フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

赤頭巾ちゃん [142]

2006年07月25日 | アートな快感





 

          赤頭巾ちゃん

 



 それならば、生存の孤独とか、我々のふるさとというものは、このようにむごたらしく、救いのないものでありましょうか。
 私は、いかにも、そのように、むごたらしく、救いのないものだと思います。
 この暗黒の孤独には、どうしても救いがない。
 我々の現身(うつしみ)は、道に迷えば、救いの家を予期して歩くことができる。
 けれども、この孤独は、いつも曠野を迷うだけで、救いの家を予期すらもできない。
 そうして、最後に、むごたらしいこと、救いがないということ、それだけが、唯一の救いなのであります。
 モラルがないということ自体がモラルであると同じように、救いがないということ自体が救いであります。

 私は文学のふるさと、或いは人間のふるさとを、ここに見ます。
 文学はここから始まる―――私は、そう思います。

 アモラルな、この突き放した物語だけが文学だというのではありません。
 否、私はむしろ、このような物語を、それほど高く評価しません。
 なぜなら、ふるさとは我々のゆりかごではあるけれども、大人の仕事は、決してふるさとへ帰ることではないから。……

 だが、このふるさとの意識・自覚のないところに文学があろうとは思われない。
 文学のモラルも、その社会性も、このふるさとの上に生育したものでなければ、私は決して信用しない。
 そして、文学の批評も。
 
私はそのように信じています。


       (坂口安吾『文学のふるさと』より最終部分の抜粋、↓にも収録)

                
        『坂口安吾/堕落論』新潮文庫(514円税込)




 


 フラメンコが読みたくなると坂口安吾を読む。


 ペロー作『赤頭巾』のストーリー説明ではじまるこの『文学のふるさと』は、過去現在未来に生き続ける傑出した芸術論、人生論だと思う。

 あの有名な赤頭巾ちゃんの原作が、実は、唐突に狼に喰われちまって、それでおしまいチャンチャン、という救いのない結末であることを知ったのもこのエッセイだった。


 おそらく安吾(1906~1957年)はフラメンコを知らずに亡くなった。
 彼のフラメンコ・レビューを読めないのが、実に、実に、残念無念だ。








 


栄光の社長室 [141]

2006年07月20日 | パセオ周辺







       栄光の社長室




 パセオ社長を名乗って、苦節22年。
 想えば長い道のりだった。


 じゃーん。


 そう、このたび、バーチャル空間とは云えども、パセオフラメンコにおける初の社長室(↓)がこの私に与えられたのである。


  http://www.paseo-flamenco.com/cat5/index.html


 毒を喰らわば皿までも、だ。
 ま、いっぺん飛んでみてくれ。


      ********** ********** **********


 パセオ・ホームページの塩川チーフが気を利かして、私のためにこの部屋を用意してくれたのであった。
 くたびれた畳が懐かしく匂う六畳ひと間のシンプル・スペースだが、実に親しみやすいアイレがある。
 トイレは共同だし風呂もないが、それがどーした。
 窓の下には神田川、である。

                  


 モノがまったくないので、むしろ広すぎるぐらいだ。
 よって残念ながら、葉巻もゴルフパターもない。座布団一枚と手ぬぐい二本が、目下のところ唯一の備品である。
 私は空間を第一に考える人なので、何よりの環境といえるだろう。

 また、そこで何をやればよいのかについては、すでに当ブログのコメンテイター諸氏(全員美貌の人格者)にきわめて有効な助言をいただいているので、まったく迷いはない。

 (
http://blog.goo.ne.jp/paseo1984/e/c5d94e073b2c8ed76dffd005348d0378

 そんな訳で、目を覆うような失敗に次ぐ失敗が現実のものとなることは、すでに約束されているのである。
 
ついさっきも、あっち側でそのお約束を果たしてきたところだ。


 ま、栄光の“パセオ社長室”とは、だいたいこんなイメージである。
 いかにもフラメンコ的ではないか?……………ないか。

 それにしても皆さま。あのよーなムサい所に、お忙しい中をようこそおいでくださった。しかも全員が全員とも手ブラでご来場とは、実に頼もしい限りではないか。
 その度胸に敬意を表し、おいしいワインとパエージャでもご馳走したいところだが、ご覧の通りのありさまなのでどうかご容赦いただきたい。


      ********** ********** **********


 さてこれから先の私は、パセオHPの社長室と、今年の正月からはじめたこのボロ愚の、その二つを掛け持ちでやることになる。
 こうした不条理に対し、皆さまが必ず抱かれるであろう疑問について、あらかじめ私ははっきりと回答すべきであろう。
 ひとつだけでも迷惑なのに、二つもブログをやってしまう深遠な意義・理由とは一体何なのか?

