「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



強い北風。
「もう4月下旬なのにな」
揺られる木々が恨めしい。
チャリを諦めて路線バスで美園駅に。
スタジアム行きの「一番バス」に乗車、待機列に向かう。
「案外少ない?」
GW唯一のホームゲーム。
「他に大きいイベントってあったんだっけ?」
魅了するものが、
ピッチにもスタンドにも乏しいということだろうか。

GK加藤
DF森脇・那須・槙野
MF平川・啓太・阿部勇樹・宇賀神・柏木・マルシオ
FW興梠
リザーブ山岸・暢久・坪井・野田・関口・矢島・阪野
連戦でも変わらないメンバー。

「何浮かれたことやってんだ?」
暢久記念Tシャツを纏いピッチに現れる選手たち。
「試合後じゃ負けるかも知れないからってこと?」
勝負とは関係ない余計なこと。
これは僕が好きな浦和じゃない。

「反対だ…」
北に向かって攻める浦和。
「清水が風上を取ったってこと?」
「でも、風巻いてるよね?」
「いきなりだね!」
マルシオのシュートをGKが弾く。
しっかり繋ぐ、振り回される清水。
「酷いな、あっち」
往時の面影を失くしてしまっている。
「あれじゃ怖くないな」
圧倒的なポゼッション、
何時点を取るかという展開。

「バレーって、あんなんだったっけ?」
すっかり劣化したように感じる、かつてのストライカー。
「早く先制すれば、一方的になるかもな」
大きなサイドチェンジも思いのまま。
CKからも得点の匂いがする。
「今のシュートじゃないよね?」
宇賀神のループはポストの左。
「足に付かなかったか…」
PA内、興梠はシュートに持ち込めず。

前半終了、浦和0-0清水。
「圧倒的だよ…」
オーロラビジョンに映るスタッツ。
打たれたシュートは僅か1本。
ボール保持率67%。

マルシオのミドル、決まらない。
柏木のスルーパスから興梠、合わない。
「そろそろ決めないとマズいな」
右から平川がカットイン、左足のシュートも決まらない。
左から切れ込んだ槙野のミドルもクロスバーの上。
「良くないな、良くないんだよなこういうの」

「しっかり!」
清水カウンター、バレーが前を向く。
「やらせない!」
那須が後塵を拝す、森脇が交わされる。
「ノブヒロ!」
64分、清水先制0-1。
「ワンチャンスじゃねーか…」
こんなサッカーには負けたくない。
「そりゃね-よな」

65分、宇賀神out関口in。
「どうしてサイドしか弄んないだろう」
縦を突く勢いのない浦和。
「まあ、時間はあるから」
じっくりと、焦らずボールを扱えばいい。
そう思うしかないけれど。
70分、啓太out矢島in。
柏木がボランチに回る。
「啓太か、どうかな…」
前線の変化とDFのバランス、期待と不安が入り混じる。

「チクショウ…」
ネットが揺れる、副審の旗が上がっている。
「いいぞ、崩してるってことなんだから」
広州戦から中2日、やはり厳しい戦いになってしまった。
バレーが抜ける、阿部勇樹が手を伸ばす。
80分、阿部勇樹退場。
「仕方ないな…」
もし抜かれていたら…
「切り替えよう、追い付こう」
那須、柏木、マルシオのトライアングル。
「キッツイな、これは」
前線までの距離が遠い。
87分、平川out阪野in。
「頼むぞ、阪野!」

こんな相手に負けたくない。
「クロスバーかよ…」
混戦から放たれたシュートはバーに嫌われる。
アディショナルタイム4分。
「まだまだ、諦めるな」
ひとり少ない浦和、飛び道具が欲しい。
「時間ないぞ、早く!」
放り込んでも受ける選手がいない。
「一発があればな…」

試合終了、浦和0-1清水。
内容は浦和が圧倒、けれど勝ったのは清水。
「これもサッカーだから…」
そう慰めるしかなかった。

下向くな、直ぐ次があるんだ。
無理矢理にでも切り替えなくては。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




勝たなければならない。

やるしかない。
欲しいものは勝利のみ。

その先に進むために。
可能性に懸けるために。

埋まらないスタジアム。
“数”で相手を凌駕することはもう、無理なのだろうか。

GK加藤
DF森脇・那須・槙野
MF平川・啓太・阿部勇樹・宇賀神・柏木・マルシオ
FW興梠
リザーブ山岸・暢久・坪井・関口・小島・矢島・阪野
原口が大宮戦で負傷。
選手生命に関わる怪我に繋がらなかっただけでも由とすべきか。
梅崎も肉離れ。

正面から降りつける雨。
「これはキツいな…」
ミストシャワーを浴びているような感覚。
前半は風下からのスタート。
「どうかな、どうするのかな」
前回対戦の時のような、激しいプレスを仕掛けて来ない広州。
「もっと前から来てたよな、確か」
左サイドからの強烈な押上げがない。
「ウチが上手く守ってるのかも」
迫力を感じない広州。
「やり方変えてる?」
首位と3位、立場の違いか。

中央からミドル、ノブヒロが弾く。
「やっぱり強烈だな」
一発で決める能力のあるクラブは怖い。
右から平川、左から槙野が刳る。
焦らずに、慌てずに。
いつかチャンスは必ず訪れるはず。

「PKだ!」
南側、主審がスポットを指す。
「あの程度で吹いてくれるんだ」
阿部勇樹がボールをセットする。
「マルシオじゃないのか…」
鎮まらないスタンド、“作法”はどこに消えたのか。
「頼むぞ」
ボールに気持ちを集中させる。
「あ…」
ポストに弾かれる、PK失敗。
「2度目か…」
絶好機を生かせない浦和。

