マヨの本音

日本の古代史から現代まで、歴史を学びながら現代を読み解く。起こった出来事は偶然なのか、それとも仕組まれたものなのか?

超短編時代劇小説 「豊臣への秘密指令」の三回目

2012年02月12日 06時50分29秒 | 小説
「のお、藤吉郎?」
「殿、なんでしょうか」

秀吉は突然信長に呼ばれた。いつのように信長は上機嫌である。
「善光寺の秘仏を知っちょるか?」
「いえ、まったく」、
実は彼は善光寺の秘仏のことは知っていたが、それは顔にも出せない。
「実はの、善光寺の秘仏をどうしても手に入れたいんじゃよ。」
「殿、私にお命じいただければ、さっそくここへお持ちしますが・・・」
「ははは、そんな簡単なものじゃないぞ。この秘仏をめぐって上杉と武田が死闘を繰り広げてるんじゃ。」
「って言いますと、両者が戦っているのはまさにその秘仏が目的なわけで…?」
「そうなんじゃ。実は善光寺の秘仏には日本建国の秘密が隠されている。それでな、朝廷は絶対に幕府の手に渡らぬよう全国の奉公衆に指令が出ているそうなのじゃ。」
「なんですか、その建国の秘密とは?」
「うん、わしも勉強が嫌いだったから歴史はあまり知らんのじゃが、どうも善光寺の善光とは最後の百済王、禅広のことで、彼は倭王であり難波に都を築き一大王国の王として君臨しておったんじゃそうな。でな、例の大化の改新と呼ばれる革命の時、神武の東征があり、天智天皇が大阪へ攻め込んできたのだ。禅広は白村江の戦いに敗れ、近鉄線で奈良へ逃げ、そこも追われ、近鉄特急で名古屋へ入り、そこも危うくなり、豊橋から飯田線で飯田へ入り、その後こっそりと長野まで逃げ込んだんじゃな。
彼は死ぬ時に天智天皇がいかに卑劣な手段で倭国を滅ぼしたのかを手紙に書き、秘仏の中に仕込んだそうじゃ。で、その内容があまりにもひどいので、現在の朝廷はその事実を隠すため、どうしてもその秘仏を手に入れ、事実を抹殺したいらしいのじゃ。しかし、幕府は逆にそれを手に入れ朝廷を脅迫したいと望んだんだな。」
「え?どっかで聞いたことがあるような・・・・。そう言えば、ツタンカーメンの墓にはユダヤ人が出エジプトの時、新型インフルエンザをばらまき、エジプト人の大量虐殺をおこなった事実が書き残され、その事情を書き残したパピルスが密かに世に出たとか。で、フセイン大統領がクエートに侵攻したのは実はそこにそれがあったからで、クエートの宮殿でそれを手に入れたそうですがな。」
「おーお、それがイラク戦争の原因だというわけだな。」
「その通りでごじゃります。ブッシュはどうしてもそれが欲しかったって・・・」

え?時代が無茶苦茶だって?まあ、小説ですから、少しぐらい我慢してね。

「まあ、どこの世界にも秘密はあるだろ。でだな・・・今はどうも上杉がそれを保護してるようじゃ。しかし、今川もそれを知って、事態は混沌としてきたんじゃ。」
「なるほど・・・・、で、殿、どうしましょうか。」
「いやいや、別に今どうのということではないぞ。今は目先のことで手いっぱいじゃでな。」
「はあ・・・」
「ところで、藤吉郎。」「はっ・・・」
「お前は松平家の家臣、世良田二郎三郎を知っておるな」
「ええ、昔駿府で出会い、あいさつを交わしたことがあります。」
「あいつは朝廷の奉公衆じゃ。密かに松平家に仕えておるが、実質はすでに松平の筆頭なのだ。いずれ松平の名を継ぐはずじゃ。」
「えー?なんと。」
「隠さずとも良い。お前だって奉公衆だと知っておるぞ。わしはそんなことは気にしていない。むしろ好都合なのじゃ。お前はわしの天下統一を手助けし、朝廷の権威を回復すれば両方ともウインウインではないか。」
「いやー、恐れ入りました。そこまでご存じでは何も言いますまい。おっしゃる通りにいたします。」
「うん、いいんじゃ。少なくとも天下統一は朝廷にも悪いことではないのだ。で、だな・・・・。」
藤吉郎は自分の身分を暴かれ額に汗が浮かんでいた。それを冷たい目で眺めながら信長は驚くべき指令を藤吉郎に告げる。
「実は、今川に対し将軍から上洛を促す命が下る。当然、彼らは尾張を通過することになる。」
「なんと、尾張を横断し京へ登るってか?」
「ふふん、これこそわしが天下を取るためのきっかけになろうぞ。」
「ででで・・・でも、あの今川ですよ・・・」
「うん、わかっておる。そこでお前に策を与えるのじゃ。」、信長はまるで神様になったように絶対の自信にあふれていた。
「松平と示し合わせれば今川を一気につぶせるじゃろう。お前は密かに世良田に会い密約を交せ。」
「はい、承知しました。で、どのような。」
「おそらく松平は今川が京へ登る時に先発隊として尾張を攻めるであろう。」
「それは間違いありますまい。」、「ところが松平は今川から独立したがっているのじゃ」、「そりゃあそうですが・・・・」
「で、だな。わしが地形を調べると、彼は大高城を攻め取り、そこで今川を迎えることになるだろう。」
「なるほど、たぶん・・・」
「で、じゃな。彼と話をつけ、お前が城内に兵を潜ませるのじゃ。」
「でも、世良田は乗りますか?」
「だからじゃ、お前も奉公衆だったら朝廷を動かせるじゃろ。つまり、松平がわしに加担するよう密書をかいてもらえ」
「はあ、ただ世良田とはちょっと筋が違うのですが…」
「ほー?違うのか・・・・?」
「奴は新田のお種、私とはちょっと種類が・・・・」
「まあ、いいじゃないか、目的が同じなら大丈夫だろうが…。」
「まあ、そうですな。八(蜂須賀)に頼み、関白に連絡を取りましょう。」
「うん、うまく頼め。ついでに百済観音を手に入れる為と言えば、朝廷は喜んで密書を書いてくれるだろう。」
「さすが、殿。頭がよろしいですな。」