 

 







 今のところ、特にありません。(TT)

 

    ********** ********** **********


 ところで本日“社長室”の、濱田滋郎師によるパセオ創刊号への特別寄稿。
 本当を云うと、あの幻の創刊号(ワープロ原稿をコピーしてホチキスで綴じただけ)には、編集部の責任による大変な誤植があったのである。


 「当誌のためなんらかのお手伝いをするという話が出たとき、私が真先に念を押したのは不偏不党の立場に立っての編集という前提であった。」


 この「不偏不党(ふへんふとう)」の部分を、実際には「不倫(ふりん)不党」とやっちまったのである。あわわ。
 しかしなあ、よりによって「不倫」とはなあ。
 徒党を組まずに不倫しちまうって、そんなおマヌケな四文字熟語を勝手に発明しちゃったわけだ、その当事者は。

 

        

                       「↑動かぬ証拠」



 平謝りするスタッフたちを、濱田師は笑って許してくださったものだ。
 だが、いくら出版ど素人のボランティアとは云え許されるミスでない。
 その犯人は当然私がよく知る人物だが、その後も更生することなく、今も恥知らずな人生を歩んでいるらしい。
 ………哀しいことである。


 凶悪犯よ、この場をお借りして潔く、師ならびに当時からの読者のみなさまに心からの謝罪をするがよい。

 







 


 はっ、すんません。
                         
 私(←犯人)が悪うございました。
                    
                  (TT)

 


 ま、本人もこのように深く反省してるよーなので、この件はできればご内密に願いたいものである。

 




 

 


 


別れの朝 [140]

2006年07月12日 | あしたのジェー


 


 

                別れの朝 







 

 てゆーか“朝の別れ”だな、この場合。


 こんな顔して毎朝お見送りしてくれる忠犬ジェー(シェパード)である。

                      http://blog.goo.ne.jp/paseo1984/d/20060614
 



         

 

                           [協力:カデーナ フラメンカ]







 


 





 

 


計画性 [139]

2006年07月09日 | パセオ周辺

 

 



                   計画性


 


 7月1日付『まーけてぃんぐ』について、トータル15名の方々から頂戴したアドバイスによって今後の展開を整理することができたので、本日はめでたくも、御礼かたがたその結果をご報告させていただきたい。

 それにしても、お寄せいただいたアドバイスのクオリティは抜群であり、これには頼んだ私の方があわわと驚いた。
 ここにおいでくださる方は、失礼ながら私と同レベルのチョーゆるゆるタイプであると推定していたのだが、今回の一件によって、私よりちょっとだけレベルの高いチョーゆるゆるタイプであることが判明したのである。


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 先の“まーけてぃんぐ”では、このボロ愚“フラメンコ超緩色系”の先々の展開についてを問うたわけだが、お寄せいただいたアドバイスには、今月20日ころから新しく始めるパセオホームページ内ブログ“社長室”との兼ね合いとか使い分けにまで言及いただいた。

 実際の話、本業がチョー多忙のどつぼ状態であることをウッカリして安易に引き受けてしまったものの、例によってまったく成算はなかったのである。
 ところが頂戴したコメントを図表にして整理したところ、なんと一発で「あ、こりゃいーかも」路線が見えてきたのだ。

 結論を云えば、まんま採用、なのであった。
 驚くべきことに活用できないコメントはひとつもなく、すべて血肉化させていただくことに相成ったのである。
 おそらく来月あたりには、二つのブログを通してその辺(私の節操のなさ)が明らかになってゆくのではなかろーかと思う。

 ご協力くださった皆さま、ほんとにありがとう。
 例の“幻のシャチョ手ぬぐい”の現物を、今世紀中には必ず進呈させていただくからな。


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 さて、具体的なペースとしては、平日週5日は退社前の30分を利用して“社長室”を毎日更新するつもりだ。
 で、当ブログについてはしばらくのあいだ週1更新(土日中心に)とし、仕事がひと段落する年末あたりから徐々に更新回数を上げてゆこうと考えている。