「落ち着け、しっかり!」
ミスからカウンターを喰らう。
「落とすな、しっかり!」
勝たなければ何も残らない。
前を向き、戦い続けなければ。
「届かないか…」
浅いDFラインを破られる。
ノブヒロが突っ込む、交わされる。
37分、広州先制1-0。
「やっちまったか…」
苦しい展開に嵌る。
「このままじゃ、終われない」
勝利すること。
目標はそれだけなんだ。

マルシオのミドル、
左から槙野のシュート。
「いいぞ、そうだ!」
選手たちを鼓舞し続ける。

前半終了、浦和0-1広州。

真ん中を通される。
那須がブロックする。
「これなんだよ、これ」
スルーパスに抜け出すFW、
牙を剥く広州。
「マルシオ、切れてるよね」
「陽介、どうかな」
「興梠、ボール触れてない気がするんだけど」
早く追い付きたい、追い付かなければ何も始まらない。

左から右にパスが流れる、平川が折り返す。
「決まった!!」
52分、興梠が目の前で決める。
「さあ、これからだ!」
勝たなければ何も残らない。
平川が上がる、興梠が詰める。
「惜しい!」
勢い付く浦和。
中央から槙野、速いクロスが入る。
「よっしゃ!」
63分、浦和逆転2-1。
阿部勇樹が決める。
「良く走った、いいぞ!」
望みを繫ぐゴール。
「集中、集中しよう」
浮かれる余裕なんてない。
たった1点差、何が起こるか分からない。

PA内で興梠が競る、笛が鳴る。
「これもPKなんだ」
「手、使ったから?」
キッカーはマルシオ。
相変わらず鎮まらないスタンド。
「頼むぜ、まったく…」
左に飛ぶボール、ネットに突き刺さる。
「!」
67分、浦和追加点3-1。
「これで行けるかも」
漸く肩の力が抜ける。

「主審!止めろよ!!」
「蹴った、今蹴ったって!」
4審がアピール、試合が止まる。
72分、ペットボトルを蹴り上げたリッピが退席。
「次、全北戦なんだよな…」
心配事は尽きない。

相手GKに浴びせるブーイング。
ここは敵地だと思い知らせたい。
揺れるジャッジ、荒れる予感がする。
「何なんだ?急に向こう寄りになってないか?」
これもACL。
「しっかり、集中して行こう」
決して浮足立たないように、
プレー以外の部分で気を取られないように。

86分、宇賀神・興梠out関口・阪野in。
「暢久も用意してるね」
明らかにおかしな笛が鳴り続けている。
「ボール出して、一回切って!」
遠くのネットが揺れる。
「オフサイドだ」
副審の旗が上がっている。
「な、何?」
相手選手が中央にボールをセットする。
「オフサイドだって!」
主審に詰め寄る選手たち。
「副審に聞けよ!」
87分、広州得点3-2。
「ひどいな…」
何故埼スタで、ウチがこんな目に遭うのか。

87分、阿部勇樹out暢久in。
「落ち着かせてくれ、頼むぞ」
俺たちには、暢久がいる。
90分、啓太に警告。
「異議、ってこと?」
時計が消える、ロスタイムを示さない4審。
「何だよ、何やってんだよ!」

アディショナルタイム4分。
「あと3分だよな?」
不信感が募る。
「突いただろ!?」
暢久が倒される、相手選手にレッドカード。
「え、ウチにも?」
90+4分、暢久に警告。
「どうなってんだ、いったい…」

笛が鳴る。
「短くないか?ロスタイム」
浦和3-2広州。
これでバンコクに繋がった。
やるべきことをやって、結果を待つだけ。
「その前に清水戦だね」
高揚した感情を抑え切れぬまま、
スタジアムを後にした。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




もし明日が決勝戦なら。

何を置いても駆け付ける人は多いかな。

生活があって人それぞれに事情があって。
当たり前のことだから仕方がないと思うよ。

どの試合も大事。
いつだって負けられない。
それでも対戦カードによって
モチベーションは変わってしまう。
これも、仕方がないかな。

4万人の敵の前で為す術もなく敗れた2月26日。
アウェイだった。
声を張り続けても大観衆の前に掻き消された。
「埼スタで…」
ホームスタジアムで必ずリベンジを。
そう誓って帰浦したんだ。
俺たちなら、
みんなの力があれば。
心の拠り所は、赤く染まる僕らの「家」だった。


もしも明日が決勝戦だったなら。


浦和が浦和であり続けるために、
大切な試合だと思うんだ。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )




ウエストサイドを抜け参道に、
鳥居は潜らずに車道を歩く。
ずっと前から同じ道のり。
違うのは、そこはもう敵地だということ。

「雨かぁ」
待機中に雫が落ちる。
「あんまり気を張ってもね、ウチには水曜日もあるし」
たかがダービー、1/34の戦い。
そう思うことも必要なんだと分かっていても、
「嫌いなんだよ」
運営の拙さが無性に癪に障る大宮。

槙野が上がる。
「いいじゃん!」
ウメのシュートはGKキャッチ。
「気を付けろよ」
FKからのシュートはクロスバー。
「嫌い、嫌い、大嫌い」
本当に理由なんてないんだ。

「マンマークかよ、くだらねぇ」
どこまでも食い付いて来る。
「これには負けたくないな」
ある程度強くなる。
ただ、それ以上では決してない。
それを俺たちが教えてやりたい。
「負けるかっ!」

原口がスルーパスに反応。
「行け、届け!」
GKと交錯、蹲る原口。
「大丈夫か!?」
両チームとも激しい当たりを繰り返す。
「大丈夫みたいだな」
原口がピッチに戻る。
「いや、やっぱりダメだ…」
「何処やったんだろう?」
「太腿?腹??」
27分、原口outマルシオin。
「こんなことで1枚使うのか…」
主審は飯田淳平、相性は悪い。