まあ、これが桶狭間合戦の内幕である。2万の大軍にたった2千の軍勢で奇跡を起したように言われるが、早い話、松平が裏切ったのだ。歴史書は勝者の歴史であり、秀吉と徳川が書き残した歴史書に真実が残されることがなかっただけのことだ。
ついでに言うと、秀吉は征夷大将軍にはならず関白を望んだ。それに対し、家康は武官として征夷大将軍になった。お種の筋とはそのようなことで、秀吉の方が格が上だったのである。そして秀頼にはお種がなかったということだ。

問題の秘仏だが、信長が手に入れたものを秀吉が手に入れ、最後に家康が保護し、最終的に天海によって善光寺に納められた。現在我々が見ることが出来るのはそれのレプリカであり、ご本尊は誰も目にすることはない。
なぜならこの秘仏こそ日本の国体を揺るがす火種になりかねないものであり、仏教勢力が未だに日本を支配するのはこの秘仏を保管しているからである。そしてどこに隠されているのか、絶対に明らかにしないのである。

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36 コメント

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リアルな話? (奇兵隊)
2012-02-12 19:31:04
マヨさん、こんばんは。

>なぜならこの秘仏こそ日本の国体を揺るがす火種になりかねないものであり、仏教勢力が未だに日本を支配するのはこの秘仏を保管しているからである。そしてどこに隠されているのか、絶対に明らかにしないのである。


リアルな話ですか?
出展とか何か判りませんか。


>「え?どっかで聞いたことがあるような・・・・。そう言えば、ツタンカーメンの墓にはユダヤ人が出エジプトの時、新型インフルエンザをばらまき、エジプト人の大量虐殺をおこなった事実が書き残され、その事情を書き残したパピルスが密かに世に出たとか。で、フセイン大統領がクエートに侵攻したのは実はそこにそれがあったからで、クエートの宮殿でそれを手に入れたそうですがな。」

これもリアル?
奇兵隊さんへ (mayo)
2012-02-12 19:49:04
へへへ・・・小説ですよ。ただ、どちらも半分は本当。秘仏をめぐっての争奪戦も、パピルスの存在や出エジプトの秘密も本当の話。ただ、あとは妄想です。ごめんね。
ハハハ・・・小説ですね (奇兵隊)
2012-02-12 19:59:08
小説って便利ですね、半分は本当ですか。
次回の更新を待ってます。
奇兵隊さんへ (mayo)
2012-02-12 20:32:26
でも、謎なのですよ、これは・・・。
なぜ秘仏に争奪戦があり、どうして秘仏が公開されないのかという問題。そして、パピルスになにが書かれていたのか、そしてどこへ行ったのか・・・、それは小説の世界でしか解決できないのです。
ジョージ・ソロス氏にロシア政府プーチン氏が逮捕許可 (奇兵隊)
2012-02-12 21:09:02
エントリーとは関係ないけど、以下の記事は興味深いですね。
米国金融界とプーチン氏との戦争です。
ソロスはハンガリー出身ですが、完全にNWO人脈の中核ですね。

世の中おかしい・・・
ジョージ・ソロス氏にロシア政府プーチン氏が逮捕許可
h ttp://ameblo.jp/hidy0701/entry-11162626961.html
こんばんは。 (ココロスケ)
2012-02-13 03:28:31
古代メーソン創設者直系の子孫が代々記した古文書がブラジルで出版され、日本語訳が出てます。読まれましたか?

ヘロデの呪い 林陽訳 中央アート出版社
奇兵隊さんへ (mayo)
2012-02-13 15:00:56
プーチンさんはやはりツラン系の可能性があります。彼が大統領になり、完璧にNWOを締め出してます。疑う部分も多いのですが、一応要チェックですね。
ココロスケさんへ (mayo)
2012-02-13 15:07:15
へーえー、初耳です。創設者は石工だったんですよね・・・。
一応調べてみますが、ココさんは読んだのですか?面白い?
マヨさんへ (ココロスケ)
2012-02-13 19:19:12
だいぶ昔に読んだので、内容はあまりおぼえてないのですが、古代ユダヤ王と官僚が創設した結社は当初「秘密の力」と呼ばれ、今のメーソン組織はプロテスタントのリーダー達が古代メーソンの子孫を裏切って設立した…という感じです。
ココロスケさんへ (mayo)
2012-02-13 20:24:30
私の理解では日本にも石組みのプロたちの組織(穴太衆だったっけ?)があったように、メーソンの最初は教会の石組みの秘伝を守る組織だったはずです。どっかで乗っ取られちゃったんでしょうね。

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