フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2015年06月②

2015年06月01日 | しゃちょ日記

 

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2015年6月30日(火)その2180◆遅っ

まいど楽しみになってきた、ご近所名医の腰痛治療も今日で六回目。
通い始めて三週間、なんと痛みが70%減った。
歩いても痛くない人生があったことを、しみじみ想う昨今。

どの道もうすぐ死ぬんだからと、
若い頃から身体のケアなどまったく無関心だった。
だが皮肉なことに、六十過ぎてもまだクタばる気配もねーので、
ようやくそこに目が向いた、遅っ。

生涯現役とは云い切れねえが、お役に立てる内は、
やりゃあやるほどおもろいパセオの仕事を続けたい。
じじいになって、ようやく大人になってきた、遅っ ( ̄▽ ̄)

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2015年6月30日(火)その2179◆同期のサクラ

あの全国学生フラメンコ連盟フレスポンの生みの親。
フラメンコの舞台なら何でもこなすスーパー現場監督。
もちろん唄って踊ってギターも弾くし、パルマも叩けばハレオも絶品!
『日本フラメンコ超人・変人列伝』にゃあ必ずベストテン入りする男だ。
そう、あのチョー問題児・間瀬弦彌(ませ・げんや)、突然の来社。

カメラ出身で同期の彼とは、すでに36年の付き合い。
出会いは24歳の生意気盛り。
めっちゃ気が良くて、命知らずの特攻隊のごときナイス・タフガイ。
金や権威にゃあテコでも動かぬ大バカ頑固野郎。
あの頃の最前線どたばたエピソードはおそらく千を超える。

今日も用もねーのに嵐のようにやって来て、
例によってマシンガントークをかまし、
嵐のように去って行った(笑)

当時の私は若手三流プロデューサー、
一方の彼はオールマイティな現場ディレクター。
互いに五十まで生きるとは思ってなかった戦友なので、
顔合わせるだけで、もう笑いが止まらなくなっちまうわけ(笑)

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2015年6月29日(月)その2178◆未来設計

現代において、テロや戦争はほとんどの人にとって不利益だ。
たしかに人間は退屈な平和や理不尽な格差に我慢できない生き物だが、
文化レベルと反比例するかのような兵器の進歩が、
地球全体を簡単に滅ぼすことだけは知っている。

われらニッポンの意志として、国防予算をほぼ丸ごと海外援助予算に移行させ、
〝教育〟を中心軸に世界中の貧困地域を徹底的に援助する。
その具体的計画を世界中に決意表明し、20年かけてこれを実現する。
実際的には案外と余計に金のかかるメルヘンだが、
これによって日本の国際的信頼を確立し、
あらゆる国々からの攻撃を放棄させる国防システム。
ネット時代とは、例えばそういうことではなかろうか。

むろん一笑に付されるおめでたヴィジョンだろうが、
現実世界の大失笑ナンセンスぶりよりは遥かに筋がいい。
国民投票なら、迷わず私はここに一票。
今のところはこれ以外、後輩たちを守る具体的手段が視えない。
添付の楽譜はその設計図。

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2015年6月28日(日)その2177◆バランスの楽しみ

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東京下町のひなびた風情を、
やわらかな夕暮れが包みゆく車窓。
美しいスローモーションにきゅんと胸が揺れる。

都電というタイムマシーンから眺める街々は、
どこかのんびり親しげなメロディを醸し出し、
国電(最近はJRともいう)から眺めるそれとは随分違う。

せっかちな江戸っ子のくせして、
安定して低い目線のぼちぼち走行が、
実は心底好きだったりする。
ああ、〝バランスを楽しむ〟とは、
こーゆーことかと、じんわり分かってくる。

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2015年6月28日(日)その2176◆パセオ見学

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日比谷公園と私の故郷を往復した都電25番線。
江戸川区と江東区を結ぶ、懐かしの中川を渡るその勇姿。

廃線となった1968年、私は中学二年。
すでに将棋のプロ棋士をめざしていたから〝都電の運転手〟という
将来の選択肢は消えていたが、あれだけ好きだった都電だけに、
そっちを目指していたらどんな人生になっていたかを想像するのは楽しい。

鉄道学校にでも入って、ただひとつ残った都電荒川線
(早稲田⇔三ノ輪)運転手の職を得る。
ワンマン電車だから、性格的にもピッタシだ。( ̄▽ ̄)

都電の寝床である荒川車庫のそば、
あるいは親戚の多い王子あたりに住むのかな。
いや、昭和の温床たる終点・三ノ輪も悪くない。
懐かしい風情の雑司ヶ谷あたりならパセオ編集部も近い。
そうだっ、今度の運転非番にでも、どんな間抜け野郎が
パセオフラメンコ出してるのか見に行ったろう(笑)

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2015年6月27日(土)その2175◆汗

自嘲自笑。
いやはや、ここまで来るとホントに凄いね。
自分たち民族をここまで自ら笑えるユダヤ人ジョーク。
つまりこれが、客観できる強さということなのだろう。
そう、例えばこんな傑作。

