西脇順三郎は
存在というものに辟易しながら
それでも生き延びるためにのみ
詩を書いた
あるはずものが無い
と気味が悪いだろう
無いものがある
ともっと気味がわるい
生きていくことに伴う本質的な不気味さは
この僕にしろ君にしろ
あそこのぺんぺん草にしろ
本来無いものがある
という居心地の悪さに他ならない
「無」と「空」とか
われわれは言葉を弄して
とにかく現実を観念的に否定したがるが
その根底にはこの存在の不気味さから
逃れでたいという欲望がある
無にあこがれながら営まれている
(だから戦争)
いったいこの歴史とはなんだったのだろうか
それにもかかわらず
われわれの希望というものを探すならば
野に咲くタンポポの
風に揺れている
(ぞっとする)
可憐な美しさ
野草は土から咲かねばならない
詩は血と肉の眠りから書き続けられねばならない
存在というものに辟易しながら
それでも生き延びるためにのみ
詩を書いた
あるはずものが無い
と気味が悪いだろう
無いものがある
ともっと気味がわるい
生きていくことに伴う本質的な不気味さは
この僕にしろ君にしろ
あそこのぺんぺん草にしろ
本来無いものがある
という居心地の悪さに他ならない
「無」と「空」とか
われわれは言葉を弄して
とにかく現実を観念的に否定したがるが
その根底にはこの存在の不気味さから
逃れでたいという欲望がある
無にあこがれながら営まれている
(だから戦争)
いったいこの歴史とはなんだったのだろうか
それにもかかわらず
われわれの希望というものを探すならば
野に咲くタンポポの
風に揺れている
(ぞっとする)
可憐な美しさ
野草は土から咲かねばならない
詩は血と肉の眠りから書き続けられねばならない