「ガチだな」
一歩も譲らない、意地と意地が交錯するピッチ。
「落ち着いて、自分たちのやり方を通すんだ」
信じて戦うこと。
何より大事なこと、僕らが学んだこと。

プレーが止まる、那須がピッチ外に出される。
「出血してるってことか」
治療が終わる、主審にアピールする。
「入れろよ!」
バックスタンド側、4審はいない。
「だったら止めろよ!」
「出せ、ボール出すんだ!」
続くプレー。
アディショナルタイム2分。

左を破られる、中央が空く。
「何でだよ…」
45+2分、大宮先制1-0。
「オフサイドじゃねーの?」
納得がいかない、取られた気がしない。

前半終了、大宮1-0浦和。

「何か若いトウモロコシみたいだな」
決して橙色ではない、白装束が目立つスタンド。
「動員掛けたんだもんな、どうせ」
ここはいつも姑息な手段を使う。だから嫌い。

森脇が上がる、クロスが入る。
「合わないか…」
楔を受けた興梠が反転、シュートはDFがブロック。
「そうだ、そうやって崩そう!」
このまま我慢すれば取れる、焦らなきゃいいんだ。
「引いてるよな、向こう」
これまでの相手とは違う。
「こいつら、引籠ると厄介なんだよな」
槙野、森脇がアクセントを付ける。
マルシオが前線でキープする。
「もうちょっとリズム変えられたらな」

関口が準備をしている。
「ウメかな?陽介のところでも面白いかな」
69分、梅崎out関口in。
「突っ掛けちゃえ、関口」
大宮、手強い。
決定機らしい決定機を作れない。
「抜けたか!?」
柏木のパスに反応した興梠はオフサイド。
「難しいな…」
負けられない、絶対に。

仕掛ける、合わない。
仕掛ける、タッチを割る。
「もうちょっとだ、次だ次!」
諦めない、絶対に。
84分、宇賀神out阪野in。
「2トップ!?」
「やったことないよね?」
勝つために手段を選ばない。
ベンチからの強いメッセージ。
「大丈夫、しっかり!」
時間はある、追い付ける、大丈夫だ。

阪野が呼ぶ、DFがコースを消す。
興梠が張る、身体を寄せられる。
アディショナルタイム4分。
「まだだ、頑張れ!」
少しでも笛を遅らせられたなら。
あらん限りの声を振り絞る。
「まだ終わりじゃない、まだまだ!」

試合終了、大宮1-0浦和。
「負けたか…」
必死で戦った、ひとつのミスで負けた。
「やられた気、しないな」
強がりだ。
負けは負け、分かってるけれど。

切り替えないとマズいよな。
次は直ぐにやって来る。
「広州戦、やるしかないんだから」


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




エイコが今期初ゴール。
ウチから草津、水戸、東京V。
着実にステップアップしていて、
これから東京Vでもレギュラーに定着してくれたら
楽しみが増えるなぁ。

4/17 J2第9節山形戦 小池純輝選手インタビュー【ヴェルディ2013】


この試合ではホリが今期初出場。
次節以降、どのように使われるのか
注視しないと。


三浦泰年監督(東京V)記者会見コメント
気のせいかも知れないけど、三浦ヤスに対して攻撃的な記者がいるのかな。
前節ではジャージのこと、
今回は高原の守備のことで挑発的な言動をしてる人がいるんだけど。
同じ記者なのかな、どうなのかな。
これで東京Vは8戦負けなし。
決して強いとは思えないんだけど…。
J2:第9節 東京V vs 山形】試合終了後の各選手コメント
西川は古巣・岐阜戦で先制ゴール。
ユース時代の印象は正直持ち合わせていないんだけど、
育成の成果を証明してくれているような気がして、
嬉しいものだね。


【J2:第9節 岐阜 vs 富山】試合終了後の各選手コメント
吉野智行が今期初出場。
J2時代に苦楽を共にした仲間だから、
思い入れのある選手なんだ。
小村徳男監督(鳥取)記者会見コメント
原一樹も怪我。
長引かなければいいんだけど…
大木武監督(京都)記者会見コメント
徳島は青山、高崎がスタメン落ち。
ターンオーバーかと思いきや、そうじゃないみたい。
小林伸二監督(徳島)記者会見コメント
この監督、去年も頻繁にスタメンを変えて
裏目に出ることが多かった気がするんだけど…

【出場記録 (出場試合数)◎フル出場▽途中交代▲途中出場】
河合竜二(札幌)---(8)
中村隼(山形)----(0)
堀之内聖(山形)---(1)▲25
本間幸司(水戸)---(3)
西澤与志也(栃木)--(1)
三都主(栃木)----(5)SUB
富居大樹(群馬)---(0)
高橋峻希(千葉)---(7)▽80
高原直泰(東京ヴ)--(9)◎
小池純輝(東京ヴ)--(8)◎①
佐藤謙介(横浜)---(7)◎
永井雄一郎(横浜)--(0)
川鍋良祐(松本)---(5)SUB
大山俊輔(富山)---(5)SUB
黒部光昭(富山)---(0)
西川優大(富山)---(9)◎①
平野又三(岐阜)---(0)
山瀬功治(京都)---(2)
原一樹(京都)----(8)▽45
サヌ(京都)-----(4)▽57
徳重健太(神戸)---(0)SUB
相馬崇人(神戸)---(7)◎
ポポ(神戸)-----(8)◎
吉野智行(鳥取)---(1)▲45
岡野雅行(鳥取)---(3)
近藤徹志(岡山)---(2)SUB
坂本和哉(岡山)---(0)
寄特直人(岡山)---(0)
青山隼(徳島)----(7)SUB
高崎寛之(徳島)---(8)▲14
堤俊輔(福岡)----(7)◎
畑本時央(福岡)---(1)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




街が嫌いとか人が嫌いな訳じゃない。
理由なんてないんだ。
ただ単に大宮が嫌い、それだけだよ。
その昔、
参道を歩く高揚は何事にも替えがたかった。
そんなこと忘れたね、それくらい嫌いだ。


あの歌もその歌も、歌って何が悪い?
あの旗もビラも、いいじゃない!?
ダービーって、そういうものだと思うんだ。

綺麗事言ってんじゃねーよ、って感じかな。
嫌いだよ。
「水、マシマシで頼むぜ」
テメーらだって汚ねーことしてただろ?

