「男の調べもの」
男から男へだけ伝えられている
根も葉もない神話というものがある
つまり女の体には二つの目のほかに
ひとつの美しい瞳が隠されている
だから男たちは一日の仕事を終えると悪い顔になって
女に埋められた宝石を探しだすのである
焼き魚のようになんども裏返したり
座布団のように片手でくるくる回したり
ゴム手袋のように女をはめてはくりっと裏返したり
探しあぐねて疲れ果て
そのお尻を木魚みたいに叩き
叩いても叩いてもなにが出るわけでもなく
やがてその尻と一緒に笑いはじめ
おれは闇の中に屹立するこの青白いもののために
死ぬのだと悟った
のかあるいは悟らなかったのか
女は背中にはりついたまま虚映を見つめる
おろかで悲しいけだもののために ほんの一瞬
己の一生を賭けてみようと思った
のかあるいは思はなかったのか
男から男へだけ伝えられている
根も葉もない神話というものがある
つまり女の体には二つの目のほかに
ひとつの美しい瞳が隠されている
だから男たちは一日の仕事を終えると悪い顔になって
女に埋められた宝石を探しだすのである
焼き魚のようになんども裏返したり
座布団のように片手でくるくる回したり
ゴム手袋のように女をはめてはくりっと裏返したり
探しあぐねて疲れ果て
そのお尻を木魚みたいに叩き
叩いても叩いてもなにが出るわけでもなく
やがてその尻と一緒に笑いはじめ
おれは闇の中に屹立するこの青白いもののために
死ぬのだと悟った
のかあるいは悟らなかったのか
女は背中にはりついたまま虚映を見つめる
おろかで悲しいけだもののために ほんの一瞬
己の一生を賭けてみようと思った
のかあるいは思はなかったのか