 また、記事のトーンとしては、当ブログは普段着(パンツ一丁)のままの感じで、一方の社長室の方は正装(シャツにステテコ)という風に、相互のメリハリを意識しながら書いて見よーかと計画している。


 ま、そんなこんなで、とりあえず2ブログ計画は準備万端整ったのである。
 不安材料はほとんど見当たらないが、強いて云えば、どちらの原稿もまったくの未着手であり、しかも始める当日の今月20日まではそのための取材・執筆の時間がまったくとれない、ぐらいのことである。


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 人さまのフンドシ頼みとは云え、このよーに私の計画性はヒジョーに高い。
 計画通りに実行できる力さえあったなら、今ごろ私は大金持ちになってたところであろう。

 みなさまも、どーかご自分の胸に手を当ててお考えいただきたい。
 夏休みの初日に立てたケーカクが、一度でも完遂されたためしがあったかどーかを。

 

 

 

                 
                   [おかげをもって、現在の私はこんな感じの心境だ








 


 




 


分解写真 [138]

2006年07月04日 | あしたのジェー

 


 


                分解写真  

 

 

 前回“まーけてぃんぐ”について、コメント投稿ならびにメール送信くださった11名におよぶ美貌の賢者のみなさまよ。
(その美貌水準を表わす証拠写真はこちら↓
 
  http://blog.livedoor.jp/mikky_bar/archives/50319236.html#comments

   どーも ありがとっ!


 その御礼と云っちゃなんだが、昨日の六太殿のアドバイスを受け、私がやってもつまんねーので、私の同士ジェーがみなさまのご厚意に対し、

「どーも」(=感謝のお辞儀)をさせていただく。


        

        

        
 



 んじゃ、読者のみなさま、ひき続き“まーけてぃんぐ”にご協力を http://blog.goo.ne.jp/paseo1984/e/c5d94e073b2c8ed76dffd005348d0378

 尚、ご協力いただいた方にはもれなく、“幻のチャチョ手ぬぐい”の現物(遅くも今世紀中に非売品化)を進呈させていただく予定である。

 








 


まーけてぃんぐ [137]

2006年07月01日 | 超緩色系






           まーけてぃんぐ




 当ボロ愚もどうやら半年続いた。
 ご覧くださる皆さまのおかげである。

 キリのいーところで、今日は迎えて137回目だ。



   



 さて、これまで137戦を闘って5勝128敗4分という数字は、私にしては上出来すぎるぐらいの成績と云えるだろう。
 また、勝ち星のほとんどがパラサイト(他ブログ寄生)系の内容であったことを、私は別に不名誉なことだと感じてはいないので、余計な同情はご無用である。

 てゆーか、いい歳こいて立派なもんではないか。

 私がブックマークしているおなじみのブログたちには、センスやクオリティこそ及ばないものの、そうした内容的なものを除けば、そこそこの善戦をしているのではなかろーか。
 こうした若き美貌の人格者たちに真っ向勝負できるのは、フラメンコ界広しと云えども、この私をおいては他に千名ほどしかいないはずである。


 さて、半年やってそろそろ私の高尚な哲学体系の紹介も済んだと思うので、ここらで少しクールダウンしてみようと思う。

 てゆーか、実を云うとこの7月、パセオフラメンコ・ホームページの大リニューアル(全とっ替え)をやるんだが、そこに遊軍参加している私もこのところチョー多忙を極めている関係で、そうせざるを得ねー状況なのであった。

 さらに伝え聞くところでは、新ホームページには『社長室』などという物騒なゴーモン部屋も新設されるらしい。
 ま、どうせ四畳半ぐらいのボロ部屋だろーが、自由なブログ方式で、おまけに何をやるのかは私に一任されていると云う。

 どーすんだよ?
                    