アジア枠のアイツ、ウチらの前で何をした?
お互い様じゃねーの?


嫌いなんだよ。


[追記]
時代遅れな運営が、何よりムカつくんだけどね。

「お前は全北か!」

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




メインスタンド上段を抜ける風は、未だ冷たくて。
ベレーザ戦。
今もなお、宿敵といっていいものかどうか。
千葉、湯郷とアウェイで連敗して迎える駒場。
若いチームが苦しんでいる。

GK池田
DF石井・坂本・高畑・齊藤
MF岸川・藤田・安田・柴田・後藤
FW吉良
リザーブ田尻・竹内・栗島・堂園・泊
吉良が漸くスタメン復帰。
柴田が真ん中に、後藤と安田がワイドに開く布陣。

「押されてるなぁ」
ベレーザの出足に気圧される浦和。
間合いが詰まる、パスの出しどころがなくなる。
「何がしたいんだろう?」
明確な戦術のない展開。
「大丈夫なのかな、これで」
選手だけではなく、監督も新人ということだろうか。

「向こうだってそんなに良くないのにね」
ベレーザにも往年の強さ、迫力を感じない。
「え?」
PA外から競り合い、PA内に入った所で笛が鳴る。
「そりゃないだろ!」
PK。
「ファール取るならFKでしょ?」
審判のレベルもなでしこリーグの課題の一つ。
31分ベレーザ先制0-1。

「落ち着け!」
落胆の色が窺える浦和。
「しっかり、頑張って!」
若い、あまりにも若い。
立て直せない、次を考える余裕のないプレー。
今はただ、頑張れと言う他ないのか。

前半終了、浦和0-1ベレーザ。

悩ましい笛、怪しい旗。
通らない縦パス、形にならない攻撃。
懸命に何かを起こそうとしているのに、
その何かを掴めず苦悩しているような選手たち。
「頑張れ、いいぞ!」
少しでもいいプレーがあれば、拍手と声で盛り立てる。

77分、後藤out堂園in。
「SBが先じゃ…」
毎試合観ている訳じゃないから、よく分からないけれど…。
84分、吉良out栗島in。
「FW落としちゃったか…」
岸川を前線に上げてパワープレーに持ち込む。
「齊藤じゃだめなのかな」
「泊、FWなのに使わないのかな」
監督も新人。
すべてはこれから、なのか。

試合終了、浦和0-1ベレーザ。
項垂れる選手たち。
前を向こう、頑張ろう。
悔しいけれど、これからだよ。

苦しいシーズンになりそうな浦和。
突き放すことなく、温かく支えてあげたいと思うんだ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




第9節が終わってしまったけれど、
その前に第8節のことを。

高崎がPKを外してる。
ここまでの試合でも流れからの得点もなく、FWとしての真価が問われそうだな。
河合竜二は前半途中負傷退場。
J2の厳しさはこういうところにもあるんだよな。
(1分30秒あたり)
高原がストライカーらしい得点を上げ、東京が鳥取に勝利。
岡野も今期一番長い時間出場。
いちおしスポーツ 東京ヴェルディと対戦(動画)
だらしない着こなしで物議をかもした三浦ヤスは
記者会見で「どうしてジャージになったんだ」って聞かれてるのね。
高原のコメントは、
ベテランがチームに伝えようとするものは、大切なんだなって感じるね。
三浦泰年監督(東京V)記者会見コメント
【J2:第8節 東京V vs 鳥取】試合終了後の各選手コメント
ポポ兄は出場停止。
いなくなって初めて、
攻撃面だけでなく献身的な守備も貢献度が高いことを証明されたようだよ。
安達亮監督(神戸)記者会見コメント

そう、堤は監督から“ツツ”って呼ばれてるのね。
マリヤンプシュニク監督(福岡)記者会見コメント

【出場記録 (出場試合数)◎フル出場▽途中交代▲途中出場】
河合竜二(札幌)---(8)▽21
中村隼(山形)----(0)
堀之内聖(山形)---(0)
本間幸司(水戸)---(3)
西澤与志也(栃木)--(1)
三都主(栃木)----(5)▲5
富居大樹(群馬)---(0)
高橋峻希(千葉)---(6)▲15
高原直泰(東京ヴ)--(8)◎①
小池純輝(東京ヴ)--(7)▲37
佐藤謙介(横浜)---(6)◎
永井雄一郎(横浜)--(0)
川鍋良祐(松本)---(5)SUB
大山俊輔(富山)---(5)SUB
黒部光昭(富山)---(0)
西川優大(富山)---(8)◎
平野又三(岐阜)---(0)SUB
山瀬功治(京都)---(2)
原一樹(京都)----(7)◎
サヌ(京都)-----(3)▽71
徳重健太(神戸)---(0)SUB
相馬崇人(神戸)---(6)◎
ポポ(神戸)-----(7)
吉野智行(鳥取)---(0)SUB
岡野雅行(鳥取)---(3)▲25
近藤徹志(岡山)---(2)▲1
坂本和哉(岡山)---(0)
寄特直人(岡山)---(0)
青山隼(徳島)----(7)▽75
高崎寛之(徳島)---(7)▽72
堤俊輔(福岡)----(6)◎
畑本時央(福岡)---(1)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