一代で成功した大金持ちのユダヤ人。
いよいよ死期の迫ったベッドにて、肉親たちとユダヤ教の僧にこう云う。
「私はずっと敬虔なユダヤ教徒だったが、もしかするとユダヤ教の神は、
 本当の神ではないかもしれない。
 なので、カトリックとプロテスタントとイスラム教と仏教の僧も呼んで、
 皆で天国に行けるようにお祈りしてほしい」

なじみのユダヤ教の僧も、これには反対できない。
大金持ちの老人は五人の僧に、それぞれ3万ドルの大金を現金で与えるが、
息を引き取る寸前、彼は五人の僧にこう頼む。
「天国に行く途中で金が必要かもしれないから、
 私が死んだら、皆それぞれ5千ドルずつ棺に入れてほしい」

やがて彼は息を引き取り、ユダヤ教の僧を除く四人の僧は
約束通り次々と棺の中に5千ドルずつ現金で納める。
最後となったユダヤ教の僧はポケットから小切手帳を取り出し、
「2万5千ドル」と書いた小切手を棺に納め、
おつりの2万ドル(5千ドル×4人分)の現金を棺から取り上げ、
自分のポケットに納めた。     

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2015年6月26日(金)その2174◆カニサレスのアランフェス

日本のお茶の間でもすっかりお馴染みになっちゃった(笑)、
マエストロ・カニサレスのアランフェス協奏曲!

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いよいよ9/26(土)18時開演、すみだトリフォニーホール。
第一部アランフェス(&新日本フィル!)、
第二部はバイレ&カスタネット入りフラメンコカルテットで、
ともに抜群のクオリティ間違いなし!
バカ売れの気配に急きょパセオでもS券(6,500円)数十枚確保。
希望の方は、http://www.paseo-flamenco.com/926.php

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2015年6月25日(木)その2173◆〝たかり〟と〝ゆすり〟

「編集部の二軒となりの行きつけ、メチャ旨の焼き鳥〝大吉〟。
 半生のレバ焼などは絶品で、船越英一郎風マスターの
 仕入れ・腕前・性格等は大吉かと思われる。
 てなことをフェイスブックに書いたら三本おまけしてくれた。
 そう、これを読ませてもう三本せしめる魂胆!」

とまあ、パセオの編集後記にこう書いた。
読み筋どおり私の野望はめでたく成就したのだが、
これは〝たかり〟なのだろうか、
それとも〝ゆすり〟なのだろうか?

ふと想い出すのは、上原〝秀〟時代の呑み友。
いまもFBつながりの彼女は、凄腕のフラワーデザイナー。
十数年ほど前、初対面のその高木ユカリはこう自己紹介した。

       「たかり・ゆすり と申します」

                       ( ̄▽ ̄)

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2015年6月24日(水)その2170◆徳永兄弟の特等席

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ふたり合わせて〝健康〟だいっ!

来月7/9(木)のパセオフラメンコライヴは、
いよいよフラメンコギターのニューヒーロー徳永兄弟(健太郎&康次郎)が登場する。
現在予約は20名程度なので、まだ特等席はゲットできる状況。
(昼☎03-3383-0246/夜☎03-3316-9493)
出来れば〝はばたけ徳永兄弟!〟と叫びながら、景気よく☎予約してほしい。
以下はパセオフラメンコ最新号からの引用。

「水を得た魚のよう」        
弟・康次郎は水であり、兄・健太郎は魚である。
康次郎の冷静な俯瞰性と、健太郎の明快な躍進性。両者は分厚い信頼性で結ばれ、
危ういところがひとつもない安定性抜群のスピード違反コンビ。
いまを時めくフラメンコギターの徳永兄弟の、その父はギターの徳永武昭、
母はバイレの小島正子。このフラメンコ界のサラブレッドたちには、
むろん課題も多々あるが、それらが彼らの伸びしろに吸収されるのは時間の問題だ。
課題の解決は新たな課題を産むだろうが、止まることなく
彼らは嬉々としてそれら解決に挑み続けるだろう。
この春の徳永兄弟フラメンコギターライヴ(目黒・東京倶楽部)は、
予想通りスリリングな快感に充ちあふれていたが、
その延長線上にくっきり視える光ある未来のイメージがいかにも頼もしい。
以下は今回ライヴについて、彼らのセルフ・プロモーション。

