭ステルス戦闘機が沖縄嘉手納基地に配備された。
自衛隊と在日米軍は今年1月末から2月初旬、共同図上演習《キーン・エッジ》(鋭い刃)を実施した。
北朝鮮のミサイル攻撃に対し日米がミサイル防衛システムで防御するシナリオだ。数日間で発射された北朝鮮のミサイルは計150発。そのうち約1割が日本本土に着弾し日本側の被害はみるみる拡大していった。
演習後、防衛省幹部はしみじみと漏らした。
《やはり、守るだけでなく、北朝鮮のミサイル発射基地を攻撃しないと駄目だ》日本は「専守防衛」を防衛政策の基本方針にしている。日米同盟の下、自衛隊は防御に徹する一方、北朝鮮への攻撃は米軍に依存する。日米が「盾と矛」の役割を分担する。
2004年12月、防衛研究所が当時の石破茂防衛長官の指示で「大量破壊兵器を搭載の弾道ミサイル(:核ミサイル)の脅威下における専守防衛のあり方」で《北朝鮮ミサイル発射基地攻撃》の選択肢を極秘裏に検討していた。
◎ 報告書の内容
中距離弾道ミサイル・ノドンの移動式発射装置を攻撃目標に設定。
「トマホークなどの巡航ミサイル」と「戦闘機による空爆」の2種類の攻撃方法を比較検討した。
その結果、時速20㌔程度で素早く移動するミサイル発射装置の攻撃には、①発射後の目標変更に制約のある巡航ミサイルでは困難。②パイロット自らが攻撃目標を確認出来る戦闘機による誘導型ミサイルなどが有効―と分析した。さらに、戦闘機で北朝鮮領空に侵入するには危険が伴うため、レーダーに捕捉されにくい最新鋭ステルス戦闘機《F22ラプター》が『最善』との判断を示した。
このときは、費用対効果、近隣国の警戒などの問題点を挙げデメリットがあるとした。しかし、従来は議論を避けてきた問題を政府機関が本格的に検討に入ったという点で全く画期的だ。
今現在、報告書の作成に携わった関係者は、「核兵器のような大量破壊兵器が日本の脅威になった今、北朝鮮ミサイル発射基地攻撃の具体的な選択肢を検討するのは当然だ」と語る。
やっと当たり前なことを当たり前に議論するようになり始めるのかなぁ。
今後の焦点は、同盟国の米国との調整だろう。
北朝鮮ミサイル発射基地攻撃には、事前に目標の位置を探るため、高精度の偵察衛星や、上空から地上監視の無人偵察機の情報を得ることも必要、また、日本単独北朝鮮攻撃には、もちろん限界がある。いずれにしても米軍との緊密な連携が欠かせない。
『核保有論議、非核三原則の見直し、敵基地攻撃能力の検討―。万全な戦争抑止力の確保には、タブーにとらわれない安全保障の議論が必要な時代をいままさに迎えている』
自衛隊と在日米軍は今年1月末から2月初旬、共同図上演習《キーン・エッジ》(鋭い刃)を実施した。
北朝鮮のミサイル攻撃に対し日米がミサイル防衛システムで防御するシナリオだ。数日間で発射された北朝鮮のミサイルは計150発。そのうち約1割が日本本土に着弾し日本側の被害はみるみる拡大していった。
演習後、防衛省幹部はしみじみと漏らした。
《やはり、守るだけでなく、北朝鮮のミサイル発射基地を攻撃しないと駄目だ》日本は「専守防衛」を防衛政策の基本方針にしている。日米同盟の下、自衛隊は防御に徹する一方、北朝鮮への攻撃は米軍に依存する。日米が「盾と矛」の役割を分担する。
2004年12月、防衛研究所が当時の石破茂防衛長官の指示で「大量破壊兵器を搭載の弾道ミサイル(:核ミサイル)の脅威下における専守防衛のあり方」で《北朝鮮ミサイル発射基地攻撃》の選択肢を極秘裏に検討していた。
◎ 報告書の内容
中距離弾道ミサイル・ノドンの移動式発射装置を攻撃目標に設定。
「トマホークなどの巡航ミサイル」と「戦闘機による空爆」の2種類の攻撃方法を比較検討した。
その結果、時速20㌔程度で素早く移動するミサイル発射装置の攻撃には、①発射後の目標変更に制約のある巡航ミサイルでは困難。②パイロット自らが攻撃目標を確認出来る戦闘機による誘導型ミサイルなどが有効―と分析した。さらに、戦闘機で北朝鮮領空に侵入するには危険が伴うため、レーダーに捕捉されにくい最新鋭ステルス戦闘機《F22ラプター》が『最善』との判断を示した。
このときは、費用対効果、近隣国の警戒などの問題点を挙げデメリットがあるとした。しかし、従来は議論を避けてきた問題を政府機関が本格的に検討に入ったという点で全く画期的だ。
今現在、報告書の作成に携わった関係者は、「核兵器のような大量破壊兵器が日本の脅威になった今、北朝鮮ミサイル発射基地攻撃の具体的な選択肢を検討するのは当然だ」と語る。
やっと当たり前なことを当たり前に議論するようになり始めるのかなぁ。
今後の焦点は、同盟国の米国との調整だろう。
北朝鮮ミサイル発射基地攻撃には、事前に目標の位置を探るため、高精度の偵察衛星や、上空から地上監視の無人偵察機の情報を得ることも必要、また、日本単独北朝鮮攻撃には、もちろん限界がある。いずれにしても米軍との緊密な連携が欠かせない。
『核保有論議、非核三原則の見直し、敵基地攻撃能力の検討―。万全な戦争抑止力の確保には、タブーにとらわれない安全保障の議論が必要な時代をいままさに迎えている』