尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

くぼみ

2010年03月27日 23時44分06秒 | 詩の習作
わたしは怯えてはいない
わたしの書いてきたところの
詩が人に代わって怯えているのだ
わたしが死んでもきっと震えているだろう
そのけなげに光るもの

それを愛だとは呼ばない
しかし、ただ生きるということさえ
困難であった日々の
愛のくぼみであったとだけ
あなたは憶えていてほしい

掌に水を受け
飲みほすためのまるみ
その揺れて光る透明な畏れ
読まれることのなかった祈り
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  | トップ | 写真「パフォーマー・チャイ君」 »
最新の画像もっと見る

詩の習作」カテゴリの最新記事