健 これまでのパセオライヴでは踊りや歌がメインでしたが、今回僕たちはフラメンコをギターだけで聴かせます。これまでアルマフラメンカとして、また徳永ギターデュオとして様々な作品を創ってきたのですが、今回はギター二本だけでよりシンプルにギターの生音を存分に楽しんで頂こうという趣向です。
康 この時点でプログラムは、実はまだ決まってないんです(笑)。基本ギターデュオですが、パルマには入ってもらうかもしれません。
健 ギター二重奏がメインで、それぞれソロも弾く予定です。会場のエスペランサは生ギターの反響がとてもきれいなタブラオなので、今回は音圧の高い楽器はナシにして生音響を活かします。
康 今日はしんみりギターの音色を楽しみに行こうかな、みたいな気楽なノリで出掛けてほしいです。
健 あ、でも僕ら、しんみりした曲ばかりを弾く人たちではないので(笑)、ノリノリな曲や僕たちなりのアレンジを効かせたフラメンコの完全オリジナル楽曲を披露します。作曲面では最近、ゴリゴリのフラメンコから少し離れて、まずは誰もが聴きやすく構えずに聴ける曲にもチャレンジしています。
康 本場スペインと同じスタイルのギターソロコンサートです。なのでカヴァーなどは入れない全曲オリジナルってとこは重要。フラメンコギターで徳永兄弟がやりたいことを、必ず分かっていただける内容です。
健 生ギターだけのライヴはこの先しばらくないので、この機会にぜひアコースティックな響きを楽しんでください!

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2015年6月23日(火)その2169◆カニサレスも脇役出演

カニサレス夫人でもある小倉真理子は、
心から信頼できるフラメンコの大切な仕事仲間。

その真理子が登場する、今晩の爆笑問題『世界の日本人妻は見た』。
ふだんこういうのはまったく観ないんだが、こりゃまったく場合が違う。

本日19時56分、TBSテレビ。

19時にはパセオを上がって、となりで焼き鳥買って、ひとっ風呂浴びて、
19時55分にはテレビの前で正座の段取りだよん。

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2015年6月22日(月)その2168◆奇行のタイプ

「なんで下半身出してるんですか」
「今日はちょっと痒かったから」

70歳おじいちゃん、現行犯逮捕の今朝のニュース。
この心理は分からんけど、誰しも奇行のひとつやふたつはある。
周囲の迷惑や犯罪にならないタイプの奇行ならば、それは幸いと云うべきなのだろう。

じゃあ、おれの奇行ってなんだろう?って考える。
幸いとっ捕まり系は無さそーだが、充分おかしいことだけは分かっている。

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2015年6月22日(月)その2167◆独りフラメンコ鑑賞

きょう小林伴子さんの出演が決まり、
とりあえず第021回まで組めた〝パセオフラメンコライヴ〟。
佐藤浩希、工藤朋子、萩原淳子の各氏は日程調整中。
       
ワンドリンク付3900円、休憩なし70分で
〝独りフラメンコ観賞〟の客層開拓を睨むシリーズ企画。
「惚れたアートは自分で育てろ」は十代からの生活信条。
「口は出すけど金は出さない」大人たちを見過ぎてそのよーに屈折した ( ̄▽ ̄)。
通しナンバーを3桁にしたのは、プロデューサー自身
こうした贅沢ライヴを生きてる内に最低100回観たいから。
         
次回7/9(木)徳永兄弟ギターライヴは
人気・実力抜群であっても絶賛空席中(笑)、今なら特等席がゲットできるよ!
メール予約は、 selva@tablaoesperanza.com 

2015年
Vol.006 07/09(木)徳永健太郎&徳永康次郎(ギター)
Vol.007 08/13(木)矢野吉峰(踊り)
Vol.008 09/10(木)大沼由紀(踊り)
Vol.009 09/24(木)ディエゴ・ゴメス(歌)&エミリオ・マジャ(ギター)
           森田志保(友情出演/踊り)
Vol.010 10/08(木)今枝友加(歌/踊り)
Vol.011 11/12(木)荻野リサ(踊り)
Vol.012 12/10(木)石塚隆充(歌)
Vol.013 12/22(火)エル・プラテアオ(歌)&エミリオ・マジャ(ギター)
           鈴木敬子(友情出演/踊り)
2016年
Vol.014 01/14(木)中田佳代子(踊り)
Vol.015 02/11(木)屋良有子(踊り)
Vol.016 02/25(木)小林伴子(踊り/カスタネット)
Vol.017 03/10(木)森田志保(踊り)
Vol.018 03/24(木)渡部純子(踊り)
Vol.019 04/14(木)大塚友美(踊り)
Vol.020 05/12(木)小島慶子(踊り)
Vol.021 06/09(木)鈴木敬子(踊り)

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2015年6月21日(日)その2166◆おつカレー

本日カレー。
NHK将棋の前に仕入れ仕込みをすませ、観戦しながらコトコト煮込む。
製造学習歴42年、おれのカレーはチョー旨えぞっ!
インド人もびっくり!(←昭和三十年代のテレビCM)

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2015年6月20日(土)その2165◆内藤信フラメンコギターライヴ

パセオ9月号の公演忘備録初稿。

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内藤信フラメンコギターライヴ
2015年6月17日(水)/東京(高円寺)エスペランサ

