尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

手紙

2006年02月06日 21時58分46秒 | 詩の習作
「手紙」

いつもの
明るい並木道
空から
小さな稲妻が
僕に投げこまれた
あっ

体が筒になって
立ちどまる

配達は
いつも突然だ
ポストの暗がりを
帯電した
蒼い手紙が一通
くるくる
落ちている

差出人は
判らない
けれど
痛かったんだろう
驚いたんだろう

思う
だって
文面
あっ
と、だけ
聞こえた

足音が
音楽みたいに
鳴りはじめるのだ
いつもの
あてのない
並木道が
あてのないままで
輝きはじめるのだ

もう痛くは
ないさ


  (ポスト」を改題、改稿しました)


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  | トップ | 有明 »
最新の画像もっと見る

詩の習作」カテゴリの最新記事