尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

ある女のひとの秘密

2008年09月05日 00時45分39秒 | 詩の習作
自分を人間だと
夢にも思わないと言いいながら
とても美味しいピラフを作ってくれた
新聞のチラシで鶴を折り
窓からまだ濡れている道の方へ飛ばしたあと
帰っていった

その月の終わりの日曜日に
彼女は僕の親友であった男と結婚するのだが
彼等と二度と会うことはなかった

何もかも許されていたような
特殊な時代 確かに僕らは
人間ではなかったが
そのたために不幸でもなかったのだ
折り鶴の落下のような
むしろ人間でないものを愛そうとしていた
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