「特等席用意するから聴きに来いよ」
 押しつけを嫌う三十年来の親友・田代淳(エスペランサ社長)がそう云うからには必ず理由がある。ソロライヴは初だという内藤信(ないとう・まこと)は、2007年協会新人公演ぶっち切り奨励賞に輝くフラメンコギタリスト。プロの仲間内における技術性・音楽性の評価は極めて高く、抜群のセンスと技巧を発揮する逸材だが、そのわりに知名度がイマイチなのは、自分を売り込むのが苦手そうな無欲で飄々とする彼のキャラクターに起因するものだろう。田代が私を招いた意図は、一発目の演奏を聴いた時点で分かった。もう若手とは呼べない内藤(1973年・北海道出身)だが、ダンディなギターソロのクオリティは間違いなく日本屈指の水準に達していたのである。

 強靭な左手テクニックと右手の繊細なタッチから生まれる美音は彼の最大の特性だろう。まるでシルクのように滑らかにつながるフレージングは、しなやかにして艶がある。目覚ましい速弾きスケールの中にも豊かな絵心・歌心がある。奏法的にはビセンテ・アミーゴの影響なのか。伸びやかで推進力のあるコンパスは潔く逞しい。コテコテ・バリバリのフラメンコではないし、ウケ狙いもやらない。彼は極めて高い美意識と冒険心とで自らのオリジナル・フラメンコを追及する。シャイにして決して媚びることのない硬派なのだが、その音楽はなぜか印象派の美しい水彩画を連想させる。

 第一部はタランタ~ソレア、ガロティン、ブレリアの三曲。第二部はブレリア、ルンバ、グアヒーラの三曲。アンコールはペテネーラ。合計で七曲弾いたが、曲想、和声、ファルセータなどの色彩や引き出しが実に豊富で、まるで飽きさせることがない。せめてあと一時間くらい聴いていたいという想いを募らせる生音ギターソロだった。

 ギタリスティック(ギターの特性を活かす)なギタリストだがそこには〝我〟が希薄であり、クラシックやジャズ系マニアを一撃で唸らせる音楽家でありながら、いわゆる一般ウケは狙わない。そこに確信犯的な彼の音楽的良心を痛感するのだが、「本当にそれで正解なのか?」ともう一人のミーハーな私が突っ込む。この先も定期的に同様なライヴを開催してゆく予定(次回は年末)というから、余計なツッコミを入れながら(本誌しゃちょ対談に登場してもらうとか)、ギタリスト内藤信に注目してゆきたい。

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2015年6月19日(金)その2164◆オマケしてね

「はい、一所懸命やります」

スポーツでもアルテでも、こんなふうにプロの人たちが発言するのを耳にすると、
以降その人の芸にまるで関心が持てなくなる上に、
じんましんが出そうなくらいに心が痒くなって困る。
せめて例えば「一所懸命を楽しみます」ぐらいにオマケしてほしい。

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2015年6月19日(金)その2163◆パニック予防

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朝からカマロン。
バックはパコ・デ・ルシア。
さあ、気合い入れて行こうかあ!

(↑)主に、ぎりぎり一杯いっぱいの時に出る症状

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2015年6月18日(木)その2162◆文章の書き方

「男だったら親友、女だったら恋人。そこしか狙ってませんよね、先輩の文章」

いまさら何云ってんだよオメー、それ以外に書くことあんのかよっ?!

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2015年6月17日(水)その2161◆来週火曜は正座でテレビ

ラブラブ真理子(&カニサレス)、
いよいよ来週火曜日(19時56分)放映!
随所にマエストロも脇役(笑)で登場とのこと。
この日ばかりはすべての誘惑を断ち切り、テレビの前で正座だよん!

http://www.mbs.jp/japa-zuma/

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2015年6月17日(水)その2160◆フィーバー

ややっこしい実務に区切りをつけ、
今晩は内藤信(まこと)のフラメンコギターソロにどっぷり浸かる段取り。
高円寺エスペランサ20時開演。

ちょっとした事情でもう三年ばかり触れてもいないが、
ギターはこの世で一番好きな楽器。
たしかに私は弾き手として三流だったが、
聴き手としてはすでに二流の域に達しているのである。

しっかし内藤くんよ、本日水曜が、土曜でないのがマコト残念!
(筆者注;サタデーないとうフィーバー)

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2015年6月16日(火)その2159◆イメージ・エクササイズ

売られた理不尽に激怒し、相手の論理・人格を叩きのめすのではなく、
ふだんのキャラでやんわり本音を伝えるためのイメージ・エクササイズその1。


なあ、匿名希望のおじいちゃんさあ。
フラメンコの出版ってのも結構たいへんでさ、
おれら優秀じゃねーから、毎日毎日締切と格闘してんの。
だから正直云って、おじいちゃんのグチに長々付き合ってるヒマねえんだ。

こういう本を出せって、見ず知らずのオレに命令するんじゃなくてさ、
おじいちゃんもさあ、ほんとにフラメンコ好きなら、自分で出したらええよ。
おれもさっ、誰も出さねえから自分で出しちゃったんだよ(笑)。

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2015年6月16日(火)その2158◆報復の連鎖

その犯人はほぼ全員、70歳前後と思われるギター好きなお爺ちゃん。

編集部の多忙もお構いなしで、用もなく電話を掛けてくる。
話す内容は主に、ご自身の自慢話やアーティスト批判などである。
散々に業務を妨害して、通販の注文をするでもないから、
こうした悪行はヨレヨレ詐欺とでも呼ぶべきだろう。
ギター好きのなれの果ての姿がこれではあまりに哀し過ぎる。