「あれ?体力着いたのかな」
やけに楽に漕ぐことが出来るのは何故?
「追い風だったからか…」
早くも帰路が憂鬱なチャリ通。

スタンドを巻き込むような風。
「磐田戦だってこんなに酷くなかったよね?」
5連戦最後の試合。
「疲れてると思うよ、行って帰って来ただけでもくたびれたもん」
「前回だって大分戦、苦戦したじゃない」
昇格クラブとの対戦。
内容よりも勝利を収めることが大事。
「そろそろ興梠も決めるんじゃない!?」

GK加藤
DF森脇・那須・槙野
MF梅崎・啓太・阿部勇樹・宇賀神・柏木・原口
FW興梠
リザーブ山岸・暢久・坪井・平川・関口・マルシオ・阪野
全北戦と同じメンバー。
「変えなかったね、やっぱり」
監督の嗜好が如実に顕れた構成。

「ブレるねぇ」
連戦と疲れからなのか、風の影響なのか、
パスが少しずつずれている。
たどたどしいパス交換。
「向こうも同じか…」
個々の能力ではウチが上。
ボールを待つ、奪われる。
「舐めてるんじゃないだろうな」
油断が命取りになることは、大分戦で経験済なはず。

「やっぱりな…」
引いて守る湘南、攻め倦む浦和。
槙野のオーバーラップ、力強い原口の突破、森脇のクロス。
どれも決定的なチャンスには繋がらない。
「打った!」
柏木のシュートはバーの上。
「どうかな、陽介!?」
調子がいいのか悪いのか、これだけでは分からない。
「また打ったね」
再び柏木、これもゴールには結びつかず。
強い風と単調な攻撃、乗っていけない。

「決まった!」
「やったよ、とうとう!」
30分、浦和先制1-0。
「興梠でしょ!」
背後からのボールに上手く合わせた、難しいシュートが決まる。
「これで楽になれるよね」
ストライカーが奪った待望の得点。
「さあ、点取ろう!」
1点じゃ分からない、2点差だって不安なんだ。
「取れる時に取らなきゃ」
柏木のCK。
「湘南、全員戻ってるけどいいのか?」
これも力の差なんだろうか。

「惜しかったなぁ」
原口のシュートはGKセーブ。
前半終了、浦和1-0湘南。

「気を付けて!」
湘南が攻める、槙野が防ぐ。
「折角風上なんだから、蹴っちゃえばいいのに」
ノブヒロのゴールキックがタッチを割る。
「最近多い気がするんだよな…」
風に押し戻される、風に乗って遠くに飛ぶ。
この風を味方に付けたい。
「原口っ!」
柏木のパスに反応、GKを交わす。
「マジか…」
DFに当たる、ゴールならず。
「決めないとなぁ」
決めるべき時に決めないと苦しくなるのに。

59分、梅崎・啓太out関口・マルシオin。
「勝ってるのに2枚代えか…」
連戦最後の試合、疲労を考慮してだろうか。
「でもこれで誰かが怪我したら、あと枠ひとつしかないよね」
勝っている時ほどマイナス要因を探してしまう。

マルシオがキープ、柏木が粘る、交わす、狙う。
「決まらないな…」
中央から宇賀神にボールが渡る。
「打っちゃったよ…」
得意な角度から放たれたシュートはバーの上。
パスカットからカウンター、原口がDFを交わす。
「打て!入れ!」
これもDFがブロック、決まらない。
「どうしてかなぁ…」
決定力が上がれば、もっと楽に戦うことが出来るのに。

柏木のCK、ボールが流れる。
「うわっ!」
GKの頭上を越すぼーる、サイドネットが揺れる。
73分、浦和追加点2-0。
「難しいシュートは決まるのにね」
風の悪戯が、浦和に微笑みをもたらす。
「もう1点、欲しいね」
少しでもリーグ戦を優位に戦うために、得失点差を広げたい。

「あっ!」
興梠のシュートはクロスバーに直撃。
「どうやったら外せるんだ?」
1点だけでは楽にはなっていないのか。
「マルシオ!?」
裏を抜け出したマルシオ、シュートはポストの左。
「何でだ!?」
悉く決定機を逃す浦和。
「2点差なんてどうなるか分からないのに」
ゴールラッシュが見たい、笑いが止まらなくなるような試合が見たい。
「上手くいかないね」

アディショナルタイム4分。
91分、原口out阪野in。
CKに那須が飛び込む。
「あら、これも決まらないのね」
圧倒しているのに、得点差は2点。
「勝てばいいか、連戦だし」

試合終了、浦和2-0湘南。
もっと強くなる可能性を残して。
「さあ、次は大宮か」
負けたくない、負ける訳にはいかないよね。








コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




原一樹が2得点。
ここ数試合スタメンに定着。
PKキッカーを務めるなど、チームの中心選手として活躍中。
2得点目のアシストは、
アフリカネーションズカップから帰国したサヌのアシスト。
いいよね、こういうのって。

堤はボランチで出場。
ただ、後半は監督の指示とは違う右MFでプレー。
大丈夫なのか?福岡…。
マリヤンプシュニク監督(福岡)記者会見コメント
ガンバと引き分けた、東京V・高原のコメント。
J2でも経験のある選手は必要なんだなと感じさせるよ。
あの黄金世代の選手。
いつまでもプレーしていて欲しいんだよね。
【J2:第7節 G大阪 vs 東京V】試合終了後の各選手コメント
横浜FCも勝てない。
永井くんは開幕から一度もベンチにも入っていない。
怪我なのかな?
大久保、田原、黒津、カズ。
FWは揃ってるからなぁ。
【J2:第7節 横浜FC vs 熊本】試合終了後の各選手コメント
アレが決めた!
アディショナルタイムに決めた!
少ない出番をモノにした。
これで出場機会が増えるといいんだけど、どうなんだろうな。

