フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

散歩通勤 [058]

2006年03月13日 | 散歩の迷人



          散歩通勤 


 玄関を飛び出せば、わが家の庭と云われる代々木公園までは歩いて分くらいで到着する。
 庭に出るまでに分もかかるのか?と突っ込まれそうだが、それほど我が家は広くないので安心してほしい。
 庭に出るまでの敷地内に鉄道(小田急線と千代田線)を敷いたり、駅(代々木八幡と代々木公園)や商店街を作ってしまった関係でそんな風になってしまったのだ、とそのように解釈していただきたい。



                              
 


 家を出るのはだいたい時半くらいだが、会社へは10時半に出社すればよい。
 雨の日などは小田急~JR経由で約25分の通勤最短コースを選ぶのだが、そうでない日は基本的に朝の時間は主にチンタラ散歩しながらパセオをめざす。
 朝一番のBGMはバッハ、ときどきモーツァルトだ。
 いろんな散歩通勤コースがあるのだが、ともあれ代々木公園に直行というパターンが近ごろは多い。空気はいいし景色はいつでも爽やかだ。


             
     


 広い園内にもいろんなコースがあるわけだが、必ず通りたいのが両側に噴水のある池にちょこんと架かる可愛らしい木橋だ。
 全体にとりとめのない感じの代々木公園に絶妙なアクセントを与えているのがこの小橋というわけで、この上から噴水をゆっくり眺める余裕がない時の俺は要注意であると、長年の経験から私はそう心得ている。



          


 天までは届かぬものの、なかなか威勢のいい噴水だ。すぐにしおれてしまうところが難点だが、すぐにまた威勢がよくなる。まるで江戸っ子の一喜一憂のようで、毎度私は赤面する。


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 さて、本日朝イチのBGMは最近のお気に入り、オーボエのマイヤーによる『バッハ・アルバム』だ。


                
    『アルブレヒト・マイヤー/バッハ・アルバム』
            (ドイツ・グラモフォン/2002年録音)


 バッハの美しい旋律を選りすぐって、オーボエ主役の弦楽オケ伴奏という編曲で聞かせる内容だ。
 この手の名曲アルバムというのは、通常やっつけ仕事になりがちで、内容的にはまず九割以上失敗する性格のものである。
 当然その覚悟でこの輸入盤を買った私は、ものの見事にその期待(?)を裏切られることになる。

 このオーボエ兄ちゃんがハンパでない上手さなのだ。見れば若いのにベルリン・フィルの首席奏者とある。うめーはずだよ。
 その上、この手のアルバムが陥りやすい安易な妥協とはまったく無縁の緊張感で、一曲一曲じつに丁寧に演奏(アレンジも)されている。
 全体は瑞々しいセンス感に貫かれており、肝心の音楽には強靭な腰があるのだ。
 いやまったく油断もスキもありゃしない。こういうことがままあるからCD買いには金も時間も惜しむことが出来ないのだ。

 あんまり凄いので、モーツァルトのオーボエ協奏曲(2004年録音)も入手したらこれまた凄い。音楽の成熟度がハンパじゃないのだ。ま、ひと言で云えば、実に気持ちいい音楽を飽きさせずに聞かせる奏者、ということになるだろう。

 アルブレヒト・マイヤー。
 注目のオーボエ・プレーヤーである。