心優しいパセオ編集者(私を除く)は、
おそらくはその屈折した性格から周囲に相手にされない、
友達もいないであろう哀れなご老人たちの境遇を察し、
はいはいと話を聴いてやることが多い。

彼らの優しさを見習うべきだと思うのだが、実際には因果応報・悪人成敗とばかり
電話口から相手の心臓を一気に抉るカウンターで浴びせ倒すハムラビ派の私。
だが〝報復の連鎖〟を断ち切る努力は、こんなところから始める必要があると、
ヨレヨレ詐欺のクソ爺に今日も心優しく電話対応していた女性社員の善行に、
あるべき人の道をみる。

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2015年6月16日(火)その2157◆サバを読む

かわいいあの娘は誰のもの
いえあの娘はぼくのもの~♫

BGMなんかでいまだ耳にする、われら世代のキャンプファイヤーソング。
そのインドネシア語の一節を強烈に記憶している。

「ノーナ マニス シャパ ヤン プーニャ」

当時私たちは、ノーナカニサバ ニャンプーニャン♫~と、懸命に歌った。
もちろん今でも「野原の中のサバ(鯖)を狙う猫」というイメージは不滅である。

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しゃちょ日記バックナンバー/2015年06月①

2015年06月01日 | しゃちょ日記

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2015年6月14日(日)その2156◆NHKマニア

国営放送日和。

ロマンティックな深い陰影と、鋼鉄のようなテクニック。
超難曲ラフマニノフ2番を軽々と弾き切るヴィニツカヤ。
名指揮者フェドセーエフの歌心と、精緻なN響のアンサンブルには目が覚めたわ。
ヴィニツカヤがアンコールで弾いたプロコフィエフ。
CDからは想像もつかない両手クロスの運指にびっくり。

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将棋トーナメント、大河ドラマ、N響定期と、今日はNHK三昧。
1チャンの沖縄戦ドキュメントはラフマニノフとぶつかって残念。
観たい民放番組が激減したのは、年齢と反比例なのだとあきらめる。

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2015年6月14日(日)その2158◆ナベ日和

ご近所名医によって、快方に向かう腰痛。

試運転で少し長めに歩く予定だったが、
このどよんとした空模様にがっかりしながら、
午前はNHK将棋観戦、午後は仕事に切り替える。

ジェーのリクエストで夜は鍋。
ちゃんこ鍋か、マイケル鍋か、ヤミ鍋かと迷うがワタナベだけはなさそう。

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2015年6月12日(金)その2157◆うれしい誤算

パセオ8月号〝楽屋裏〟初稿。

「気心の知れたエミリオ(ギター)とプラテアオ(カンテ)と共に、
シンプルに自分らしく、そしてお客様と私たちの中に、
心地良い充実感が残るライヴをしたいです」

6/11、シリーズ第五回目の主役バイラオーラ鈴木敬子は私の連れ合い。
バツイチ同士で一緒になって17年になるが、
ライヴプロデュースで関わるのはこれが初めて。
最初で最後となるのか、そうではないのかは当夜のフラメンコ次第。

豊かな絵心の流れるような舞踊ラインは華やかな絵画を印象づけ、
決めどころのインパクトには爽やかな重みがある。
思索的な深みを感じさせるステージではないが、
開始からアンコールまで深いメリハリを刻みながらひと息で駆け抜ける
フラメンコ絵巻は「心地良い充実感が残るライヴ」という約束をまっとう。
複雑な人生をシンプルに集約する癒し感と、まずは人生を楽しもうとする
逞しい希望のオーラが超満員の会場を大らかに抱擁していた。

この日、バイレと一体化するマルティネーテの熱唱で沸かせたエル・プラテアオは、
三月の渡部純子ソロライヴでも聴かせた十八番グアヒーラをソロで歌った。
そのしみじみと粋な味わいが決め手となって、
スペイン人初となる〝しゃちょ対談〟への登場(本誌10月号)が実現する。
その彼が終演後、このライヴシリーズへの出演希望を申し出てくれた。
もうひとりのプロデューサー田代淳と私はそれを歓迎し、
その場で年末12/22のプラテアオ・ライヴを決定した。
(ギターはエミリオ、バイレ友情出演は鈴木敬子)

カンテやギターのソロに対し、アフィシオン豊かに聴き入る現象が
当シリーズの観客席には顕著だ。
本場スペインの歌い手もギタリストも、そうした環境で
思う存分自らのアルテを発揮することに興味を感じてくれるなら、
そりゃ願ってもないことだ。
「ひとりで来場するイチゲンさんを満足させるフラメンコ」というキメに忠実ならば
どんな企画もOKという方針が、シリーズのこの先にどんな展開をもたらすのか?
そういう流動的な成り行きそのものも楽しんでゆきたいと想うのだ。