松田浩監督(栃木)記者会見コメント
【J2:第7節 富山 vs 栃木】試合終了後の各選手コメント
ポポ兄が強烈なスライディングをかまして一発退場。
低空ドロップキックみたいだ…。


【出場記録 (出場試合数)◎フル出場▽途中交代▲途中出場】
河合竜二(札幌)---(7)◎
中村隼(山形)----(0)
堀之内聖(山形)---(0)SUB
本間幸司(水戸)---(3)
西澤与志也(栃木)--(1)
三都主(栃木)----(4)▲1①
富居大樹(群馬)---(0)
高橋峻希(千葉)---(5)
高原直泰(東京ヴ)--(7)◎
小池純輝(東京ヴ)--(6)◎
佐藤謙介(横浜)---(5)▽89
永井雄一郎(横浜)--(0)
川鍋良祐(松本)---(5)SUB
大山俊輔(富山)---(5)▲8
黒部光昭(富山)---(0)
西川優大(富山)---(7)▽85
平野又三(岐阜)---(0)SUB
山瀬功治(京都)---(2)
原一樹(京都)----(6)◎②
サヌ(京都)-----(2)▲35
徳重健太(神戸)---(0)SUB
相馬崇人(神戸)---(5)
ポポ(神戸)-----(7)▼87S
吉野智行(鳥取)---(0)
岡野雅行(鳥取)---(2)SUB
近藤徹志(岡山)---(1)SUB
坂本和哉(岡山)---(0)
寄特直人(岡山)---(0)
青山隼(徳島)----(6)◎
高崎寛之(徳島)---(6)▽82
堤俊輔(福岡)----(5)◎
畑本時央(福岡)---(1)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




拍子抜けするほど順調に流れる高速道路。
ソウルから3時間掛からずに、全州に到着。
駐車場所を探すツアーバス。
「前来た時はあっちに停めたよね」
7年前の記憶が甦る。

「まだ3時間以上あるよ」
「埼スタだと思えばこんなもんでしょ」
「でも、ここ何にもないし」

過剰な荷物検査を経て、入場。
「そうだ、ここってビール缶のまま渡すんだっけ」
中心が決まる、ダンマクが張られる。
「待機列、止められるらしいよ」
「ダンマク降ろすまで入れないって」
「何で?向こうは出してるじゃ」
嫌がらせ、これもACL。
そう言えるのは僕が直接被害に遭っていないから。
「酷いよな、そんな奴等に負ける訳にはいかねーよ」
自ずと気合いが入る。

GK加藤
DF森脇・那須・槙野
MF梅崎・啓太・阿部勇樹・宇賀神・柏木・原口
FW興梠
リザーブ山岸・暢久・坪井・平川・関口・マルシオ・阪野
リーグ戦用ベストメンバー。
監督の意気込みを感じる一戦。

「まずはウチが先だな」
原口のシュートはGK正面。
柏木のCK。
「やった!!」
「那須?那須だよね!」
3分、浦和先制1-0。
勝つために来た。
難しいアウェイでリードを奪う。
「行ける、勝てるぞ!」
こんなに嬉しい得点はない。

左からウガのシュート、零れ球に右から梅崎。
6分、浦和追加点2-0。
先週出来なかったことを克服する。
これが今年の浦和なんだ。
「しっかり、集中しよう!」
油断は命取りになるから。

「いい笛だ」
簡単に倒れ異議を唱える相手に惑わされない審判。
「これなら大丈夫だろう」
アウェイ。
12人目の敵はいないようだ。
「いいぞ、森脇!」
「那須!」
体格の勝る相手に身体を寄せ、自由を奪う。
興梠がDFラインを突破する。
「惜しい、次だよ次!」
新しい仲間たちが躍動する。

「ウガ、厳しいかな」
小さなミスからカウンターを喰らう。
「大丈夫、落ち着いて!」
後ろ向きな言葉を発する人などひとりもいない。
「レッドだろ!?」
啓太が突き飛ばされる。
割って入った審判も巻き込まれる。
「何で?両成敗で終わりなの?」
36分、啓太に警告。
嫌な予感がする。
「もしかしたら、笛が傾くかも…」

左からのクロス、阿部勇樹が合わせる。
「惜しい!」
そこまで上がって来てたことが素晴らしい。
「危なかった…」
相手FKはポストに救われる。
「ツキはある、大丈夫だ」

前半終了、全北0-2浦和。

「これでカードかよ…」
46分、梅崎に警告。
全北のCK。
「ウソだろ、それ…」
角度のないところから放たれたループシュートが決まる。
51分、全北得点1-2。
「仕方ない、事故だよ事故」
「切り替えよう、まだ勝ってるんだ」
勝てばいい、勝ち点3が取れればいいんだ。

「これもか?」
「それでなの?」
接触プレーは悉く浦和の反則。
「笛吹いてるの、中東の人だっけ?」
これじゃ、ウチは当たりに行けないじゃん…」
ラインが下がる、思うようにボールを奪えない。
「ノブヒロ!」
揺れるFK、曲がるFK。
ノブヒロが抑える、弾く。

65分、宇賀神out関口in。
「リズム変えた方がいいかもな」
これで今年移籍した選手が全員ピッチに揃う。
68分、柏木outマルシオin。
「頼むぞ、マルシオ」
前線でボールが落ち着けば、ウチにもチャンスは巡って来るはず。

「またかよ…」
次々と鳴らされる笛、相手FK。
「それはなしなの?」
ウチが倒されても笛は鳴らず。
「アウェイか…」
浦和から来た同志だけが信じられる仲間。
「絶対勝つぞ!!」
誰のためでもなく、浦和の誇りのために。