 いま現在をもって、まったく白紙の状態なのである。
 今月20日にはスタートするとゆーのに。

 ま、しかし、「闘いながら闘い方を身につける」とゆーのが私の流儀である。例によってボコボコに負けまくりながら考えることにしようではないか。
 今世紀中にはきっと何とかなる。そう信じたい私である。

 で、そんなこんながひと段落するのは10月頃の予定だ。
 なのでその頃まで、当ボロ愚の更新は週一回ぐらいがいいところかもしれない。
 
……ん、誰だ、そこで胸を撫でおろしてる失礼な常識人は

 落ち着き次第これまでのペースで書きたいと思っているのでよろしく頼むわ、と云いてーところだが、何せ江戸っ子だからな。どーなることやら、なのである。
 
……だから、そこでホッとするなってーの。


    ********** ********** **********


 さて本日の本題、「まーけてぃんぐ」である。

 ……なんか早くも「負けてる」感じの現在進行形みたいで、イヤな予感がしないでもないが、そこで怯んではいけない。

 そう、今日からしばらくの間、当ボロ愚についての本格的な「マーケティング」をやらしていただきてーのだ。
 クールダウン中に思い切り自己反省する、丁度いい折である。
 こういう時にこそ、当ボロ愚に対する読者の皆さまの声をゆっくり拝聴させていただきたいと願うものである。
 そしてそれらは、私にとって“天の声”に他ならない。


 焼け石に水。
                         

 すでにこうした天の声が多数、各方面からテレパシー等によってこの私に殺到していることも事実だが、それがどーした。
 それでも予定通り、マーケティングの実施に踏み切ろうとするところに私の不屈の魂を感じとってほしい。


 早起きは三文の得。
                          

 こうも云うではないか。
 早起きしてコメント投稿くださる方には、もれなく三文づつ差し上げる覚悟の私である。だたし、出世払いにてお願いしたい。

 とゆーわけで、むしろ使命感をもってご協力いただきたい。
 もちろんこれまで通り、コメント方法はまったく自由である。
 欲を云うと、皆さまからいただく貴重なアドバイスは、以下のように具体的なものであるとチョーうれしい。


①あーゆー記事なら読みたい
                    

②こーゆー記事ならいらない
                         

③これから読みたい記事のイメージ
          
④苦情、説教、質問、お世辞その他なんでも


 まず①②については、具体的な記事名でご指摘いただけるとわかり易いので大変ありがたい。
 ②を指摘するのは勇気がいるだろーが、そこでメゲるようなことでは立派な“フラメンコの使徒”にはなれんぞ。
 筆跡を変えたり、誰にもわからんようなハンドルネームを使ったりして、がんがん来てくれや。

 ③については超アバウトでオッケーだ。こんな感じ、っていうリクエストがあれば、ぜひそいつを教えてほしい。

 ④はほんとに何でもありだ。
 苦情や説教は私のホームグラウンドだからな。何でも来いなんである。質問も大歓迎だ。面白え質問なら、それで一回分サッと書けちゃうかもしれんし。
 なお、お世辞の場合は「歯が浮くような」ものでなく、思い切り「歯が抜けちゃうよーな」本格的なやつを頼むぞ。
 

 また、それでもコメントをさらすのが恥ずかしい方は、私のアドレスに直接メッセージを送ってほしい(↓)。
 チョコレートや現金等を添付してくれても一向に構わんぞ。
   koyama@paseo-flamenco.com

 
 ま、そんなこんなで、このマーケティングは一週間くらいかけてゆっくりやらしてもらう予定だ。

 頂戴したコメントを拝読し、これから先の展開を構想しつつ、じっくり時間をかけてお返事を書かせていただきたい。
 もちろん、日曜日にゃ市場に出かけて糸と麻を買ってきたり、月曜日にゃお風呂を焚いて火曜日に入ったりしながら、テュリャテュリャテュリャテュリャリャリャー的に、そんな私の一週間を送ってみようと思ったりもしている。


    ********** ********** **********


 ふ。どーよ。
 けっこう本気のマーケティングなのさ。

 地球を代表する美貌の人格者の方々からいただく珠玉のようなアドバイスこそは、この『フラメンコ超緩色系』という不条理な存在を、「単なる迷惑ブログ」という悲劇的現状から「普通の不人気ブログ」という栄光の地位に引っぱりあげる効果をもたらすこと必至、なのである。


 「焼け石に水じゃん」というあなたのお気持ちは痛いほどわかるが(この私とて同じ気持ちだ)、今の私は、冷や水でも浴びたい焼け石の心境なのである。