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2015年6月11日(木)その2156◆工藤朋子の矜持

「フラメンコはスペインにとどまらない。
 世界を流浪しながら、その不滅のエネルギーを豊かに伝播させてゆく」

そういう壮大な説がツボにはまるような、昨晩の工藤朋子リサイタル。
一月の今枝友加リサイタルに始まり、
手前ミソだが一連のパセオフラメンコライヴなど、
今年のフラメンコ界はすでに大豊作ぶりを呈している。

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工藤の「あぜ道Ⅱ」は、はち切れんばかりの期待を軽々と上回ってくれた。
冒頭のテーマと絡めて書けば、二万字くらいはイッキに書けそうな発見と感動があった。
忘備録の担当ではないが、午前中いっぱいで書き上げてみるかと、
パソコンをアップすると、すでに忘備録担当の編集部井口が昨晩の感想をアップしている。
優れた視点で実に明確にドキュメントしているその一文を読んで、
妙に納得した私はそのまま寝床に戻って爆睡し、
引っ越し以降初の大遅刻をやらかした。    

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2015年6月10日(水)その2155◆ゆえに我あり

「伝統ってのは、創るもんだろ」
       
誰が云ったか知らないが、
熱めの朝湯に浸かりながら、ふと脳裏を駆ける大言壮語。
大いなる勘違いと裏腹の発想だが、実際これくらいの気分がないと
現実は変えられないことも事実だ。
    
愛も誠も知ることなく、表面的な形ばかりを守ろうとする亡者たちの
バカの壁に調子を合わせる時節でもないし、
また、何より私自身を疑い笑う必要もある(汗)。
「我を笑うゆえに我あり」
てなわけで、次のパセオ〝今月の云い過ぎ〟はこれに決まり。

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2015年6月9日(火)その2154◆名医の拷問

ぎっくり腰から七年。

あんまり痛むので、とうとう本格治療に乗り出す。
「腰痛なら近所に名医がいるぞ」
階下にあるフラメンコ協会事務局の田代夫妻に紹介され、今日で三回目の整体治療。
協会から大久保通りを歩いて2分、わが家から3分と地理的にもベストなのだ。

プロレスの花形必殺技を次々と喰らうような30分プログラムで、
それが痛えの痛くねえの、助けてーおかあちゃん!的絶叫を呑み込みながらの
難行苦行が続く。
「田代さんはお元気ですか?」
「月刊誌は大変でしょ?」
みたいな質問をポンポン飛ばしながら私を拷問にかける先生に、
ラマーズ法で激痛に耐えながら、それでも私は健気に答える。

「ぐぁい、がでらばゲンキでぃず、なでまぢだぐぁシメギりゃ、おぽっ」
    
五日間で三度目となる荒療治から、何やら軽やかに編集部へと戻ってみると、
ありゃ不思議、な、なんと七年続いた腰の疼痛が七割方消えているではないか!
ねじれていた身体の重心が真っ直ぐに戻りつつあることが分かる。
これまでいろいろ試してみたが、こたびのチャレンジはどうやら大吉らしい。
歩いても痛くない人生があることなど、すっかり忘れていた私なのである。

めでたくも身体の歪みを治したあかつきには、
今度こそ根性と性格の歪みの矯正にチャレンジしようと決意する
中野区在住・自称出版社社長(犬で云うなら)12歳。

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2015年6月8日(月)その2153◆十倍効果

「知識がないと楽しめない落語なんか、それはもともと面白くない落語なんだよ」

そういうスタンスを優れた高座芸によって体現する柳家喬太郎師匠は、
現在もっとも面白い落語家だ。
週刊文春に連載中の『川柳のらりくらり』なんかも絶品であり、
テレビにはほとんど出ないので知名度はイマイチだが、
ほとんどの〝笑いのプロ〟が注目を続ける超大物。

これまで師匠のCDを20枚ばかり購入したが、新作も古典も創造性にあふれていて、
ド素人からマニアまでをイッキに引っ張るセンスと爆発性がある。
まあ、無理やりフラメンコに例えるなら、畏れ多くもあの〝カマロン〟。
現役最高峰の小三治師匠や小朝師匠が〝大名人〟なら、
喬太郎師匠は〝スーパースター〟と云ったところか。

ところで。
7/7の「はたけやま裕/七夕ライヴ」(徳永兄弟やSIROCOらが共演)の
忘備録(パセオ10月号)を書く下調べで彼女のFBをめくっていたら、
あっと驚くタメゴロー!的記載を発見。
本音云うと、ライヴに対する期待度が十倍にふくれ上がった。

「柳家喬太郎師匠の『鬼背参り』興奮と感動が覚めやらなかったので
 3枚とも購入しちゃいました♡(笑)」

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2015年6月7日(日)その2152◆焦点

「人生はノーパンだ」と、小遊三が断言する本日笑点。

 な、なんでっ?と歌丸ツッ込む。

「はかない」
   
 うっ、ファリャ名作『はかなき人生』ががが、とたじろぐ俺。
  
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2015年6月6日(土)その2151◆バカの壁

「フラメンコギターはサビカスまで。パコ・デ・ルシアがダメにした」

商売柄そういうおっさんたちを何十人も目撃してきた。
「いまどきの若者は分かっちゃいねえ」的バカの壁。
こういうおっさん達はフラメンコではなく、
おっさん各個人の青春の想い出を愛しているだけなわけだが、
うっかり陥りやすいのがこの手の罠で、私だって相当に危ない。

