「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



1杯500ML500円の水分補給。
“ロング缶がいいよね、ここは”
スタメン発表が終わり、ゴール裏隅から「然るべき場所」に移動。
“あれ? ここじゃ温いかな”
より中心へと移動。今日の「場所」は通路。
土曜日、東方から流れてきた風を味方に付けなければ。
「挑戦権」を得るためのサバイバル戦が始まる。

GK都築
DF坪井・堀之内・ネネ
MF暢久・啓太・長谷部・アレックス・ポンテ
FW永井・達也
リザーブ山岸・内舘・酒井・平川・マリッチ
“岡野は帯同しただけだったんだね”

立ち上がり。
サイドを丁寧に狙う浦和。前節の反省が生かされているようだ。
蒸し暑いスタジアム、早くも汗が滴り落ちる。
9分、森島のヘッド。1-0。
クロスもフィニッシュも「どフリー」。
“オフサイド…じゃないんだ”
乗り切れない。今日も坂道からのリスタートを余儀なくされる。
“まだだ、しっかりやろう”
“次の1点、ウチが取ればいけるよ”
アグレッシブなセレッソに中盤を制圧される。
“どうして後一歩が出ないんだ”
22分、ネネが蹲ったまま動かない。
“(今日)2度目だ、腿押さえてる。アウトかな”
ネネout内舘in。
“勿体無い交代だよな…ネネ、怪我多すぎるよ”

長谷部、ポンテが埋もれている。
達也が孤立する。
中盤まで下がってしまう永井。
機能しない両サイド。
“チクショウ、うまくいかないな”
ボールを奪われると一気にDFラインまで行かれてしまう。
“綺麗にやろうとしなくていいんだ。奪ったら攻める、それだけでいいんだよ”
1対1で勝てない。
セカンドボールを拾えない。
パスも上手くつながらない。
「勢い」の差が如実に顕れている。

終了間際、PA付近で得たFKも遠く外れる。
“暢久、抗議してる”
“何かファールがあったんだよ、きっと”
あの暢久が執拗に訴えている。
“その気持ちがあれば何とかなる”
“まだ1点差。何とかなるよ”

後半も勢いはそのまま。
ボールを奪いに行く姿勢が見え始めた53分、ミドルシュートがネットを揺らす。
2-0。
“また自由にさせてたよ…”
“今日だけは絶対に落とせないんだ”
“まだ2点差じゃないか!”
僕の声が大きくなっていく。
“違う、な”
“周り(の声)が小さいんだ”
“勝つんだよ、勝たなきゃ終わるんだぞ”
“選手を奮い立たせるんだよ、俺たちが”
58分、ポストに跳ね返ったボールを押し込まれ3たび失点。
“ツキも見放したのか…”
“まだまだ、昔はもっと酷かったじゃないか”
“5分で3点取られたことだってあるんだ。逆もあるよ、絶対”
65分、啓太・アレックスoutマリッチ・平川in。
“掻き回してくれ、頼むぞ”
永井が右、暢久が中央に入る。
跳ね辛かった狭い通路の段差も、いつの間にか馴染んでいる。
“優勝するために戦ってきたんだ、負けるわけにはいかないんだ”
74分マリッチ。3-1、2点差。
“25分ある、一気に行くぞ”
優勝目指して戦いたい。リーグ戦、幕を引くのは御免だ。
ようやくウチらしいサッカーが…と思えたのもつかの間、主導権はC大阪に舞い戻る。
“今やらないでいつやるんだ”
“引き分けでもいいから、勝ち点取ろう”
迫り来る時間。
“諦めない、諦めてたまるか”

無常の笛が鳴る。
1-3。
“終わってしまったのか?”
ささくれ立つ心。
遣り場のない不安。
“昔に戻ったみたいだよ”

長居の空は、厚い雲に覆われていた。

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