サイバーCR-X Si サンルーフ ブラック MT
走行距離6.5万キロ 車体価格35万円
ダートラCR-Xを修理すると、車検と合わせて40万円超。それよりも安く新しいCR-Xが購入できた。この頃からCR-Xの中古車価格が一気に下がってきたのである。
今度のクルマはサンルーフ仕様。これでグラストップ、ノーマルルーフ、サンルーフと、CR-Xに設定されていた3タイプのルーフ全てを乗り継いだことになる。ただ、この時期のホンダのサンルーフは、アウタースライドで、走行中にルーフが外れて落ちるトラブルもあった。そのため、最初は何度か試しに開いたが、以降全く使わなかった。

ところで、グラストップ仕様は夏の暑さが大変だという話をよく聞いたが、こうして3タイプを乗り継ぐと、グラストップが特別暑いわけではないと分かる。むしろノーマルルーフが暑い。グラストップよりも屋根が熱くなる感じだった。いま考えると、さもありなん。赤外線遮断のコーティングがされたガラスより、黒い鉄板の方がはるかに熱を吸収しそうだ。
御覧の通り、このCR-Xでもナルディのウッドハンドルに交換されている。

この3台目のCR-X、買って早々にスクーターに突っ込まれた。言問通りの近くだったが、佐川急便のドライバーが伝票を道路に落として、それを拾い集めていたため、クルマを止めて待っていた。ドライバーが全て拾い終わり、手を上げてボクにサンキューの合図をした時、後ろからズドーンとぶつかって来たのだ。
相手は歩道にまで吹っ飛んでいて、すぐに救急搬送され、ボクは事故の検分のあとで警察署に行った。すると、ボクに事故の責任があると警官に言われた。入院した相手が「何もない所でわざと急ブレーキをかけた」と話しているという。
しかし、すぐに空気が変わってきた。あの佐川急便のドライバーさんが警察署に来てくれて、事故の証言をしてくれたからだ。「自分が伝票を拾い集めるのを待っていてくれて、その後でスクーターが突っ込んで来たんですよ」。
それで問題はなくなった。クルマはバンパーが大きく凹んだが、翌日になると元に戻っていて、ここが当たった箇所だとわずかに分かる程度の傷しかなかった。それで修理代の請求は止めてあげた。相手の怪我が酷いので。ただ、一応は病院に行き、釘だけは刺しておいた。悪いのはそちらだと。

この時期の水郷爆釣隊のメンバーは3人。ボクと仁と自称エース。3人のクルマは各々CR-X、シビックフェリオ、プレリュード。そのCR-Xとプレリュートが潮来釣り具センターを出発して釣り場へ向かう。CR-Xのドアミラーが銀色なのにご注目。買った時から銀のカバーが着けられていた。

このサンルーフCR-Xに乗っていた期間は短かった。重大なトラブルが発生したからだ。それは環七を走行中に起こった。
ある陸橋を越えた時、前方の信号が赤になっていた。ブレーキを踏む。すると、手応え、いや、足応えがなかった。スカッ! ブレーキを踏み直す。スカッ! ブレーキペダルが床まで入るが、全くブレーキが掛からない!
ヤバイ! 赤信号でクルマが止まっている。このままだと突っ込むゾ!
バウゥゥーン‼︎ バウウウゥゥゥーン‼︎
ギヤを2速、1速に叩き込みエンジンブレーキを掛ける! サイドブレーキを引く!
追突ギリギリでCR-Xは止まった。接触してないかクルマを降りて確かめたが、1センチほどしか隙間がなかった。本当にギリギリだ。
ハザードを出してクルマを路肩に寄せる。ブレーキはスカスカのままだ。これではどうにもならないと、すぐ近くのホンダに持ち込んだ、1速だけで走って行って。
ホンダで確認すると、どうやらブレーキのマスターシリンダーが割れたようだ。修理代は相当にかかるという。そう、新しく中古のCR-Xを買うよりも。
だから仕方なく次のクルマを探した。安いCR-Xはすぐ見つかった。調布のショップで。この頃にはもう底値になってきていたのだ。
新しいCR-Xを受け取りに中古車屋に行く。ブレーキの壊れたCR-Xはその中古車屋が引き取ることになっていたのだが、何と自走して持ち込んだ。
新しいCR-Xを受け取り、帰りがけにショップの店員に注意をしておく。「このCR-X、ブレーキがぜんぜん効かないから動かす時は注意してください」。店員は、大袈裟なことを言いやがって、といった態度でCR-Xに乗り込みエンジンをかける。と、クルマから飛び出して来た。
「どうやって運転して来たんですか⁉︎」
いや、1速とサイドブレーキで・・・
いま考えると、やっちゃいけない行為だな。でも、壊れたクルマでホンダから帰る時も別に止められたりはしなかった。恐ろしい時代だった。深く反省している。

ボクは常にシートベルトをしています。これ、本当に大事です。