「どうする、どうする!?」
梅崎が上がる、そのままシュート。
「それもありだ、いいぞウメ!」
興梠がスルーパスに反応。
「決めろ!!!」
ポストの左に流れるシュート。
「どうしてだ…」
もう1点欲しい、取れば決まるのに。

原口からマルシオへボールが渡る。
「走れ、打て!」
阿部勇樹のシュートも枠の外。
どうしても決まらない、決められない。
89分、興梠out平川in。
「ロスタイム何分?」
時計の見えないアウェイ側、残り時間さえ分からない。
「4分だね」
手元の時計を確認する。

「もうちょっとだ、あと少しだ」
勝って帰浦出来る、アウェイで大きな勝ち点を得られる。
力を振り絞る、ありったけの声を出す。
「頼む、頼むぞ」
90+2分、混戦から失点。
項垂れる選手たち。
「まだある、時間あるぞ!」
勝つんだ、勝たなきゃいけないんだ。
困難な戦い、それを乗り越えれば強くなれる。
「頑張れ、しっかり!」
「諦めない、攻めろ!」

無常の笛が鳴る。
試合終了、全北2-2浦和。
握りしめた拳を上げることも出来ず、
叩き付けることも出来ず。
強く握り締めることも、力を抜くことも出来ず。
やり場のない感情が去来する。

負けた訳じゃない、まだあるんだ。
分からせようとする自分がいる。
「まだだよ、まだ」
「これからだ、これからだよ」

広州戦。
ACL予選最後のホームゲーム。
ひとりでも多くの人の力が欲しい。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




今はただ、
申し訳ない気持ちでいっぱいです。

勝つことだけを使命にして戦ったけれど、
結果を残すことは出来なかった。


予選はあと2試合。
2つとも勝たなくてはならなくなった。
広州戦、
願うことならまた、
共に戦って欲しい。


まだまだ諦めたくないんだ。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




オフィシャルバスは高速道路を南下中。
渋滞もなく、予定時刻より早く現地に
到着するとのこと。
天候は晴れ、ただし風が強く冷たい。
試合が始まる頃は1から2℃まで
気温が下がるらしい。

負けられないではなく、
勝たなければならない試合。
静かな車内は現地ガイドが呆れるほど、
観光に興味を示さず、
キックオフに向け鋭気を養っている。

勝たせてやりたいではなく、
勝ちたいんだ。
自分たちの力で勝利を手繰り寄せ、
明日に希望を繋ぐために。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




不要不急な外出は控えるように。
気象予報が伝えている。
「これくらいで済めばいいけどね」
風は弱く、雨も決して強くない。
「本当に荒れるのかなぁ」
もし外れたなら、
気象庁が恨めしいほど人の少ないスタジアム。

GK加藤
DF森脇・那須・槙野
MF梅崎・啓太・阿部勇樹・宇賀神・柏木・原口
FW興梠
リザーブ山岸・暢久・坪井・平川・関口・マルシオ・矢島
矢島が今季初のベンチ入り。
ACLを戦った水曜日から、中2日で迎えるリーグ戦。

「何だそれ?」
北側に陣取るカメラの放列。
試合とは全く関係のない、デスゴールを撮りに来た輩たち。
「感じ悪いな」
今のウチなら落ちることはない。
まるで自分たちが発見したかのように騒ぐ奴らは嫌いだ。

「そうそう!」
PA外側から原口がシュート。
「風あるからね、打てば何か起こるよ」
冷たい雨と風、寒い。
「追い掛けて来るなぁ」
松浦がバックラインにプレスを掛ける。
「啓太のところも食い付いてくるんだよな」
思うように縦パスが入らない。
「磐田が強いって感じもしないんだけどな」
静かなスタジアム、腕を組む場面が増える。

「PKだ!」
前線の選手が倒される、主審がスポットを指す。
「誰が蹴るんだろう、槙野?」
阿部勇樹がボールをセットする。
「代えるのか?」
興梠が近づく、スタンドが沸く。
「騒ぐなよ…」
拍手まで起こる有様。
「静かに!」
ヨシカツが弾く、詰めたボールはクロスバーの上。
19分、PK失敗。
「また絶好機を逃したか…」
決められないと苦しくなる。
「余計なことしないで阿部勇樹が蹴ってりゃ…」

啓太が最終ラインまで下がる。
「組み立てが上手く行かないのかな」
中央のラインがいつものようにいかない。
「陽介がイマイチか…」
ピッチに水が溜まる前に何とかしたい。
右からクロスを入れられる。
「交わされた…」
26分、磐田先制0-1。
「前田かよ…、こういうのはウチ得意だよな…」
決められなければ決められる、
3日前に学んだばかりなのに。

「それにしても何もしないな」
観戦するゴール裏。
「跳ねないと寒いよ」
パスを繋ぐ、急ぎ過ぎてトラップミス。
スピードを上げる、ボールが落ち着かない。
「焦るな、しっかり」
次につなげるためにも、連敗は避けたい。

前半終了、浦和0-1磐田。

「滑ってるよね」
降り続く雨、踏ん張りの効かない選手たち。
柏木が狙う、ミドルシュートはクロスバーの上。
「そうだ、打って行こう」
磐田の守備なら引かれても怖くない。
「落ち着いて、絶対綻びるから」
興梠が倒される。
「PKじゃないの!?」
笛は鳴らず。
60分、ヨシカツ警告。
「何ひとりで怒ってんだ?」
上手くいっていないのは磐田の方のよう。

後半、漸く動いたゴール裏。
跳ね続けたお陰で身体が温まる。
「浮かせたか…」
森脇のシュートはクロスバーの上。
「ウメ!」
カウンターから持ち上がった梅崎。
「そのまま打たなくても…」
徐々に得点の匂いがしてくる。

67分、宇賀神out関口in。
「なるほど、雨ならこれもありかな」
73分、柏木outマルシオin。
「何歩いてんだよ!」
項垂れる柏木。
「負けてんだから早く出ろよ!」
不調の理由はメンタルにあるのか。