正直云えば、将棋も落語もクラシック音楽も、
すでに古典的とも云える超優良パフォーマンスに偏好しがちな私だが、
そればかりでは新しい才能の創造主が出現した時に正確に反応できない。
マリパへやイスラエルやロシオに感応できないポンコツにとってアートは
「猫に小判」であり、そんな人生生きてる甲斐もない。

だから、最新の将棋戦法を解読する、
新作落語にも網を張り喬太郎のような才能を見逃さない、
バッハの若手演奏をもれなくチェックする、
さらに若者との意見交換を絶やさない・・・みたいなことを生活の中に組み入れる。
本を買い、CD・DVDを買い、ライヴに出掛け、
そうした主人公たちを実質的に応援することで私自身を応援する。

こーゆーことを云うと、
いったいおめえはいつ仕事してるのかと突っ込まれそうだが、
しんぱいゴム用、こーゆー作業の合い間に私は、
暇さえあれば仕事をしているのである ( ̄▽ ̄)

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2015年6月5日(金)その2150◆横丁のご隠居

クラシック、将棋、落語、散歩。

我ながらシブいとゆーか、渋すぎる趣味である。
何せ五十年の年季が入っているから、どれもこれもフラメンコより遥かに詳しい。 
ここに「盆栽」とか「茶の湯」とか「風呂炊き」などが加われば、
向かうところ敵なし状態を体現できるよーな気もしてきた。

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2015年6月5日(金)その2149◆報復の連鎖

「僕は多くの人たちの犠牲の上に成り立つ豊かな家庭に生まれ、教育を受け生活してきた。
 その生活を続けることは利己的なこと。
 もしみんなが利己的になったら、世界の状況はもっと悪くなる」

「あらゆる不公正な状況と戦う」と表明する23歳の彼は、
トルコの有名大学で建築を学び、その後クルド系のテロ組織に参加したという。
硬派系新聞の特派員記事を読みながら、
そのむかし過激派セクトで活動するクラスメートの多くが富裕層だったことを想い出す。
大学のロックアウトが濃厚となった頃、
セクトへの勧誘を強引に仕掛けてきた彼らに逆に毒づく私。    
「なら云うが、家に入れる金や、おれの生活費や学費はいってえ誰が稼ぐんだ?!」。
呆れ顔で退散する彼らが、ビンボー暇なしの私に近づくことは二度と無かった。

現在はイラク北部クルド人自治区の検問所警備を担当する冒頭の青年は、
私の娘とほぼ同世代。
テロではなく、自らの境遇を活かし二十年三十年かけて、
内部から改革を実現する選択肢はほんとうに無いのか?と問うてみたい。

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2015年6月5日(金)その2148◆年齢不肖

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写真左は、わが家の番犬ジェー(本名:小山慈平)である。
現在12歳なんだが、人間でいうなら60歳ぐらいだと云う。

じゃあ写真右のこのオレも、ひとつだけ云わせてもらおう。
私は(犬でいうなら)現在12歳ぐらいである!

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2015年6月4日(木)その2147◆持久力アップ

来月七月のライヴ取材は、締切とぶつかる金土日の3連チャンがヤマだな。

0707(火)はたけやま裕(徳永兄弟、SIROCO、マレーナほか)
0709(木)パセオフラメンコ・ライヴVol.006/徳永兄弟
0717(金)プリメラ祭/パコ・デ・ルシアに捧ぐ
0718(土)プリメラ祭/親子競演フラメンコ
0719(日)逢坂剛カディスの赤い星 (沖仁、徳永兄弟、福田進一ほか)

このスケジュール見て今気づいたんだけど、
このうち四本に徳永兄弟(健太郎&康次郎)が出るんだよね。
さらにプリメラ親子競演(このフライヤー)では親父(徳永武昭←音質抜群!)さんと
お袋(小島正子←美系バイラオーラ)さんも出演する。

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そして八月は新人公演の三連チャンと新規プロジェクト。
バテバテだった昨夏を思い起こし、
持久力アップの身体づくりに乗り出すことを唐突に決意する、
ラジオ体操が恋しい爽やかな朝。

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2015年6月3日(水)その2146◆フィーバー

六月半ばのライヴ取材は三本。
観る方は楽しいが、やる方はたいへんだ。
           
6/10(水)工藤朋子ソロリサイタルⅡ
6/11(木)パセオフラメンコライヴⅤ/鈴木敬子
6/17(水)内藤信フラメンコギターライヴ

ギターの内藤信 (ないとう・まこと)さんは、2007年新人公演・
奨励賞に輝くツワ者で、一度じっくり聴きてみたいギタリスト。
「特等席用意するから聴きに来いよ」と
高円寺エスペランサのオーナーに誘われ、こりゃ渡しに舟だと、
多忙続きで最近ごぶさたのパセオ公演忘備録(9月号)も書くことにした。
内藤君はずいぶん前に木曜会で呑んだことのある好青年で、
その折彼に、以下のような格調高きアドバイスを贈った覚えがある。
   
 私「内藤くん、エスペランサは何曜日に弾くことが多いの?」
内藤「えーと、金曜とか多いですかね」
 私「そりゃ、惜しい。土曜日に弾いたらええよ」
内藤「えっ、なんでですか?」
 私「だって、サタデーないとうフィーバーじゃん!」

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2015年6月3日(水)その2145◆工藤朋子リサイタルⅡ

注目◎のバイラオーラ工藤朋子。

ニッポン最高峰のフラメンコ舞踊団アルテイソレラのS級ソリスタだが、
近ごろの伸びやかな展開にはときめくような希望が跳ねる。
パセオフラメンコライヴへの出演も来年実現する。

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その工藤朋子、二度目のリサイタルがいよいよ来週に迫る。
この数年の彼女の舞台には、外見の美しさに均衡する内面の充実がある。
そのバランスの相乗効果は観客席の潜在意識に働きかけ、
それぞれの心に静かに沈殿する。何も想わず、すべて彼女に委ね、
ただひたすら舞台に没入すればいい。

懐かしの代々木上原ムジカーザ、初日水曜に駆けつける。          
終演後は歩いて五分、元代々木〝どさんこ〟直行の段取り。

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2015年6月2日(火)その2144◆はたけやま裕

桜の頃の徳永兄弟ギターライヴ。
たまたまお隣りだった何やら只者ではなさそうなスレンダー美女が、
このフライヤーの主人公のパーカッショニスト・はたけやま裕さん。

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聞けばこの夏7/7に七夕ライヴ(銀座ヤマハホール)を開催し、
フラメンコからは徳永兄弟、SIROCO、マヌエル・デ・ラ・マレーナら
大物連を呼ぶという。

まだ極秘になってるサプライズゲストの歌も一度ライヴで聴いてみたかったので、
よし、じゃあパセオ忘備録はおれが書くかと、
ちゃっかりその場でプレス取材枠をゲット。
七夕とゆーより、こりゃタナボタだな。

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2015年6月2日(火)その2143◆鳥の歌

「パセオ六月号の表紙、アレはけしからん!」

そんな読者ハガキが届いて、何やらホッとした。
いろんな人がそれぞれに意見を語り、それが隅々まで届いてる状況は悪くない。
全員一致というのは逆に危ない。

ところで。
強権的な外圧は分かっちゃいるが、現在の国政には焦りがある。
腰が高すぎて最善手が指せていない。
政治的にはわからんが、将棋的にはアマチュア二段程度だ。
指し手は強気だが、勝ち切るヴィジョンが希薄すぎる。
その危うさを具体的に突いてる東京新聞の矜持は立派であり、
正確な検証を避けるその他多くのマスコミの迎合ぶりは
戦前の暗黒状況をほうふつとさせる。
                  
誰彼によらず、地球丸の乗組員として平和を願うのに必要な義務だけは
しっかり果たしたい。出来るだけ正確な情報を入手し、
きちんと自分で考え判断し、それを表明すること。
身近なところで意見を与え合う重要性。
そのことの全国的集積。
その力の大きさを、まずは私自身信じること。

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2015年6月1日(月)その2142◆Uno yTres

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「この曲、2011年の『Uno yTres』でセルフカヴァーしてます」
       
フラメンコ歌手として活躍する名シンガー大渕博光。
メジャーデビューの1stアルバム『エステ・アモール』(キングレコード発売)に
収録された名曲『蒼い予感』のことを書いたら、
ブッチー本人からこんなコメントが届いた。
早速調達したアルバムを聴いてみると、
オープニング曲『ギタリスタ・バイラオーラ』(今枝友加も参加)にいきなりやられた。


綺麗な真実だけじゃ
たどり着けないところへ
振り払った
君の汗を浴びながら

もう一度 あともう一度だけ
交わし合う


フラメンコのテレビドラマを制作するなら主題歌はこれで決まり!みたいな快作。
一方お目当ての『蒼い予感』のセルフカヴァーは、
再録音に至るまでの歳月の重みを活かしきった熱く透明度の高い名唱で、
初回録音との甲乙はつけ難い。
やはりその清冽な〝切なさ〟の向こうに折れない希望を感じさせるところに、
この名シンガーの資質を垣間見る。

ここ数日は一日の締めくくりに、そこそこ上等なスコッチを少っちだけ呑りながら、
万全のリラックス態勢で大渕博光『Uno yTres』を聴く夜が続く。
ラテンやジャズのテイストも濃厚な、大人のための大人のアルバム。
徳永英明さんのカヴァーシリーズに並ぶ、新たなマイフェバリットの発見。

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