槙野から興梠へのパス。
「これも決まらないのか…」
マルシオのCK。
「決まった!」
75分、浦和同点1-1。
「森脇か、さあこれからだ!」
一気にボルテージを上げる。
「勝てる、この相手なら」
興梠が抜ける、決められない。
「頑張れ!」
「勝てる、勝つんだ」
86分、梅崎out平川in。
「この方が安定するかな」
疲弊するWB、失点する可能性も少なくしたい。

アディショナルタイム4分。
ハーフラインで原口がボールを奪う。
「行け、走れ!!」
興梠が、マルシオが前線に駆け上がる。
「打て!決めろ!!」
ヨシカツが触れる、ゴール前に転がるボール。
「入れ、入ってくれ…」
90+2分、浦和逆転2-1。
入り乱れる、雄叫びを上げる。
「集中しよう、守り切ろう!」
浮かれないように、しっかり最後まで。

4分を回る、時計すら見ない主審。
ベンチからスタッフが飛び出す。
「終わりだよ、終わりだろ?」
相手CK。
「それはないだろ…」
集中、集中…、やらせない、絶対やらせない。

試合終了、浦和2-1磐田。
苦しい試合をものにした。
5試合で勝ち点13。
「さあ、次は韓国だ!」
意気揚々とスタジアムを後にした。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




2試合で勝ち点4。
次のステージに進むために、
ホームで勝ち、翌週のアウェイ戦を優位に戦いたい。
勝手に目論んで挑む試合。
4月当初、平日のナイトゲーム。
集うには厳しい条件。
SRから流れる人波も、やや寂しい。

GK加藤
DF坪井・那須・槙野
MF平川・啓太・阿部勇樹・関口・柏木・マルシオ
FW原口
リザーブ山岸・暢久・森脇・梅崎・宇賀神・興梠・阪野
永田充は6週間の離脱。
新潟戦から5人入れ替え、
ベテラン選手中心となったスターティングメンバー。
どんな形でもいい、勝利だけが欲しい一戦。

メインもバックも南側も、空席の目立つスタジアム。
「決勝トーナメントになると増えたりするんだよな」
仕方ないと思ってはいるけれど、
共には戦えないと思っている自分もいる。

槙野が左を突破、原口に渡る。
「決めろ!」
6分、浦和先制1-0。
相手の機先を制する、幸先の良いスタート。
「これで行ける!」
中央が空く、啓太が自由にボールを捌く。
「今だよ、向こうが混乱しているうちなんだ」
原口がDFを交わす、GKと対峙する。
「決まらないのか…」
柏木がGKを1対1に。
「オフサイド、か」
一方的に攻める浦和。
「早く追加点取らないと…」
平川が右サイドを駆ける。
中央にパスを通す、原口がスルー。
「マルシオっ!」
これも決まらない。
「マズい、向こうが慣れてしまうかも…」
決定機を逸し続ける。

「さあ、いい位置だ」
原口が倒される、PA付近、キッカーはマルシオ。
「どうかな、決まると楽なんだけど」
ポストに嫌われる。
「これも駄目か…」
「マズい、これはマズいぞ…」
これだけ攻めても1点差、このまま終わるとは思えない。

「真ん中に通らなくなったな」
中央を絞る全北、カウンターからチャンスを伺う。
ノブヒロのゴールキックが相手FWに当たる。
「しっかり、集中しろよ!」
慢心なのか、油断なのか。
「ん?それでファール!?」
槙野が主審から注意を受ける。
「それがファールだとDFは何も出来ないよな…」
坪井がオーバーラップ、中央に合わない。
「少しずつずれて来てるのか…」

前半終了、浦和1-0全北。

「出て来たか…」
イドンクが入る全北。
追加点が欲しい、1点取れば試合が決まるはず。
右からのクロス、左に流れたボールを関口が拾う。
「詰めろ!」
柏木のシュートはクロスバーの上。
これも決まらない。

全北のFK。
「クリア!大きく!!」
拾われる、ネットが揺れる。
51分、全北同点1-1。
「もったいない…」
勝たなければならない試合、それなのに。
「落ち着いて、まだ時間あるんだ」
カウンターを喰らう、勢いに圧される浦和。
流れが大きく相手に傾く、嫌な展開。
64分、再びFKから失点1-2。
「イドンクかよ…」
数少ないアウェイサポーターが踊っている。
「ちくしょう…」

67分、坪井out興梠in。
「出さざるを得なくなるんだよな…」
前半の拙攻が痛すぎる。
「危ない!」
DFの裏を取られる。
「ノブヒロ!」
辛うじてセーブ、勝利への可能性が残される。
その直後、当たり損ねたようなシュートを決められる。
70分、全北追加点1-3。
「キツいな…」
勝ち点3は難しいか。
「追い付こう、2点なら返せるよ」

70分、関口out宇賀神in。
「それでいいの?」
リーグ戦仕様に変えることが良策なのか。
「原口、原口、原口!」
当たり負けしない、ゴールに突進する。
「真っ直ぐ過ぎたか…」
81分、原口out梅崎in。
「そうなのかなぁ」
結局“レギュラー”が出場しなければ勝てないのか。

アディショナルタイム3分。
「次もあるんだよ、次も」
1点でもいい、返しておきたい。
「頼むよ、来週もあるんだから」
諦めたようなスタンドの雰囲気。
「これでいいのか…」

試合終了、浦和1-3全北。
選手を迎えずにスタンドを出る。
ブーイングが聞こえる。
「どっちにだろうね」
選手?
審判?
どっちでも良かった。

僕はまだ諦めない。
アウェイで勝てばいい。
気持ちを新たに、次へ向かう。
振り返る時間なんてないんだ。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



« 前ページ